最終話 誰がためにトドメを刺すのか。

 男が一人、パソコンの前に座っている。


 時刻は深夜の二時。



 男は小説投稿サイトのマイページを確認する。



「伸びてねーなー」



 彼の作品の閲覧数のことである。



 続いてスマホを手に取った。



 フォロワーたちの、景気のいいタイムラインを流し読みする。



「あー、やっぱりこういう系が流行りなのか」



 男はパソコンの電源を落とし、ベッドに倒れこんだ。



「次の作品は、もっとヒロイン多めにすっかな」



 そんなことを呟きながら、男は眠りについた。








 ――ほら、また諦めエタった。



 どこかから声が聞こえるが、男の耳には入っていないようだ。





 ――アンタ達が中途半端に物語をほったらかすから、私がトドメを刺すはめになるんじゃない。



 いつの間にか部屋にいた、金髪の少女が呆れるようにため息を吐いた。





「ま、私はそれが仕事だし、楽しいからいいんだけどね☆」












 ねぇ、そこのアンタ。



 完結させずにほったらかしている物語、ない?



 それ以上ほったらかしにするなら、ミカンがトドメ、刺しちゃうからね☆

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トドメ刺しのミカン 飛鳥休暇 @asuka-kyuka

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