第3話 堕 (だ)

『おかしい、周りの奴らが俺を見てくる。どうした、なんで俺を見るんだ』

周りの目を気にしながらも、バイト先に着き、仕事にかかろうとすると店長が俺を呼んだ。

駆けつけてみると、店長が、

「お前は、そんな事を思っていたのか。今からクビだ、帰れ」

なぜだ?俺はミスはするけどクビになるような事していないじゃないか。

「どうしてですか?」

「・・・・・」

もう店長は、俺に対して顔を合わせてくれなかった。クソが。

家に帰る時にも、さっきと同じように注目されている。そして、家に帰宅すると、あの少女がいた。

「やぁ、お帰り。嘘つきさん。どうだったかな、今日は?楽しかったかい?」

楽しい?何を言っているんだ。

「どういう事だ?言っている意味がわかんないだが」

「あぁ、そうだった。まだ説明してなかったね、私にはある力が使えるんだ。

それを私は、(LIE)と呼んでいる。この力は、嘘をついている人の嘘をみんなに見えるようにするんだ」

と、彼女は俺をバカにするような笑みで言った。それと同時に、俺はあることを思い出した。それは、周りの目だ。あいつらは俺の嘘が見えていたから、俺を警戒していたんだ。

そうか、俺はこいつに会った時から、俺の人生は終わっていたんだな・・・

俺は生きることを諦め、今日は寝ようと思い、瞬きをすると、その少女はもう消えていた。


「ふふ、嘘は怖いなぁ。何故、人は嘘をつくのだろう?」

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LIE ー真実と真逆の物ー ミルミル @komusan563

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