ネタ出し方法その6【場面法】:お題『最後の3分間』

 6日目のお題は『最後の3分間』。2日目のお題である『2番目』と少し似ていますね。

 3分間という言葉に釣られて、カップラーメンネタが多かった印象があります。最近のカップラーメンは3分じゃないのも多いですが、未だにカップラーメン=3分というイメージが強いようですね。

 でも、逆に言えばカップラーメンネタが乱立することが容易に想像できたので、オリジナリティを求めて別のネタはないかと頭を捻った人も多いんじゃないでしょうか?

 今回はそんなこだわり派向けのちょっと難しいネタ出し方法です。



ネタ出し方法その6【場面法】

 方法としては以前紹介した【分析法】に少し似ています。

 お題に即した小説・漫画・映画などを見つけ出し、そこから使ってみたい”場面”を切り出すことでネタ出しを行います。

 プロット作成に片足を突っ込んでいますが、使ってみたい場面を先に用意しておいて、それを活かせるようにシナリオを組む方法ですね。

 では、今回も『最後の3分間』というお題で実践してみます。



 『最後の3分間』に即した既存作品……私は真っ先に映画が思い浮かびました。

 「ラスト1分、あなたは騙される!」や「最後の5分間、すべてがひっくり返る!」なんていう紹介文を見たことがありませんか?あれが思い浮かんだんです。

 そこから、どんでん返し系の映画なら使えるネタがあるだろうといくつか見て回ったところ、「イニシエーション・ラブ」という映画がふと目に留まりました。

 ネタバレになってしまうので詳細は省きますが、乾くるみ先生の小説を原作とした映画で、2015年に公開されたものです。うろ覚えではありましたが、映画は実際に見た記憶があり、極めて印象的な仕掛けがあったのを覚えていました。

 気になる方は、ぜひ原作小説か映画を観てみてください。


 これにより、読者をあっと言わせる場面をネタとして用意することができました。

 あとは、3分という短い時間を利用して、あの場面をどうにかして短編に落とし込むことができないだろうか?というのを突き詰めていきました。

 そんなふうにして完成したのが、以下の作品です。

「俺が死ぬことになった三分間の勘違い」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888927486

 ……なんか☆の数がおかしくなるバグにかかった作品その1。☆50越えとか都市伝説だと思ってた。名作の場面を活用したのが功を奏したのか、私の作品としては頭一つ抜けた評価をいただくことができました。

 恋愛小説である「イニシエーション・ラブ」のどの場面を活用して、犯罪小説である「俺が死ぬことになった三分間の勘違い」にどのように組み込んだのか。ぜひ両者を読み比べて確かめてみてください。



 では、最後に、いつもどおり、個人的に面白いと感じた作品を二つご紹介します。

 よければ、ぜひ読みに行ってください!



「合成樹脂のシンデレラ」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888930071

 kanegonさん


 一部の人に読ませたらぶん殴られそうなブラックジョーク満載の作品。ジャンルはラブコメだと思うのですが、コメディ要素が強烈すぎるせいか、ジャンルは現代ファンタジーに設定されています。

 不遇な女性が魔女の力を借りて変身し、王子様が開いた舞踏会に参加。ただし、魔女の魔法は12時に解けてしまう――というテンプレシンデレラストーリー。……うん、嘘は書いてないよ?本当のことを書いてないだけで。言葉って便利だね。

 詳細はぜひ実際に読んでください。そして、笑ってください。




「レイン・カーネーション【KAC6】」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888915415

 Nicoさん


 KAC6で絶対紹介しようと思っていた作品。カクヨムでは珍しい、詩・童話・その他ジャンルの物語です。

 私はネタ出しもプロット作成も計算の下で行うタイプなので、こういう構成の文章は書いたことがありません。読んでいるうちにシャンソンが聞こえてくる錯覚を覚える美しい描写とセリフ回しです。

 これに関しては、言葉で説明するより実際に見ていただくのが一番でしょう。ぜひご覧になってください。




 KAC10の結果が発表されて、本格的にイベント終了ですね。みなさんが応援した作品は入賞していましたか?

 私の作品は当然ながらかすりもしませんでしたが、カクヨム編集部賞レビュアーで私の作品に対するレビューが入賞していました。

 KAC10だけダントツの☆評価を得ていたのも、多くの方が素晴らしいレビューを書いて、読者の目を惹いてくれたおかげでしょう。レビューコメントをくれた方々はもちろんのこと、評価してくれた方々・応援してくれた方々、みなさまありがとうございました!


 KACは終わったけど、お疲れ様会はもうちょっとだけ続くんじゃよ。

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