決着

部屋は濡れていた。

火災報知器が作動した為消防が来てくれるかもしれない。

しかし、そんなことは既に頭になかった。


「逃げようにも恐らく、私の車には手が回っているだろう。となると、他に方法は…。」

「勢津子さんの車か、明人さんの車ですね。勢津子さんの鍵とこの家のスペアキーはここにあります。」

「もう誰も生きていない…なんて…そんなことありませんよね、先輩。」

「一応、推理はできたけどね。…それじゃあ、行きましょうか…。」

「汗をかくくらい厚着してね。」

「かなりぶっ格好ですね。…うん、わかった。気をつけてるね。」


俺達は、意を決して館の外に出た。

すると、ボウガンの矢が足元に落ちてきた。


「残念だけど、みんなにはここで死んでもらわないと…。」

「綾子さんに、明人さん…推理通りですね。」

「なんで…生きて…。」

「くっ…。」

「動かないで、動くと撃つわよ…。」

「というわけだ、まずは君からにしよう…。」


じわりじわりと距離を詰めてくる2人だったが…焦りはしなかった。


「ぐっ…。」


深々と俺の腹にナイフが差し込まれる。

俺は、明人の手を両手で押さえ屈みこんだ。


その瞬間…明人の顔は歪んだ。

大量の10円玉をテープで固定し束ねた物を入れたストッキングで千里が明人の顔をなぐったからだ。

そして、そのまま突進しナイフをはがすと倒れ込んだ明人の腕を踏み千里はもう一度明人を殴った。

ナイフを奪った俺は、そのまま明人を蹴り続けていると真司に文鎮を投げ、先輩に蹴られそのまま2人には蹴られ続いる綾子を見て俺は、拘束テープで明人を手首と足元を固定した。


しばらくして、警察と消防がやってくると俺達は彼らを引き渡した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る