破損した顔
さて、ここで改めて確認しよう。
死んだのは勢津子(せつこ)さんだ。
林千秋は、依頼人だ。
林明人と林鮮華は夫婦でその子供が林綾子。
林弘人と林穂乃花は夫婦でその子供が林千早と林千歳だ。
林武は独身の男性。
川上真司は武の連れである。
「次死ぬのは誰かしらね?」
「そんなことはないですよ…。」
時計の針は動いていた。
テレビではこの雨の被害が映し出されていた。
停電も起こるかもしれない。
俺と先輩と真司さんは客間に居た。
「なんでこんなことに…。」
「ああ、全くだ。」
「妙に落ち着いていますね。」
「そうだね、少なくとも僕は君達と一緒に居るから君らが犯人ではないとわかっている。」
「それはありがたいですけども。勢津子さんを殺したのかはわかりません。」
「…先輩。」
時間は過ぎていく、勢津子の死体はこの時も腐っていくのだろう。
「最後の使者か…。」
「死者?」
「たしか、亡くなる前に書かれた最後の作品ですよね。」
「ああ、もしかしたらそれをなぞらえて勢津子を…。」
「先輩、それどういう話なんですか?」
「ああ、林丈朗が書いた作品で一人一人死んでいく作品何だ。」
「物騒過ぎませんか?」
「まあ、そう思うかもだけど推理小説としては王道だよ。勢津子さんはその一人目家政婦に当たるんだ。」
「それじゃあ…次に、死ぬのは誰なんですか?」
「…千早ちゃんと、千歳ちゃん。」
「…。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます