簡単な破損方法
川上さんはトイレに行くといい部屋の外に出た。
「…。」
「先輩、何を考えているんですか?」
「勢津子さんのこめかみのことよ、やっぱり他殺よね。」
「それは…わかってたことじゃないんですか?」
「まあ、というかそれより君?」
「はい?」
「釘を刺した時に先端より後の方が抜いた時に跡が大きくなるのはかなりおかしなことよ。」
「えっ…。」
「奥に刺しみ過ぎよ。そもそも釘の先端を過ぎたら中間部はどこから抜いても同じ径の穴になるわ。」
「…あっ、確かに…。」
「はあ…というか、あんたが言ってたのは銃弾で撃たれた時の破損具合よ…。」
「うぅ…。」
「とはいえ、あれが最後の使者のトリックだとカイラリティね。」
「作品だと外から見たら寝ているように見えて中から見ると死んでいる。そんな視覚的な時間のズレを作るトリックって言ってましたね。」
「そう自分以外の誰かが発見して証言してくれたら本来有り得ない殺人にすることができるトリックよ。」
「だとすると殴られた場所は数ヶ所でこめかみにはわざと…。」
「そうね、骨が陥没しているから殴り続けたみたいね。」
先輩とそんな話をしていると真司さんが飛び込んできた。
「大変だ!」
「どうしたんですか?」
「武と弘人さんが…。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます