毛の力

肺のやつ

毛の力

*毛の生える速度が速い病気

(実際には無い)


「んっ?なんだこれ?」

たかしはある一冊の本に手を伸ばす。


"毛の力"


なんだろう?なんだかものすごい違和感を感じる。

でも、


「とりあえず読んでみるか。」


たかしは本を開く。

著作者は……不明

たかしはどんどんページをめくる。


しばらくするとたかしは本を閉じる。

読み終わったのだ。

そしてたかしは倒れて、しまっ、た。


[毛の力]

著名者 不明


アポポ暦425年

あるお宅で一人の赤子が産まれた。

その赤子は*急性伸髪病にかかっていたため、産まれたときから髪はボサボサだった。


その赤子が11歳の誕生日のときに事件は起きた。


彼はいつも大変だった

まず一つ目は一周間に一回は毛を処理しなければならなかった。

彼は生後3ヶ月ですね毛が生え、

1歳で脇毛が3歳で胸毛が生え、幼稚園を卒園した時には毛はおっさん並になっていたのだ。

そのため毛の生えるスピードはウサイン・ボルト並に早かった。


だけどここで一つ疑問

髪はハゲないの?

そう、彼はハゲなかった。

ハゲがコンプレックスにならなかった。

ハゲで有名になった芸人はいたけど、

小学生でハゲる人はほとんどいなかった。


ハゲ


それはコンプレックスの人やそうでない人がいる。


コンプレックスと思う人はハゲ隠しに冬でも帽子なんか被っちゃたりしている。


小学生はハゲの人を見て

「この人ハゲや。wwwww。」

と笑っちゃう人もいる。特に低学年。


そんなところを見たら恥ずかしくなる。

だからハゲを隠す。


しかし、政治家でハゲな人は逆にハゲを隠そうとしない。

もしかしたらハゲを隠したくても隠せない事情があるのかもしれない。

しかし、ハゲまる裸だと、テカって目立ってしまう。

目立つと人はそこに視線がいってしまうので、政治家にとっては利点なのかもしれない。


このように、コンプレックスが逆に良いところに使えるときがあります。


コンプレックスを無理矢理直そうとしている皆さん。

コンプレックスは無理矢理では直すことができません。

ハゲでも髪はすぐには生えてきません。背が低いまたは高い人も、すぐ低くしたり高くしたりすることはできません。

じゃあ、逆にコンプレックスを活かすにはどうすればいいか。

それは、皆さんのご想像にお任せ。


さて戻ります。


二つ目は毛が絡んでたまに痛い時があること。

これは掻いたりするときになる痛み。

とてつもなく痛い。


他にもあるがここまで。


11歳の誕生日の前日23時30分


彼は記憶喪失に陥った。

頭が真っ白になり、ずっと寝たきりだった。


翌日の8時


彼の体に異変が起き始めた。

肌が毛に埋め尽くされ、茶色に染まってしまった。

その姿には見覚えがあった。


正午


手がゴツくなった

これは……………、猿?


おやつタイム(3時)


彼は顔が変わって、見た目が猿そのものになってしまった。


もう母さんと父さんは手遅れだと号泣している。


そして彼は誕生日に猿として野生化し

いつまでも猿として平和に暮らしていました。


[完]


これを読み終えたたかしは最後のページにあった毛を手に取る。


「………普通の髪だな。」


たかしは髪を投げ捨てた。

すると、たかしは腹を手でおさえ倒れてしまった!


「くっ、なんだ、この、痛み、は

ぐはっ、おえー。」


「きゅう、きゅ、う、しゃ、を、よば、な、い、と、な、。」


ガクッ

たかしはそのまま気絶した。


たかしの体に異変が起きた。


脳は退化して記憶は消失し、ハゲて生えなかった髪も生え、茶色に染まる。

手と足も猿の手足に変わり、顔の骨格が変わり、猿顔になった。


そう、たかしはあの少年のように猿に野生化してしまったのだ。


たかし猿は町を出歩いた。

「ウッキーウッキーウッキッキー⤴︎」

ご機嫌だ。

たかし猿はある程度動くたんびに毛がコンクリートに落ちる。

そして、ヒトが髪を手に取る。

すると猿に野生化する。


それが繰り返され………


三年後


世界は猿文明に突入した。

ビルもなくなり、世界は砂漠と緑にしか染まらなかった。


こうして、ヒトは猿に野生化し、いつまでも平和に暮らしました。


おしまい



「さあこれで読み聞かせは終わりよ

早く寝んねしなさい。」

「えーまだ眠れたいよぉー。」

「じゃあキスしたら寝てくれる?」

「わかった。」

チュ。

「じゃあたけし、おやすみなさい。」

「おやすみなさーい。」



母は呟く


「作戦大成功。」







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毛の力 肺のやつ @maradais

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