これから合体ブームが来るのだが、エーリンがどやっているのが腹立つのよ

 

 膝を付いたテラの前に正座し、揺れる瞳を見詰め……唇を重ねた。

 ふわりと感じる花の香り。テラがゆっくりと瞳を閉じた。

 唇を重ねながら、星属性を流し込む。


『んっ、はっ……んぅ』

 テラの顔が熱くなってきた。

 星属性を流すと、まぁ、うん、感じやすくなるから、唇を重ねるだけでも気持ち良いだろう。

 でも重ねるだけだと効率悪いから、舌を閉じた唇の間に滑らせると舌が閉じた歯に当たった。

 耳を撫でながらアゴを上げると、歯が開き……舌を潜り込ませる。

 好戦的な性格なのに、舌は臆病で……逃げようとするから追いかけないと、捕まえてあげないと……

 顔に手を添え……顔ちっちゃいなぁ。あんなに強いのに、私を受け入れてくれるなんて嬉しくて……ついついサービスしたくなるけれど……ここでは駄目だね。

 観戦していたコーデリアとノワールさんが近付いて来たし。


「……テラにゃん、これ、私の連絡先ですにゃ」

『んっ、はぁ、はぁ……ぅん、連絡、する。アレスティアの為に、時間作るん……』


「じゃあ……ノワールさん、テラさんはお持ち帰りしますにゃ」

『んもぅ、アレスティア……照れるやないかぁ……』

「えっ、解散じゃないの? テラ様仕事ありますよね?」

「お姉さまっ、駄目ですよっ!」


「えっ、だってこんなに可愛いにゃ。私が我慢する理由ってありますかにゃ?」

『アレスティアも、ごっつぅ可愛い、で』


 テラが私に抱き付いて、首筋にチュッとしてくれた。かわええのうっ!


「ほらぁ、これでそのまま帰れと言うにゃ?」

「いやいやいやテラ様これから講演会あるからまじで駄目。今度、今度にしてっ!」

『ノワール、酷いやんか……ウチの幸せ邪魔するん? もう引退するんやからええやろ?』


「引退するまではクソ忙しいんですよっ! 引退してからいくらでもいちゃいちゃすれば良いじゃないですかっ!」

『いややっ! ウチは今を生きるっ!』


「ぁあ!? 未来の為に生きろやっ!」


 あっ、ノワールさんがキレた。

 テラをガシッと掴んで私から引き離し、ズルズルと引き摺っていった。

 私はコーデリアに捕まり、私とテラは引き裂かれた。


『いややーーーーーー! アレスティアぁぁぁぁ!』

「テラにゃーーーーん!」

「お姉さま……行かせませんよ」


 泣きじゃくるテラを引き摺るノワールさんが銀色の剣を振ると、次元の扉が出現……またねと手を振って帰って行った。

 ……さっ、壊れた世界直すか。

 世界よなおれー。


「コーデリニャ、あと一戦だにゃ」

「はい……今回お姉さまはルール違反をしましたね?」


「にゃっ、にゃんの事かにゃ?」

「見ていましたよ。星の力を使って世界を創ったのを……」


「ちっ、違うんにゃ! 勝たないとって思ったら……つい」

「はぁ……約束は守らないと、信用が失われます。恐らく……次、ラグナ様に勝たなければ、天異界としては納得してもらえません……」


「じゃ、じゃあ勝てば良いにゃっ」

「勝てると、思っているんですか?」


 うっ……それを言われてしまったら……言葉に詰まる。

 天異界序列一位筆頭ラグナレヴィア……テラよりも強い事は確実なんだ。

 このパワーアップした身体……ネコ耳桃尻鬼妖精モードでも、お月見ゼロアーマーを装備していたとしても、勝てる望みが薄い……

 どうするか……って言われてもどうにかしないと、でもどうしようも無いのよ。

 、例え私がジョーカーになれたとしても、コーデリアの刑が無くなる可能性が低くなる。それは、避けないといけない。


「おかぁにゃんに相談してみるにゃ」

「そう、ですね。良い方法があれば……ところで、そのネコはいつ解けるのですか?」


「普段は半日にゃ。でもGXだからわからにゃいにゃ」

「そうですか……正直あの、このネコ耳からフェロモンが凄い出ているんですよ……」


「そうかにゃ?」

「はぃ……興奮し過ぎて頭がおかしくなりそうです……」


 後ろから抱き締められているので、ずっとすーはーすーはーされている。世界を直し切ったらコーデリアは天異界へ転送されるから、直るまでだぞー。



 ♀×♀×♀×♀×♀



「ただい──に”ゃ!」


 家に帰った一秒以内に拐われた。黒い翼がバサッと見えたから、ママンに拉致されたんだなぁと思った頃には、裏世界のママンの部屋に到着していた。本気の無駄遣いだね。


「あす……てぃ……その、姿は……」

「エーリンとテンにゃんと合体したにゃ。可愛いにゃ?」


 ぶんぶんと頷くママンが可愛いくて、先日の出来事を許してしまいそうになるけれど、心を鬼にして……もう鬼だったか。

 泣きそうな顔で優しく抱き締められたら、やっぱり許してしまいそうになるけれど……まぁ私のクリームパンのせいという事にするか。


「あすてぃ、最近、おかしいんだ。あすてぃが好きで好きで堪らなくて……我は、おかしくなってしまったのかな……」

「愛が深い証拠にゃと、思いますにゃ」


「……あすてぃ」

「おかぁにゃん、一人占めしたい時は……何て言うんですにゃ?」


「……ぁぃ、してる」

「にゃはっ、私も、愛していますにゃ」


 …………それから、ケモ薬G Xの効果が切れるまで監禁……げふん、拘束されてパンパンに戻って来た。

 今の状態は桃尻鬼妖精モード。

 エーリンとテンちゃんは見事に住み着いたよ。あとムルムーも。


 《アレスティアー、お腹空きましたー》

「出て来れば良いでしょ」


 《いざ出た時にアレスティアが逃げる可能性がありますー》

「逃げないって」

 《ぼっちを嫌がる癖にぼっちを愛している面倒な性格だからねー》


 はいはい、バレてしまっては仕方ない。

 ご飯を収納すれば勝手に食べるから、適当に入れておく。

 本当にこのままずっと住み着く気か?

 まぁエーリンはクーリンさんが居るからずっとは住まないけれど、飽きたら出ていきそう。


「ねぇねぇアスきゅーん……アス、きゅん……?」

「あっリアちゃん、エーリンとテンちゃんと合体してみました」


 リアちゃんの足元に紫色の魔法陣が発生、私の足元まで伸びて来たのでヒョイっと避けた。

 また拉致されるのは避けたい……ゆっくりパンケーキ食べたいのよ。


「……なんで?」

「怒らないで下さいよ。エーリン、ちょっと出てよ。ママの所に帰りなさい」

「はいー。仕方がないですねー。あっ、鬼神薬飲めば私来るんで禁薬作成で呼んで下さいー」


 エーリンが出ていき、ホールに向かっていった。なるほど、禁薬作成ね。コーデリアに作ってもらおう。


 テンちゃんは不動なので、私の背中に妖精の羽は出ている。

 天使感がアップしたから女子の時は良いけれど、男子の時はどうするかなぁ。

 テンちゃん、羽って消せるの?

 《んー? 尻穴にギューっと力入れて、肩甲骨をギューッとしたら消えるよー》

 ……ぎゅーっ。あっ消えた。


「……えっ、なんで?」

 あっ羽が消えてリアちゃんが怒った。ぷんぷんだ。


「自由に消せるみたいです」

「そうそうアスきゅん、ちょっと抱いてくれない?」


「軽い感じで己の欲望をさらけ出しましたね。今日はゆっくりしたいので、明日で良いです?」

「うんっ、じゃあ私も合体すりゅ」


「あーこれ、エーリンの憑依合体なので、エーリンに頼んで下さい。あっパンケーキ注文して良いです?」

「アスきゅんと合体合体っ。新作にすりゅねっ!」


 リアちゃんと合体出来たら、正確に時間を操れるのか……私の場合は星の能力でドバーだからざっくりなのよ。

 そして時間を止めている間にあんな事やこんな事が出来るのか……道往く美少女の尻を触ってもバレない……おっぱいタッチしてもバレない……素晴らしい。

 では、ちょっと試してみよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る