最高位ネコ耳女神様と対峙するネコ耳桃尻鬼妖精アレスティにゃんが厨二うさ耳桃尻鬼妖精アレスティぴょんになって魔神装機お月見ゼロアーマーを装備したという情報の大渋滞の中で、漫画喫茶で漫画を読んでいる私

 

『にゃはははっ! 凄いにゃ! れんぞくねこパンチ金剛蓮華☆』

「ふはははっ! そんなやわな拳でこの身体に傷一つ付ける事は出来ぬぴょんっ! ひっさーつ! お月見ロケットぱーんち!」


『そんな攻撃は当たらんにゃ! がりがりひっかき金剛殺爪☆』

「やるぴょんねっ!」


 ドカドカと鈍い音を受けるけれど、お月見ゼロアーマーには効果が無かった。

 テンちゃんが主導権を持っている私の身体……厨二うさ耳鬼妖精アレスティぴょん。

 鎧に変型したアレスティンカイザーを装備したうさ耳な私……守ってあげたくなる雰囲気なのにアグレッシブな性格だ。

 かれこれ三十分くらい戦っている……テラの攻撃はほぼダメージが無く、テンちゃんの攻撃は一々決めポーズや前振りがあるせいで当たらない。


『壁を乗り越えるなんて久し振りで楽しいにゃん! それにあんた誰にゃ? アレスティアちゃうにゃろ?』

「ふっふっふ……アレスティアは寝んねしてるぴょん。私は……始まりを紡ぐ者。零の支配者」


『零の、支配者……』

 《テンテンが厨二全開ですにゃー》

 《まぁ私より零魔法上手いから良いんじゃにゃい?》


 現在私は私の中でエーリンとお茶を飲みながら観戦中。

 私の中は普通に家具が並び、ジュースのサーバーや漫画が並んだ漫画喫茶みたいになっていた。

 エーリンとテンちゃんが私の世界を創る能力を勝手に使って、私の中に漫画喫茶の世界を創りやがったみたいだ。もうここに住む気満々で、テンちゃんの着替えや荷物が乱雑に置かれている……因みにテンちゃんの服はゴン店長作の高級品だ。


 《私もここに住みますにゃー》

 《家賃払ってにゃ》


 《後で身体で払うですにゃん》

 《後でにゃ。これ読むにゃ》


 漫画を一冊取り、ジュースサーバーから桃汁ジュースを選択。ソファーに座って漫画を読み始めると、エーリンが隣に座っておっぱいを押し付けてきた。


 《ふふふー》

 《どうしたにゃ?》


 《幸せだにゃー……って》

 《……ほら、膝枕してあげるにゃ》


 そういえば、ここどうやって出るんだろう。


『にゃはははっ! 面白いにゃ! ねこ神様超合金天地像☆』

 テラの金色のオーラが増し、大地に浸透……

 ──ゴゴゴゴ!

 高速で大地が隆起……うぉぉーすげー。

 アレスティンカイザーなんて踏み潰しそうな超でかいネコ耳の巨人……金色のオーラで眩しい。

 でかいだけあって、凄まじいエネルギーだ……


「零は始まり。全ては、零から始まる……始まりの魔法・零無」

 テンちゃんが謎の魔法を使った……拳に揺らめく不安定な力が発生。

 なにそれ、そんな零魔法知らんのだけれど……

 えっ、ちょっと待って……拳の周りの空間がおかしい……無くなっている。

 そこだけ空の状態……拳に触れると、無くなる、のか?

 いや、それは、駄目だ。駄目な力だ。


 《テンにゃん! それ使っちゃ駄目にゃ!》

 《アレスティニャーどうして駄目なんですにゃ?》


 《無くなるんにゃ! 存在が! 私の力でも直せるか解らないにゃ!》

 《えーじゃあテラにゃんが無くなるって事ですにゃ?》

『良いにゃ良いにゃ! このねこ神様はウチの魔神装! これを武神装と掛け合わせる媒体にするにゃ! ねこ神様生贄の儀式ギガサクリファイス

「まさか……相容れない存在を……面白いぴょん」


 聞いちゃいねぇ。

 あーくそ、漫画読んでいる場合じゃない。


 《エーリンこれどうやって出るにゃ!》

 《テンテンはふんばっていましたにゃ》


 《こう? ふにゃー!》

 《えっ、なんでウンコ座りですにゃ? 頭大丈夫ですにゃ?》


 《ふんばるってこうだろにゃ!》

 《気合いでなんとかするって意味ですにゃ。恥ずかしいからウンコ座りやめるですにゃ》


 エーリンとわーきゃーしている間に、テラの準備が整ってしまった。

 武神装が解け、拳に全ての力が集約している。

 歯を食いしばり、汗を流しながら両手でエネルギーを抑えているけれど、制御しきれていない……


『はぁ…はぁ…この、拳に、全てを、賭ける!』

「零無拳……」


 《あーどうしよーふんばっても出にゃいにゃー!》

 《アレスティニャーもっとふんばるしかないですにゃー》


 テラがゆらりと動き出し、テンちゃんが腰だめに拳を構えた。

 間に合わないっ。

 どうしようどうしようどうしよう。壁を殴っても効果無し…漫画喫茶は頑丈だ……

 もっと気合いをっ!

 《うぉぉぉおおお!》

 エーリンもふんばれ!

 《うおー……ふんばったら実っこがでますにゃー!》


 《あっそうだ、魂転移出来たわ》

 《……》


『終わりや……終焉の拳』

 凄まじい力を纏う拳が放たれ、テンちゃんが無の力を解放する所で……

 《テンちゃんおしまいね》

「あっ、アレスティ……」

 感覚でテンちゃんをポイッと漫画喫茶へ転送。身体の主導権を元に戻した。


 ……うん、このタイミングって。

「──ごふっ……」


 テラの拳が、お月見ゼロアーマーを貫き、心臓をも貫いた。

 貫いても力は衰えず、背後の世界が崩壊していく。


『……なんで、撃たんかったん?』

「後悔、する、から……にゃ……ごほっ……」


『……そか。優しいやんな、アレスティア』

「わた、しは……星……です、から……ふふっ……無力の、世界……」


『──っ! ぐっ、ぁっ……なん、や……力が……』

 テラが私から拳を引き抜き、よろよろと膝を付いた。


「メガ、エナジー、ヒール」

『これ、が、狙い、か……』


 完全回復。

 いやぁー、死ぬ所だった。

 私に止めを刺さなかったのは、大きな間違いだよ。

 私の中で密着している状態で、テラに星の力を注入……はっはっは! 勝利の為ならプライドなんてへし折るぜっ!

 《あーアレスティアルール違反ですにゃー》

 《ルール守らないのアレスティアらしいぴょん》

 なんとでも言うが良い!


「ふっふっふ。優しいのはどちらですかにゃん? 今のテラにゃんは、私に勝てないにゃ。大人しく降参するにゃ」

『これが、星の、力か……』


「降参しにゃいと、私のが好きで好きで堪らなくしてやるにゃん」

『……ふん、やってみぃ』


「ふふふ、良いのかにゃ? 後悔するにゃよ」

『……勝者に従うまでや』


 負けを認めた?

 ほっほっほ、私の脅しに屈したか。

 じゃあ、終わりで良いかしらね。


「ではこれにて……」

『待ってや、好きにさせてくれるんやろ?』

 《さっさとチューするですにゃ》

 《さっさとチューするぴょん》

 《姫様、さっさとチューして下さいワン》


 うるせぇな。

 ムルムーやっぱりそこに居たのかよ。

 はいはいしますよ。

 ちゅー……


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