良い感じに盛れているねっ

 

『アレスティアー、ふわふわじゃなーい』

「ふわふわはリアちゃんが食べたの」


 ジョーカー戦まで少し時間がありけりなので、幼女の部屋で漫画を読んでいたテンちゃんの尻をツンツンしていた。

 小さいながらもしっかりと反発する良い尻の光妖精様……一応光属性の王様らしいけれど、尻をぷりぷりして王様の威厳は無い。前の天の王時代の方が威厳はあったけれど、可愛さなら断トツで今だ。

 そんな事を考えつつ、指でテンちゃんのパンツを脱がそうとしてペシッと叩かれた。


『ふわふわー、アレスティアの尻はまぁまぁふわふわー』

「私の尻って平均値だからね。フラムちゃんの尻には敵わんし……」


 テンちゃんがうつ伏せの私の上に着地。パンツ越しに尻をペシペシ叩かれた。中心は駄目よ。

 パンツの中に入っちゃ駄目よ。


『お菊まくらー』

「お菊言うなし。テンちゃんってアテアちゃん以上に引きこもりだよね」


『ここ退屈しないからー』

「まぁ妖精が悪戯好きと云われる由縁は暇だからなんでしょ?」


『そうなの。どうせ人間なんてすぐ死ぬから仲良くするのも面倒だし』

「物語の妖精は人間と仲良しなのにねー」


『良い事教えてあげる』

「なぁに?」


 テンちゃんが耳元に着て、ふーっと耳の穴に息を吹き掛けると私の首から上がゾワゾワっとして変な声が漏れる…いややめなさい。めめよ。


『私、魔力の身体だから魔装と相性良いの』

「そういえばアレスティンカイザー作っていたよね」


『うん、アレスティアの魔装と合体出来るの』

「えっ、じゃあっじゃあっ妖精みたいになれるの?」


『うーん……どうだろ? やってみる?』

「うんっ!」


 転移っ! 場所は裏世界のママンの家の前にしよう。


「あっ、アレスティアー、中々来ないから寂しかったですー」

「昨日パンパンで会ったじゃん」


 エーリンが走ってきて、私に抱き付きボキボキと骨が折れていく。まじ痛いからやめれ。


『ふわふわ発見ー。ふわふわー』

「ふふんっ、私のおっぱいを堪能してくださいー」

「……」


『ふわふわー』

「ふふんっ」

「……」


『ふわふわー』

「ふふんっ。アレスティアも手なんか入れて触りたいんですかー?」

「……」


『ふわふわー』

「ふふんっ痛い痛い痛い痛いですー! S字にちねらないでー! 乳首もげますー!」

「あぁごめん手が勝手に恨みを晴らそうとしていた。それで、わざわざここまで来るなんてなんか用事?」


 エーリンとクーリンさんの家はママンの家まで遠い筈だから。


「ふっふっふー、見て下さいっ」

「ん? おぉっ! 深魔貴族になれたのかぁ! おめでとう!」


 エーリンが見せてくれたカードには裏世界序列九十位の文字……頑張ったんだな。そういえば私の順位って……あれ? カード何処やったっけ? まぁ、その内見付かるか。


「お母さんは十位なのでまだまだ頑張りますよー」

「ロンドと互角だったもんね。エーリンは魔装とか武装ってあるの?」


「無いですよー。鬼神拳をマスターしてからですかねー」

「じゃあなんか見付けたらあげるよ」


「お代は身体で払いますねー」

「期待しているよ。あっそうだ、今からテンちゃんと合体魔装をするんだ」


「えー、私も合体したいですー!」

「いや、無理でしょ」


「したいですー! アレスティアと合体したいですー!」


 駄々こねんな。じたばたするな。ほらぁ、地面壊れるから暴れんなよ。


『エーリンなら出来るんじゃない?』

「どうやって?」


『鬼族って憑依合体出来るでしょ? まぁ、なんとかなるんじゃない?』

「エーリン憑依合体って知っている?」

「知りませーん」


「ちょっとタブレットで調べるね」

「アレスティアと合体出来るんですかー?」


 ちょっと邪魔だからくっつかないでよ。

 憑依合体…憑依合体っと。

 鬼族に伝わる秘術、霊体となり対象に憑依する事で力を得られる。やり方は角にお互いの魔力を込めて心を一つにする。条件は血を分かち合った者同士のみ…か。

 エーリンって私の血を飲んだよなぁ…私もエーリンの血を飲んだ事がある。

 条件は満たしているから、やってみるかー。


「エーリンと私が角に魔力を込めて、心を一つにすれば良いらしいよ」

「じゃあやりましょー!」


 グイグイと角を押し付けてくる。痛いからやめれ。

 えーっと、角に魔力を込めて…っと。

 ……こんな感じ?


「アレスティアー、合体しませんよー」

「うーん……エーリンの身体って元は人形だからかな?」

『……』

 テンちゃんが角の上に座った。

 痛くない? 尻割れるよ? あれ? ちょっと待って? テンちゃんも魔力込めないでよ。


「あっ、じんわりしてきましたー。角が尻に挟まれたみたいで暖かいですー」

「テンちゃんの尻だね。あっ、でも身体透けてきたよ」


「あっ、イケそうな気がしますー。とうっ!」

『とうっ!』


 エーリンとテンちゃんが私に飛び込むと、一つになるように私の中に入っていった。

 おー、なんか、身体が熱い。


 《アレスティアー、聞こえますかー?》

「あ、うん聞こえる聞こえる」


 《多分私の力使えますよー》

「へぇー、鬼神拳も?」


 《はいー。私とアレスティアの力で完璧な鬼神拳になりそうですー。このままずっと憑依してて良いですかー?》

「は? エーリンとエッチする時どうすんだよ」


 《このままオ○ニーしたら一緒に気持ち良いですよー》

「えー、なんかやだー。テンちゃんは?」


 《居るよー。なんかねー、天の王時代を思い出したー》


 天の王時代? 自殺の名所で浮いていた時の記憶か?


「何か面白い事でもあった?」

 《うん、昔私に攻撃してきた奴とかー。あっ、姿見たいから鏡見てー》


 ほいほい。

 姿見を出して自分の姿を確認……おぉっ!


「可愛いじゃねえか」

 髪の色が桃銀色になってサラサラロング。ロングなんて王女以来久し振りだ。にこりとしたら八重歯が良いね。

 エーリンの赤とテンちゃんの白と私の銀が混ざった感じ。頭に小さな角と、背中には桃銀に光る透明な翼。それに少しおっぱいが大きくなっている気がする! ひゃっほい!


 《桃銀鬼妖精アレスティアとか盛り過ぎじゃないですー?》

「良いじゃねえか可愛いだろ。アレスティアとエーリンとレイティアだから……アレイティアーリン?」


 《アーリン?》《ティンティン?》

「アイリン?」

 《ティアリン?》《アンアン?》

「ももちゃん」

 《ももりん》《もんもん》

「アレティンティン」

 《あれがももティン》《ももティンこ》

「ももティリンこ」

 《桃缶うまりん》《桃尻ティンこ》

「桃けつ妖精おにティン」

 《鬼ケツ妖精もも尻》《ももケツ》

「黒金の鬼桃尻」


 《黒金のアレスティア……》

 《鬼ケツ妖精桃尻の力を……》

「今解放する……」

 


 ……名前は決まらなかった。


 《またルゼルが拗らせて世界が滅びそうだねー》

「否定はしない」


 《これでジョーカー戦出られますかねー?》

「ムルムーが黙認されているくらいだから大丈夫だと思うよ」


 ムルムーは居るよ。

 透明だからなんとなくだけれど、目の前ではぁはぁしていると思う。

 これでエーリンとテンちゃんで私の欠点を補っているから……かなりパワーアップしている気がする。それこそ魔装よりも強力だから、新しい変身というか合体というか。


 この身体……鬼妖精モードの撮影会をしている内に時間が近くなったので、指定座標へと転移した。

 まだ性能を試していないのだけれど、まぁ、戦いながらで良いね。

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