無敵感のある色気が欲しいよ
あれからルナリードとお料理タイム。
手際良すぎて私はただの足手まといだったよ!
まぁルナリードは嬉しそうだったから、良いんだけれど。
「これ、合鍵だから、いつでもおいで」
「本当に急に来ますよ?」
「良い。一分一秒でも、一緒に居られるなら幸せだ」
「なんか、照れますね。じゃあ……私の部屋、欲しいです」
「二階に、もうある。見に、行く?」
「はいっ」
二階に上がると、扉が四つ。それぞれのネームプレートには、ルナリード、アレスティア、コーデリア、研究室の文字……アレスティアの扉を開けると、なんか、凄いな。
ハートの壁紙に、星の置物や月のぬいぐるみだったり……完全にルゼルと趣味が一緒だ。
これなら仲良くしろよマジで。
でも言ったら意地になって趣味を変えたり路線変更するんだろうな。
「ここに直接転移しても良いから」
「……ありがとうございます。可愛いお部屋ですね」
「アレスティアのイメージで作ったんだ」
「あぁなるほど」
私のイメージってこんな感じなんだね。
ハートやら星やら可愛い感じ。私可愛いからねっ。
「可愛いものを見つけたら、入れておいても良いか?」
「もちろん。私も何か可愛いものを持って来ますねっ」
グレートモス兄弟とかこっちに移そうかな。
ゴン店長の所にはもう泊まらないし……泊まろうとしても誰かに拉致られるからさ。
一人で最後に寝たのいつだったっけ? なんてぐらい誰かいるし……私も寂しくないから良いんだけれど。
「アレスティア、次は、いつ来てくれる?」
「今日はお弁当を配ったら、ここに引っ越す準備もするので……後で来ますね」
「そ、そうか。良かった……住んでくれるのか?」
「うーん、住もうかな。パンパンの部屋は借りているだけですし、ルゼルおかぁさんの家に私の私物は無いので、とりあえず全部持ってきます」
「嬉しいな。でもどうしてルゼルの家に私物が無いんだ?」
「全部用意してくれるんですよ、服もパンツも全部」
「……全部。そうか……でも私は、アレスティアと一緒に決めたいな」
「じゃあ、一緒にお買い物とか、行きません?」
破壊神だから外にはあまり出られないと思うけれど……
「この身体だと……アレスティアの妹みたいだな……元に戻ったら、買い物に行くで良いか? 周りに親子だと、思われたい」
「はいっ、そうしましょう」
可愛いルナリードも良いけれど、元に戻ったら顔も似ているから親子に見える……ママンは黒い翼が目立つから地球とか一緒に歩いてくれないし、人混み嫌いで出不精で拗らせた独身みたいな感じだから一緒に買い物とか行ってくれないと思うし。
「あの、抱きしめて、良いか?」
「はい、言わなくても勝手に抱き締めて下さい」
「アレスティアは、優しいな」
「私が優しいのは好きな人にだけですよ。では、そろそろお弁当を渡してきます」
「あぁ、行ってらっしゃい」
「行ってきますっ!」
本当の実家が、出来た気がする。
ルビアに戻ってきた。
「はい、お弁当です」
「アスきゅん、ありがちゅ」
「様子どうだった?」
「喜んでくれました。一応私の実家になるので、引っ越しします」
「アスきゅんっ! 寂しいっ!」
「良いじゃないの。月読も喜ぶし」
「やだぁぁぁぁぁぁぁ!! やだやだやだぁぁぁぁ!」
駄々っ子だ。
ジタバタして可愛い。
ん? ジタバタしているリアちゃんの側でジーッとリアちゃんを眺めているエロ…げふんっ、エルフがいる。サティエルさんだー。こんにちわー。
緑髪に青い瞳が綺麗で、エルフなのにおっぱい大きいんだ。
だから色気が凄いの、この無敵感憧れるわぁ。
「イリちゃん、何が嫌なの?」
「あっ、サティ聞いてよーアスきゅんが月読の所に引っ越すんだって! 嫌なの! 寂しいの!」
「いつでも会えるでしょ」
「違うの! 月読の家でアスきゅんとエッチなんて出来ないじゃない!」
「月読って真面目だからね。アスきゅんきゅん、来て」
「はーい」
「アスきゅーん!」
手招きされたので、ほいほい吸い寄せられて抱き付いた。
ほわぁぁ、近づくと更にエロい。
色気むんむんだ。谷間に挟まれた……良いね。
「……イリちゃん、アスきゅんきゅん好きかも」
「駄目っ! 私のアスきゅんなのっ! サティは駄目っ!」
「サティさん、嫉妬するリアちゃん可愛くないですか?」
「うん、食べちゃいたい。あっ、そうだイリちゃん、良い事考えた」
「……エロくない良い事?」
「私からエロを取ったらただの変態よ?」
「聞いた私が馬鹿だったわ!」
サティさんが私を抱っこして、リアちゃんをひょいっと担いだ。
「月読も巻き込めば良いのよ。それで解決ね」
「いや駄目でしょ。怒られるよ」
「大丈夫、許してくれる」
「アスきゅんは月読の娘だよ?」
顔をジーッと見られている。
ウインクしておこう、パチリ。
「……じゃあ、娘さんを下さいって言えば良い?」
「あの、お弁当配ってからで良いですか?」
「お弁当?」
「さっき、ルナお母さんとお弁当を作ったのでお友達に渡そうと思って……」
「……なんか振られた気分」
何故?
サティさんに降ろされたら、なんか寂しいぞ。
今が良かったのか? 今は駄目よ。きっとサティさん予定あったのね。
「……ねえサティ、降ろして?」
「イリちゃん、新しいおもちゃ作ったの……試して良い?」
「い、いや……私、帰らないと……」
「終わってから、帰してあげゆ」
「アスきゅん……たしゅけて……」
リアちゃんが姫抱っこされて怯えている……珍しい光景だ。
写真撮っておこう、パシャリ。
「じゃ、じゃあ行ってきますね」
「アスきゅんきゅん、また今度ね」
「アスきゅーーん!」
「またねー」
なんか怖かったので、逃げるようにアラスに戻ってきた。
あっ、お弁当渡さないとな……パンパンの幼女の部屋を開ける……居ない。
一階に行ってみると、もう閉店しているみたいで店員さん達が勉強やら手芸やらしている。
ホールを覗くと、カウンターに座っていじけているルゼルと巻き込まれている幼女、ジュースを飲んでいるロクとナナ、カウンターに立ってため息を吐いているヘルちゃんを発見。
「ただいまー。お弁当持って来ましたよー」
「あらお弁当? ありがと。ルゼルさんがいじけているわ」
「あずでぃ……」
「ご飯くれるの?」「ありがとう……」
「アレスティア……助けての」
「おかぁさん、どうしたんです?」
「ルナリードの、家に、引っ越すのやだ」
「ずっとこの調子じゃ、ウザいの」
「そうは言っても、ルナお母さんも私のお母さんですからね。生活リズムは変わりませんよ。あの……仲良く出来ないんですか?」
「だって……」
だって、なにさ。
仲良くしてよ。
ぶぅーって顔しないの。
「……わかりました。娘として、やらねばなりませんね」
「……何を?」
「二人が仲良くなるように、頑張る」
「……やだ」
「……ヘルちゃん、説得して」
「なんで私よ。ロクナナも血縁ならみんなでルナママの所に行けば良いじゃない」
ママンが了承するとは思えないよね。
ロクナナはコーデリアの娘だから、ルナリードはおばあちゃんか? でも、私の血も使っているらしいから……私の娘でもある?
「ロクちゃん、ナナちゃん、ルナお母さんの家に行こ?」
「わかった」「一緒に行く」
「という事でルゼルおかぁさんも行きますよ」
「……ルナリードより、可愛く呼んで」
「……ルゼルママン」
「もっと」
「ルゼママ」
「遠ざかった」
「……ルーたん」
「……ふへっ」
ニヤニヤしているな……ルーたんが良いの? 結構恥ずかしいよ?
ロクナナが……「ルーたん」「ルーたん」「ルーたん」「ルーたん」
あっ、やっぱり恥ずかしそうだ。
「おかぁさん、私が出掛ける度に心配していたら子離れできませんよ」
「ふっ、我の仕事を忘れたか。アスティの女神だぞ」
「それなら私が好きなものも好きになれますよね?」
「我に出来ない事は無い」
言ったな。
幼女がそろりそろりと逃げようとしていた。捕まえるのは後にして、そのまま目で追ってみる……そろりそろり、そろりそろり……ピタッ。
「……なんで止めないんじゃ?」
「いや、逃げるんですよね?」
「止めてくれないと寂しいの」
「そう言うと思って見ていました」
「酷いの。わっちを捨てて実家に行くんじゃろ?」
「極端ですね。アテアちゃんもルナお母さんの家に行きますよ」
「嫌じゃ。わっちは仕事があるんじゃ」
「じゃあ行ってらっしゃい」
「それも嫌じゃ!」
「わがままだなっ!」
という事で、お弁当を食べた後はロクナナがルゼルの両腕に抱き付き、幼女を抱っこして……あれ? ヘルちゃんが居ない! くそっ、逃げたなっ!
仕方ない、今度誘拐するとして、この五人で転移!
ルナリードの家の前にやって来た。
「ぐっ、アスティ……本当に、行くのか……」
「はい。あぁそれとおかぁさん、一つ言っておきます。この家には私の部屋があります。もし喧嘩して壊したら……本気で怒りますから」
「あ、あずでぃ……」
絶望した顔すんな。
──ピンポーン。
インターホンを鳴らすと……
『そこのおにぎり何しに来た?』
ルナリードさんよ、いきなり喧嘩腰じゃねえか……
「あ? 表出ろ」
『嫌だ。暴れるなら帰れ』
「母達よ、喧嘩すんな」
「……ふっふっふ、我の娘がここに下宿すると聞いてな。手土産を持ってきてやったぞ」
『……ふっ、良いだろう。貴様の悔しがる顔を拝みたいから入れてやる』
おっ、ママンが大人の対応? をしたら、ルナリードも大人の対応? だな。
うん、流石に娘の前では殴り合いはしないでしょ、多分。
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