光属性の強化をしたい

 

 ……昨日はリアちゃんにマッサージをしてもらい、再びヤバい木…邪霊樹の場所に戻って来た。

 どんなマッサージかは割愛しよう。


 とりあえず、邪霊樹の前に立つ。

 邪霊樹に邪気を流し込むと、魔物が生まれるというので早速やってみよう。

 深淵の瞳を発動して、黒いモヤモヤを枝に振り掛けてみる。

 ……

 ……おっ、枝から大きな滴が垂れるように何かが出てきた。

 黒い、球体。

 球体から細い手足が伸びてきた。ギスギスとした枯れ木のような手足…

 球体に切れ目が入り、球体の半分以上の大きさもある一つの目玉が出てきた。

 一頭身の目玉……キモ可愛い。


『キシャキシャャキシャキキシャキシャ!』

「…ソルレーザー」


『キシャキーー!』


 キモいが勝ってしまったから、光の柱を撃ち込んでしもた。

 …やっぱり邪族可愛くない。

 でもあんな奴でもB級以上の強さ。

 うーむ。


 …これは魔石かな? キリエが使った魔石よりも小さい…地面に落ちていた黒い石。

 魔力を通してみると、確かに魔石だ。いやちょっと違う…

 でも…普通の魔物よりは効率良いな。

 とりあえず壁を超えるまで邪族を倒してみよう。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 目玉に羽の生えた奴と、足だけの奴を倒して、三体目で壁を超えた。

 と言っても深淵の瞳の方だけれど。

 あと魔法を覚えた。ペインという痛みを植え付ける魔法。

 拷問用だね。


 また邪族を出しては倒していく。

 指先に目があるオーガ…首から下が液体の人型…顔が十あるゴブリン…

 なんか、変な身体の奴が多い…キリエが戦っていた邪族達とは少し違うなぁ…世界が違うと邪族も違う? 裏の世界も色々あるのかな。


 あっ、ペインの能力が増えた。範囲に効果があるペインエリア。

 設置型のペイントラップ。

 …使い道が無いよ。


 正直、邪霊樹で修業したらかなり強くなれる。

 なれるけれど、深淵が強くなると私が悪い子になっちゃう。

 光と闇のバランスを保たなければいけない。


 光属性を強化する方法は、魔法訓練、光属性の魔物を倒しまくる。天の王に頼んでみる。後は…光…光…あっ、アラステア様に会ってみる。後は…ミズキか。


 一番言う事を聞いて貰えそうなのは、ミズキかな。

 アース王国に居るみたいだし。

 あー…でも嫌われているだろうから、やっぱり駄目か。


 うーむ。

 アラステア様にも会いたいけれど、私の存在をどう思っているのかな…


 どうしようかなー。

 あっ、おはようバラス。中々来ないから不安だったよ。


『悩みか?』

「はい。深淵の強化はこの邪霊樹で出来るんですが…光属性の強化方法に悩んでいまして」


『女神に加護でも貰って来たらどうだ?』

「それも考えたんですが……ん? アラステア様に会った事があるんです?」


『子供が産まれる時に見に来たぞ。そのせいで娘が光属性になってしまってな。更に人型…いや…まぁ、恨み言を言った覚えがある』

「へぇ…光…娘さんを下さい!」


 …嫌そうな顔をしないでよ。

 光の獅子に乗る私を想像してしまったからには、バラスの娘と是非ともお近づきになりたい。

 北の氷雪地帯か…いつ行こうかな。


 よし、決めた。

 アラステア様に会ったら行こう。



 という事で、アース王国のビッケの町に行こうと思う。

 でもここからアース王国には、レイン王国を越えないと行けない…まぁ良いか。星乗りで一週間も飛べばアース王国の端っこには着きそうだし。


「じゃあ、アラステア様に会ってきます」

『またな』


 一人旅…ワクワクするな。

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