美人エルフと美少女エルフの闘う姿をずっと視ていたい。
エルフ姉妹と一緒にラジャーナへ。
目立つ一向だけれど、幻術を使いながら歩いているから見向きもされない。使いたいから視てみたけれど、私には使えない魔法だから諦めよう。
「レティちゃん、中々会えなくてごめんなさいね。私って人気者だから…フーって呼んでね」
「いえ、私も挨拶に伺うのが遅れてすみません。フーさんは今、どんな事をしているんですか?」
「今は人身売買のルートをを調査しているのよ。もうすぐ終わるから、終わったらいっしょに仕事しましょ」
「はい! 是非!」
私と日常会話をする辺り、フーさんは余裕だな。余裕のある大人に私もなりたい。
美人エルフとお仕事なんて想像するだけで素パンのおかずになるよ。
クーちゃんは黙って俯いている。手を離されてしまったから寂しいな。
南門から出て、リックと闘った場所まで行く。
途中オーガが来たけれど、余計な体力は使わせたくないので引率の私がバシュと倒しておいた。
「ここなら人はほとんど来ません。存分にどうぞ」
「ええ、ありがとうレティちゃん。今度ベッドの上で語り合いましょうね」
やっぱりエロフか。本で読んだよ。気に入った相手に、めちゃんこエロいエルフが一定数居るって……この目で拝める日が来るなんて感動だ。
クーちゃんは少し緊張している…お姉ちゃんに反抗する事が怖いみたいに。さっきのやり取りで色々解ってしまう。
私は少し離れてライトシールドを展開。
これで巻き込み事故は無いはず…酷かったらアビスシールドも展開しよう。
二人ともがんばれー。
「クー、私が勝ったら…ちゃんと言う事を聞いてね」
「分かっているです。負けないですから! 風よ! 共に闘おう! 疾風輪!」
クーちゃんの両手首と両足首に緑色の輪が嵌まる。
これは…素早さ上昇、風属性威力上昇か。良いなぁ。
フーさんは薄く笑いながらクーちゃんを見ている。初撃は譲るって事だね。
「風槍・ウィンディア!」
風が集まり、身長を超える槍が出現…凄い…完全な具現化だ。
初めて見た…魔槍。
私が使う魔法剣とは格が違う…
流石…人間よりも魔法に愛されているな。
クーちゃんが槍を向けて魔力を高めている。
風が巻き起こり、クーちゃんを中心に渦を巻いている。
高まりが頂点に達した時…
スーさんに向かって突進。
「――嵐槍技・大竜巻!」
渦が激しく回転。
大きな竜巻となって砂塵を巻き込みながら勢いを増していく。
凄いエネルギー…触れただけで骨がバキバキだよ。
「クー、強くなったわね。おいで…岩龍」
『グボォオアアア!』
なんだ…あれ…岩の蛇。
…いや…長く…太い。
鋭い牙…角…鋭い爪を持つ腕がある。
岩の鱗を持った龍。
うわ…まじか…龍の具現化…
岩龍と大竜巻が衝突。
岩龍の頭を竜巻が削る。削っていくけれど少しずつ。
…力の差が歴然だ。
岩龍が太い腕を振り、竜巻を殴り付ける。
激しい衝突音。
回転していた竜巻が四散すると同時に激しい突風が吹き荒れ…
クーちゃんが空高く打ち上げられた。
魔槍よりも明らかな格上…
「駄目じゃないの。お姉ちゃんに歯向かっちゃ…」
これが…剣聖と並ぶ、帝国魔法使い最高峰の称号を持った…
大魔導士フーメリア。
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