ブルーオーブの青ヘビ。
ブルーオーブの青ヘビ。
そんなにヘビには似ていないけれど、動きも似ていないけれど…仮にそう呼ぼう。
紙風船が繋がって、ふわふわ浮いている様な…何か不安になる不安定さ。
青い玉が…十個繋がっている。
ブルーオーブが連なっているだけなのか、合体しているのか解らないけれど、青い玉一つ一つに意思がある事は確かだね。
だってほらっ、ウォーターボールが十個浮いている。
しかも大きさは、さっきの倍だ。
全て撃ち落とす事は出来るけれど…私の魔力が早々に尽きる。
一斉にウォーターボールが飛んで来た。
「__無元流・静界」
私の領域を作ってしまえば、前方からの攻撃なら、撃ち落とさなくても躱せる。
バシュバシュバシュッ!__
難なく躱し、
後方で水の弾ける音が響く。
追撃が来る前に反撃する。
「__ソルレーザー!」
青ヘビの中心にソルレーザーを撃ち込む。
光の柱が一体のブルーオーブを貫いた。
「うーん…どういう生態なんだろう。面白いなぁ」
ソルレーザーが収まると、ブルーオーブが連なった青ヘビの姿。
変わっていないと思ったけれど、青い玉が一つ減っている。
後九回ソルレーザーを撃ち込めば倒せそうだ。
これなら余裕。
青ヘビが出した九個のウォーターカッターを見て、弱くなっていると確信した。
「__ソルレーザー!」
ウォーターカッターを躱しながら、使い慣れたソルレーザーを放つ。
ブルーオーブを一体倒す規模なら、直ぐに放てる。
自分の成長に、口角が上がった。
……青ヘビの魔法を躱しながら、ソルレーザーを撃ち込み、残るは四体。
これぐらいなら、溜め撃ち出来る余裕がある。
…でも、なんだ?プルプルしている?
「…可愛い」
戦闘中だけど、可愛い物は可愛い。
青い四体の玉がプルプル動いている。
凄く可愛い…少し手を止めて眺めてみた。
……何しているんだろう。
……あっ、川原の方からブルーオーブ。
なるほど、仲間を呼んでいたのか。
ふよふよ飛んで来て、四体のブルーオーブにくっつく。
今度は小さいブルーオーブもくっついて…おい、可愛いな。
こうやって強敵が居たら、みんなで力を合わせて倒すのかな?
そう考えると…なんか私が悪者みたいに見えるぞ。
…もう来ないから、仲間を呼ぶのは終わったかな。
青ヘビに、腕が生えている様に見える。翼かな?いや、うねうねしているから腕だろう。
数は…十を越えて、二十。
十が胴体。五、五で両腕。
…まだギリギリ青ヘビで良いかな。
青ヘビの魔力が高まる。
__来る。
ウォーターボールが十と、二。
増えたのが二個だけだと思ったら間違いだ。
その二個がデカイ。
三メートルは越えているな…撃ち落とさないと。
「__ソルレーザー!」
一つ撃ち落とした。
迫り来る十のウォーターボール。
__っ!起動が変わった!
ボコッ__
「__ぐっ!」
腕で防御したけど…痺れる。
魔法防御力には自信があるけど、何度も受けるのは危険…
「__ライトソード!」
ザザザザン!__
避けきれないのは、
ライトソードで斬っていくしか無い。
くそっ、大きいウォーターボールが控えているから集中が乱れる。
むしろウォーターボールで助かっているけれど…
__っ!あぁ!ボールがカッターに変わった!
「__ソルレーザー!」
ウォーターカッターの軌道上にソルレーザーを放つ。
光の柱が落ちて道が出来た!
この道を抜けると、
大きなウォーターボールが待っていた。
「こんなもん!__十六連斬!」
ザザザザ!__
ウォーターボールを、
形を保てなくなる程斬り付ける。
崩れていく水の壁を突き抜け、
目の前には青ヘビ。
光り輝く竜剣を高速で走らせる。
「__無元流・乱れ桜!」
頭の方から斬り刻む。
一つ一つの体力は少ない。
次々と斬り消していく。
あと三体…
__ゾワッ__
急激な寒気。
本能に従う様に大きく退避。
その瞬間、上から大きなウォーターカッターが飛来した。
「危なかったぁ…深追いは禁物…」
また、ブルーオーブがプルプルしている。
仲間を呼ぶのは駄目だよ。
追撃しようと魔力を練っていたら、三体のブルーオーブが離れ、三方向に移動。
これは…青ヘビの数が増えたらやられる。
近くに居た一体目を斬り刻む。
二体目をソルレーザーで撃破。
三体目は…あぁ遅かった。ブルーオーブが集まっている。
さっきよりも数が多い。
十体が縦に繋がり、五体ずつの腕。
下の方に、五体ずつの…足かな。
これで手足の付いた青ヘビになった。
なんか…どこかで見た事ありそうだな。
それに、球体が少しずつ形を変えて、シルエットが滑らかな曲線になって来た。
頭の部分は口が出来、胴体は滑らかに。
手足は爪の様な部分も出来て、大きな青い…トカゲ?知らんな。
「トカゲ?青ヘビから、青トカゲにパワーアップしたな…まぁ、まだ何とかなる」
それよりもね。
戦闘中なんだけれど…
さっきから…いや、最初から凄く気になっている事がある…
もう、二十体は倒しているけど…
どうして、魔石が落ちないんだろう。
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