岩石地帯の方向へ。

 

 ミーレイちゃんとの楽しいお泊まり会は終わり、次の日はミーレイちゃんを家まで送って、そのままラジャーナへゴー!


 という事でやって来ました、北の森を抜けた先にある岩山。


 今日は岩山に登らない。

 東にある岩石地帯に行こうと思う。

 準備は万全。ロープにピッケルにハンマー。一応つるはしもある。

 靴の予備だってある。

 そのせいで、収納は一杯。

 なので今回は大きなリュックを持って来た。

 軽い荷物を入れればなんとかなると思う…まぁ、何かが見付かるとは限らないし、人も来ないから要らない荷物は後日取りに来ても良いはず。


 ……そう思っていたけど、居たよ人。

 冒険者達が大きな岩をつるはしで掘っている。採取かな?


 大きな岩を見てみる。

 白くて、割りと粒が細かい…白岩か。

 白い外壁塗料の原料。


 うーん…もう少し奥へ行こうかな。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 しばらく歩いていく。

 もう冒険者達の姿は無い。

 岩石地帯の奥は、白い岩から黒い岩へと変わっていった。

 黒い岩をピッケルで削って調べてみる。

 …縦にパキッて割れるから、黒柱石の塊かな。

 お墓に使われる石で、魂を浄化すると言われているけど…ただの迷信。

 実際は空気中の汚れや湿気を吸い取ってくれる石。

 …ちょっと貰っていこう。



 あっ、オーガだ。三体。

 何か運んでいる。オークかな?

 …ん?運んでいたオーガが一体倒れた。


 青い玉がふよふよ浮いている…あれはブルーオーブ。ランクはC。

 水属性の魔法を使う魔物。

 魔物同士の戦いかな?


 …おっ、オーガが怒ってる。頑張れー。

 おー!あれが本場のウォーターボールかー!

 オーガの頭より大きい!

 あっ、やっぱりオーガやられた。


 後一体だぞー。頑張れー。

 うぉ!ウォーターカッター。

 スパンッて首が飛んだ。



 ……ブルーオーブさんはオーガの胸の所に着地。

 魔石の魔力を吸い取っている。

 ああやって成長していくのかぁ…魔物の観察って面白いな。


 …そんなに人と変わらない成長の仕方だよね。

 戦って魔石から魔力を吸収する。

 ……あれ?オーガは無属性だから気にしなかったけど、火炎の熊は火属性。属性も一緒に吸収なんて、出来たっけ?


 んー…まぁ、人並みのファイヤーボールになれた訳だし。

 深く考えない様にしよう。

 でも実験はしたいから…



「ブルーオーブさん、勝負しましょう」


 闘おう。

 五十センチ程の青い玉。

 色が濃くなっているのは、ご飯後だからかな。


 魔法は厄介だから、素早く仕留めよう。

 ふよふよ浮いているブルーオーブに向かって駆ける。


 竜剣を抜き、ブルーオーブの中心に剣を走らせた。


 …ほんの少しの抵抗はあったけど、剣がすり抜けてしまう。

 魔法体の身体。

 物理攻撃はほとんど効かないか…



 むっ、魔力に変化。

 ブルーオーブの魔法が来る。

 丸い身体が光り、

 前方に五十センチの水の玉…ウォーターボールが発生。


 私めがけて飛んでくる。

 剣で斬っても無駄かな。


「ソルレーザー」

 バシュン__

 細い光のレーザーを落とし、ウォーターボールを消し去る。

 ソルレーザーはよく効くなぁ。


 もういっちょ。

「ソルレーザー」

 バシュン__

 細い光のレーザーをブルーオーブに当てる。

 ジュッと溶ける様に消え去った。


 魔法体には魔法攻撃だなぁ。


 でも、ソルレーザーしか使えないから不便…火属性は人並みのファイヤーボールになっただけだから、下級魔法が良いとこ…



 ……あっ、デスジャイヂ・ギガンテスって何の属性だっけ?

 黒い風だから…風と闇かな。


 風属性は…枯れ葉を一枚動かせる威力。飛ばすじゃなくて、動かせる威力。

 闇属性は…使った事無いな。光属性を重点的に勉強していたから…


 魔法って反対属性は不得意になる傾向がある。

 二つ得意属性があるダブルの人の中で、火と水が得意なんて人は記録ではほとんど居ないし。

 そもそも魔法を知らないから、帰りに魔法書店行ってみよう。



 と、その前にブルーオーブの魔石を拾う。

 青い石。魔力を流すと、力が入る感覚。

 …水属性も入ったかな?


「__ウォーターボール!」


 チョロチョロ__


 くそぉ!玉にすらならねぇ!

 立ちションだよこんなの!

 クソ恥ずかしい!


 ……

 ……

 ブルーオーブを倒しまくれば、立ちションから解放されるかな?

 でもどこに居るんだろ。

 水辺だと推測。

 ここら辺…地図だともう少し奥か。


 水辺を目指して岩石地帯を奥へと進む。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 ……おー、川の音がしてきた。


 ブルーオーブは居るかなー。


 んー、居るけど…ちょっと大きいなぁ。

 倍近い大きさのブルーオーブがちらほら見える。

 魔法の威力も比例して倍になるから、ちょっと危ないか。


 ん?何あれ。


 ブルーオーブが繋がっていく。

 へぇー合体みたいな事出来るんだぁ。

 丸い玉が繋がって、蛇みたいになっている。


 青い蛇だね。

 顔の部分も丸いから、どっちが前か解らないなぁ。


 でも、向いている方向は解る。

 向かっている方向のお陰で。


「そうなるよねー」


 やっぱり、私の所に来るよね。

 よし、やってやろうじゃないの。


 …でも、何さんだろう?

 ブルーオーブスネーク?


 まぁ、良いか。


 河原は不利だ。

 岩石地帯へ移動。

 青ヘビは付いてきていた。


「青ヘビさん、勝負しましょうか」


 私と青ヘビは、岩石地帯で対峙。


 さて、やりましょうか。



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