第3話
今日は金曜日。
俺はいつも通り七時に起き。
制服に着替え、学校に行く準備をしている。
朝食を食べ終え。
昼のお弁当の準備を始めた。
今日は自分の分だけではなく、双葉の分も作ることになっている。
昨日、雨宮に言われた通り。
たこさんウインナーも忘れずに入れ。
お弁当を作り終えた。
お弁当とラッピングしてあるクッキーをリュックに入れ。
いつも通りの時間に家出て、学校に向かう。
学校に着き俺は、教室に入ると双葉と目が合い。
嬉しそうに近寄って来たが。
今は、双葉と話している余裕ではなかった。
急にお腹が痛くなった俺は、教室を出てトイレに向かった。
後ろから追いかけて来てるが、止まってる場合ではない。
「ちょっとなんで逃げるのよ」
双葉はそう言いながら、軽く背中を叩かれた。
「ごめん、今は無理だ」
悪いとは思ってるが、本当に今は話してる余裕がない。
「ごめん……」
そう言い。
双葉は、教室に戻って行った。
なんか言いたいことでもあったのかなと思い。
俺は急いでトイレに向かった。
なんとか間に合った俺は、自分の席に着くと隣の月島が話しかけてきた。
「なぁ一ノ瀬、委員長可愛いよな」
「委員長て?このクラスのか?」
「当たり前だろ」
委員長とはこのクラスの女子。
いつも双葉と一緒にいる。
長い黒髪で、頭が良く真面目である。
北条はこのクラスの委員長をやっていて、みんなからは委員長と呼ばれている。
「確か昨日は、七瀬が可愛いて言ってたけど。急にどうしたんだよ」
「やっぱ変わったわ」
何があったんだが。
「連絡先も交換したぜ」
月島はグットポーズ。
「それは良かったな」
俺はそれ以上興味がなかったので、そのままにしておいた。
午前の授業が終わり。
昼休み。
「一ノ瀬、飯食おうぜ」
「ごめん、今日は他の人と食べるわ」
「おう、わかった」
月島は、別の男子のところへ行き。
俺は、自分と双葉の分のお弁当と昨日作ったクッキーを持ち。
昨日と同じ場所に向かった。
昨日の場所に着くと。
双葉が階段に座ってスマホをいじっていた。
相変わらずこの場所は、人通りが少なく。
教室から話し声が聞こえるぐらい静かな場所。
俺は双葉が座ってる、段の一個下に座った。
それに気づき。
双葉は一個下の段に降り、わざわざ俺の隣に並んできた。
近い。
香水の匂いがするぐらい近い。
割といい匂い。
「これ、約束したお弁当と後昨日多く作りすぎちゃって余ったから、これもあげるよ」
お弁当とラッピングしたクッキーを渡した。
「これもいいの? ありがとう!! 」
双葉は袋に入ってるクッキーを見て。
おいしそうと言っていた。
「クッキーは初めて作ったから、おいしくできてるか分からない」
「そんなことないよ! クッキー食べてみてもいい?」
俺は頷き。
双葉は嬉しそうにラッピングを外し。
クッキーを食べた。
「このクッキーめっちゃおいしい!!」
喜んでくれた。
「それは良かった」
おいしいて言ってくれて、なんか嬉しかった。
双葉は、おいしいおいしいずっと言っていた。
クッキーを食べ終え。
双葉は次にお弁当を開けた。
「あっ! たこさんウインナーだ!可愛い〜」
「そうそう、たこさんウインナー作ってみたんだ」
このたこさんウインナー、意外にも難しい。
俺もお腹が空いたので、お弁当を食べることにした。
双葉は、ずっとおいしいおいしい言っている。
今日で、何回おいしいて聞いたんだろう。
「一ノ瀬君て、毎日お弁当作ったりしてんの?」
「作ってくれる人がいないから、毎日作ってるよ」
と言ったら。
双葉は口を開け驚いていた。
「親とかは作ってくれないの?」
「実は今一人暮らしで、両親は別の家で暮らしているから」
俺が一人暮らししてることを言ったら。
双葉はさらに驚いていた。
「一人暮らして、大変じゃないの?」
「最初は大変だったけど、今では慣れたもんだよ」
それから双葉は、色々聞いてきた。
ちゃんと夕食を食べているのかとか掃除してるかなど。
親なのか思うほど心配してくれた。
双葉て優しいんだな。
気がついたら、昼休みが終わりのチャイムが鳴っていた。
俺らは食べ終わったお弁当をまとめ。
教室に戻ることにした。
「ほんとうに美味しかった!ありがとう!」
俺はおうと言い。
先に教室に戻ろうと立ち上がったら。
双葉が俺の制服の袖を引っ張ってきたので振り返った。
「どうしたんだ?」
「もし……良かったら……連絡先交換しない?」
双葉は、少し小さめの声で言ってきた。
「なんだそんなことか」
と言い。
俺は、スマホをポケットの中から出して。
双葉と連絡先を交換した。
「これで大丈夫か?」
「うん!ありがとう」
双葉は、嬉しそうに先に教室に戻って行った。
教室に戻り。
俺は自分の席に座った。
隣の月島は教室にいなく。
どっかに行ってるようだ。
「どうだった?」
突然右の席に座っている。
雨宮が話しかけてきた。
「喜んでたぞ」
本当のことを言った。
「それはよかった」
また雨宮は本を読み始める。
「なぁ雨宮、いつも何の本読んでんだ?」
また無視だ。
聞こえているはずなのに無視。
もしかして。
「双葉て可愛いのか?」
「可愛いい」
話してくれた。
俺は、なんとなくわかり。
「実は雨宮、双葉と話したいのか?」
「……うん」
意外に素直に答えた。
また無視されるのかと思ってたけど。
これで確実に分かったわ。
雨宮は、双葉が関係してることは話すが。
それ以外は話さない。
「なぁ雨宮、双葉と話してみなよ」
「無理」
「どうしてなんだよ」
「無理」
「そんなこと言うなよ、ちょっと待っとけ」
教室には双葉がいなかったので、俺はメールを送っといた。
少ししたら双葉がきた。
「一ノ瀬君、どうしたの?」
「実は雨宮が双葉と話したがってたぞ」
「ほんと⁉︎雨宮さん」
「……うん」
俺は邪魔しちゃ悪いと思い。
トイレでも行くことにした。
俺は教室に戻ってきたら。
双葉と雨宮が仲良く話していて、驚いた。
今まであんなに話してる。
雨宮は見たことがないな。
俺は席に座り。
「よかったな、双葉と仲良くなれて」
そう言い。
雨宮は少し恥ずかしそうに。
「……ありがとう」
気になっていたことを聞いてみた。
「どうしてそんなに双葉と話したがってたんだ?」
「教えない」
教えてくれなかったので。
俺は双葉に聞いたけど、顔を赤くして黙っていた。
きっと何かあったんだろう。
「それより次の授業なんだっけ?」
無視。
そこは変わらないんだな。
あの日、彼女と出会い少しづつ変わっていった ママレー @mamare
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