第7話 新たな仲間と私の気持ち

朝です。緊急事態です。なななんと!転入生が来ました。

その名前は、

「坂口理紗!」

「平一君知ってる人!」

「あぁ、前の小学校一緒だったんだ。」

私はぽかんと立ちつくす。

理紗というらしいその子は肩をすくめた。

なんかかわいい。

「こ・と・ちゃ~ん!!」

ごほごほ…。

いきなり桃ちゃんが抱きついてきてむせた。

「転入生いるんでしょ、どこにいるの。」

さすが桃ちゃん。

朝から地獄耳発動しています。

「目の前にいるよ。なっちゃんは?」

「あそこ。」

なっちゃんは友斗君となにやら話してた。

あぁーやって二人で話しているとこ久しぶりに見たよ。

「あぁー転入生可愛い♡。」

「ちょ、転入生に迷惑だよそれ、。」

と私が注意する前にはもう理紗という人のところに行っちゃった。

「ねぇ理紗ちゃんどっから来たの?」

「私の名前いったっけ?」

理紗ちゃんは頭から『?』をばしばし飛ばしていた。

「も、桃ちゃん、だから迷惑だって。ごめんね、私の友達が。あ、私の名前はことなね。ことちゃんって呼んで。」

「ことちゃんお母さんみたい。」

そしたらなっちゃんが来た。

「もう何事?」

「あ、こっちは友達の奈津ね。」

桃ちゃんが言った。

「よろしく。なっちゃんって呼んでね。」

理紗ちゃんが恥ずかしそうに顔を赤らめた。

「あ、私はりっちゃんって呼んで。」

「「「よろしく」」」

私となっちゃんと桃ちゃんが同時に言った。

「あ、平一君!!」

「理紗~。この学校に転校してくるとは思わなかった。」

そう言って二人はハハッと笑った。なんだろう、なんだか心の奥がもやもやする。


放課後。

ゴスッ。

「いっつー!」

「ことななにやってるんだ。」

いつも通り二人三脚+魔法の練習してるんだけど何か最近おかしい。今さっきは壁にぶつかった。

ボスッ

平一君が本棚から落ちた秘伝書をキャッチした。

「まぁ見たかった秘伝書が運よく落ちてきたからいいけど。」

そしたら二ッと平一君が笑った。その笑顔を見たらドキっとした。何なんだろう。最近こんなことばっかり。

「どうしたことな。そんなにボーッとして…」

「そ、そんなことより二人三脚しよ。」

平一君の言葉をさえぎって二人三脚をさそった。そしたらムスッとしていたけど黙ってついてきた。

「「せーの、一二,一二,一二、一二,一二…」」

ふぅ~。終了、終了。これなら本番も大丈夫だよね。そして横を見ると、

「りっちゃん!」

「…。」

あれ?りっちゃん。りっちゃんは目がうるんでいた。

「理紗どうしたんだ。」

平一君が歩み寄ったらりっちゃん逃げちゃった。私と平一君は首をかしげた。


次の日。

「りっちゃんおはよ。」

「…。」

そしたらまた逃げちゃった。

「?」

「わっ」

「ぶえええ~~!!」

あぁびっくりした。私を驚かせた犯人は桃ちゃんだった。桃ちゃんはクスクス笑ってる。

「ビックリさせないでよ。」

「ごめんごめん。でもどうしたの?りっちゃんとうまくいかないようだけど。」

「私にも分からないよ。」

本当に何なんだろう。沈黙が流れた。すると桃ちゃんが口を開いた。

「りっちゃん…。平一君のこと好きみたい。それは口に出さなくても分かるよ。きっと平一君とことちゃんが一緒にいるのが嫌なんだよ。」

う、うそ…知らなかった。

「きゃー!」

ん?何。悲鳴?そしてぱっと後ろに振り返ると、

「りっちゃん!!」

なんとりっちゃんの体から黒い煙がもやもや出ていた。しかも鉛筆とか消しゴムとかたくさんいた。投げていた。何これ。

「ことな。」

平一君が私を呼ぶと、

「私の平一君を取らないで。」

りっちゃんはそう言ってものすごく怒っているような下手したら噛まれると思うほど怖い猫になった。

「り、りりりりっちゃん!」

「ことな魔鬼だ。戦うぞ。」

でも!と言わなくても平一君は分かったみたいで、

「魔鬼は人間の嫌みなどが強まると出来るんだ。魔鬼を弱らせれば嫌みがおさまったという証拠。そうすれば元の人間に戻るんだ。」

そうなんだ。それにしてもりっちゃんが平一君が好きって本当だったんだ。

「ラピスマイオリ―。」

風を起こすけど避けられた。うー、猫ってすばしっこい。

「ルビーマイオリ―。」

猫の周りを火で囲んだみたいだけどりっちゃん猫はジャンプして出てきちゃった。

「シャー。」

わわわ怒ってる猫怖い。

「ん~。」

平一君が周りを見渡している。そして、お宝を見つけたように笑顔になった。

「ルビーラングレー字チェンジ。」

と平一君が唱えると

「土!!」

なんとゴミ箱があったはずなのに土になってる。

「ルビーラングレー字チェンジ。」

「ドゥワーー!土砂崩れだー!」

土が固められていたと思ったら土がボロボロ落っこちてりっちゃん猫は思いもよらぬことに反応できなかったらしいくが土に埋もれてた。

「ルビーラングレー字チェンジ。」

と思ったら土がゴミ箱に戻った。りっちゃん猫は倒れていた。そしてボンッと白い煙が出て来て元の姿に戻った。

「理紗を保健室に連れて行こう。」

そういって平一君はりっちゃんをお姫様だっこして保健室まで連れて行った。そんな平一君とりっちゃんを見ていられなかった。何故かって可愛いりっちゃんとカッコイイ平一君がお似合いだったから。


ここは平一君の地下室。

「平一君、なんでゴミ箱が土になったの?あの、魔法何?」

「あぁ、あの魔法は言葉チェンジ魔法。物の漢字のパーツを変えて別の物にするんだ。今日のやつはゴミ箱を土にしてそれから土砂にしたんだ。」

「はぁ?」

なんでゴミ箱が土になんの?土が土砂になるのは分かるけど。それも平一君は私が考えていることおみとうしみたいで。

「ゴミは漢字で埖と書くんだ。だから花を取って土にしたんだ。」

あきれた、漢字のうんちくになるとこんなキャラになるんだ。まぁいいけど。そして平一君は無邪気に笑った。私はドキッとした。もしかして…、まさかそんな訳ないよね。

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