第6話 過去へ Let’ go!!

てくてく廊下を歩くと、

「「うわ、まぶし!!」」

いきなり強い光。少し時間がたって目を開けてみると、

「ここ、どこ。」

そして周りを見渡すと、

「原爆ドーム。」

そう、まだ原爆で吹き飛ばされる前の原爆ドームがあった。というとここは昔の広島!私はゆっくりと後ろを見ると平一君がいた。

「平一君!」

「平至(へいじ)!」

私が声をあげると同時に誰かが言ったのが重なった。誰?と思って前を見ると、

「私と平一君?」

じゃない。似てるけど、背丈が違うし雰囲気がちょっと違う。中学生の制服を着ていた。

「さなえ、ちょっと声でかい。そんな声あげなくても聞こえるけぇ。」

「あら、いいじゃない。」

すると、さなえと呼ばれた人と平至と呼ばれた人は空をにらんだ。

「?」

私は何だろうと空を見上げたら。

「魔鬼だ。」

平一君が言った。何と、あの強敵。中学の天使が魔鬼の姿になって空をさまっよっていた。

「ラピスマイサリー。」

「ルビーマイサリー。」

魔法を唱えたのは私達でなく、

「あの二人、お役目をやっていたの!」

て、ことは私達のご先祖様!あの魔法は空中魔法。秘伝書に自分の体を浮かせる魔法と書いてあった。二人はあの鳥に近づいて行ったから、2人の姿はちょっとしか見えない状況。でも力はほぼ互角。ちょっとしたら地上まで下りてきた。魔鬼はいつもの人間の姿になった。

「何十年後にはもっと楽しませてもらうよ。じゃぁ、また会う日までね。」

そう言ってここを去って行った。私の目の前にいる二人と私と平一君はただただあぜんとしていた。

「何十年後って、俺たちの先祖ってことかな?」

平一君が言った。て、ことはずっと私達と戦うのを心待ちにしてたって事!

「何十年後って何の話かのう?」

「ん~。」

私の前にいる二人はなにやら考え込んでいた。と思ったら、さなえっていう人が、

「考えても分からないことは分からないなぁ。」

と言って川の方まで走って行った。

「わ~晴れてる!」

とさなえって言う人が声を上げて言うと、いきなり私と平一君の視界がボヤケた。

「ここはどこ?」

「ことな、あれ見ろ。」

あれ?ここって平一君の地下室!あそこにいるのって…。

「おじいちゃん!」

「じいちゃん、ばあちゃん!」

私と平一君は顔を見合わせた。そして、私のおじいちゃんは写真立てを手に取った。写真はモノクロで、制服を着た女の子と男の子と、ランドセルを背負った男の子二人。あれって、

「さっき見たさなえって人と平至って人じゃない!」

「うそだろ。」

平一君はおどろきのあまりそのまま凍結。そして、私のおじいちゃんが言った。

「あのラピスラズリとルビーはどこにあるんじゃろうか。」

「有彩さんは分かりますかのう。」

「…、いいえ。なんか、強い力でさえぎられて私にも見えないです。」

そして目の前にいる人は消えた。

「ねぇ、平一君。平一君のおばあちゃんは…。」

「俺のばあちゃんは占い師なんだ。だからお役目の事を知ったんだと思ったけど、そうじゃなかったんだな。」

私のおじいちゃんのお姉さんはお役目をやっていた。でもその話、一度も話してもらってない。どうして。それに、なんでこんなところに地下室が。分からないことだらけだよ。


次の日。

「あのさぁ。何で私の顔じっと見てるの?」

桃ちゃんとなっちゃんが顔を見合わせて、

「「いやぁ~。」」

桃ちゃんとなっちゃんが何やらにやにや。

「?」

「あの後進展あったのかな~って。」

桃ちゃんがいった。ま、まさか…。

「見てたの!」

桃ちゃんとなっちゃんがコクリとうなずく。

「な、なんで!そっちの練習は?」

「私はゆうちゃん塾だったから。」

「私は有太君サッカーだから。」

そして桃ちゃんとなっちゃんは顔を見合わせてニッコリ…、じゃないよ!昨日ものすごい事実を知っちゃったんだよ。なのに今日、こんな風になっちゃうの?まぁ、心が朝からしずんでたからなんか救われた。

「それより気をつけなよ、平一君狙っている人たくさんいるんだからね。」

「え、えー!うそ。気をつけます。て、何を。」↑〈的中します。〉

桃ちゃんとなっちゃんは顔を見合わせてはぁーっとため息。

「何をじゃないよ、何をじゃ。気付かないようだけど平一君とことちゃん一緒にいるだけでものすごくことちゃんにらまれてるんですけど。」

なっちゃんが言った。う、うそ。私は影薄少女として生きていきたいのに…。

「もしかしたらことちゃん平一君誰かにとられるかもよ。」

桃ちゃんがそんなこと言うので、

「べ、別に私には関係ないよ。」

と、言い返したけど、本当は何だか胸のあたりがチクッとした。な、何。この気持ち。


放課後。

「じいちゃんに電話で聞いてみた。ばぁちゃんとじいちゃんは、新潟に行ったとき出会って付き合い始めたんだって。」

今は平一君の地下室。

「へぇー、何かロマンチック~。」

そんなふうにうかれてたら、

「お前は、好きな人いるのかよ。」

私はカ―ッと顔がリンゴのように真っ赤になった。

「い、いる訳ないじゃん。」

平一君の口からそんなこと聞かれると思わなかったよ。

「いきなり聞かないでよ。びっくりしたよ。」

「すまんすまん。」

そして二人で吹き出して笑った。

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