本日2月21日の「カクヨムからのお知らせ」を読んで ――また新しいコンテストが開催!――

    

 私自身はカクヨムではなくTwitterを見て知ったのですが、本日お昼頃、また面白そうな「カクヨムからのお知らせ」がありました。


【4/17~6/14募集】角川ホラー文庫 デスゲーム小説コンテスト開催決定!

https://kakuyomu.jp/info/entry/deathgame_contest


 また新しいコンテストの告知です。

 今度はデスゲーム!


 以前に改めて数えてこのエッセイでもネタにした通り、カクヨムでは毎年11あるいは12のコンテストが開催されています。ほぼ月一回のペースですね。

 しかもその際、投稿作品の編集ページの「コンテスト」欄から選んで応募するものだけを「カクヨム開催のコンテスト」としてカウント。例えば「角川ルビー小説大賞」や「角川つばさ文庫小説賞」のように、タグ欄に応募キーワードを記入して応募するものは「カクヨムからも応募できるけれど、主催はそれぞれの文庫レーベル」ということで「カクヨム開催のコンテスト」としては扱わず、省いていました。また公式自主企画も「コンテスト」欄からではなく「自主企画」欄からの選択となりますし、名称としても「公式自主企画」なのでコンテストには含まない数え方でした。

 それらも含めれば、コンテストに類するものはさらに多くなります。そもそも「以前に改めて数えて」の「以前に」は2022年4月だったので、現在はもっと増えているかもしれません。

 だからカクヨムでは毎月ひとつ以上――もしかしたら二つか三つくらい――コンテストやコンテストっぽい企画の告知が出る計算になり、それらにいちいち反応していたらキリがないほどですが……。

 今回わざわざエッセイで触れることにしたのは「デスゲームのコンテスト」という点に興味を惹かれたからでした。


 といっても、私自身それほどデスゲームものが好きなわけではありません。恥ずかしながら原作小説は全く読んでいないくらいです。ただドラマやアニメになったものをいくつか見て、面白かったと思った程度。しかも「面白かったと思った」作品のタイトルをいざ挙げようとしても、作品名が思い出せないくらいです。

 ただ覚えているのは、どんな点を面白いと感じたか、ということ。

 もしかしたら私の「デスゲームもの」という認識が少しズレていて、私が「デスゲームもの」と思っている作品が実は違っている可能性もありますが……。

 私が面白いと感じたデスゲーム作品は、定められたルールの下で殺し合いをするもの。登場キャラクターが次々と死んでいくのでドキドキハラハラもしますが、それよりも興味深いのは「定められたルールの下で」という部分です。

 デスゲーム運営側から与えられたルールを逆手にとって、主人公たちが困難な状況から脱出しようと、あるいは勝ち抜けしようと奮闘する。その過程で「ルールの抜け穴」みたいなものも見つかるので、読者・視聴者は「そんなやり方があるのか!」と意外性と合理性を楽しめる。その意外性が少ないと読者・視聴者の感動が小さかったり、合理性が低いと「それじゃギャグだ」と笑われたり。私自身は後者みたいな感想を抱くことは少ないのですが、自分が「面白かった」と思ったアニメの感想をネットで探したりすると、シリアスのはずなのにギャグアニメ扱いされている場合もありますよね。


 以上のように「意外性と合理性」を重視する楽しみ方なので、おそらく私の場合、デスゲーム作品をミステリーっぽく楽しんでいるのだと思います。先ほど「定められたルールの下で」と書きましたが、そもそも主人公たちにも読者・視聴者にも最初ルールの詳細は伏せられていて、物語が進むにつれて少しずつ判明していく、という場合も多いですからね。そこも「謎解き」要素です。

 まあ推理小説というほど綿密ではないにしても、一応はミステリー、あるいはサスペンスといった感じでしょうか。それが私にとってのデスゲーム作品なので、微妙にホラーとは違うかもしれません。今回「デスゲーム小説コンテスト」の主催が「角川ホラー文庫」である以上、おそらく最も求められているのはホラー要素なのでしょうし、その時点で既に私の思う「デスゲームもの」とはかなり違うのでしょうね。


 ……というように、その程度の関心しかないデスゲーム。それでも今回の告知に反応してしまった理由は、ちょうど二、三日前に「自分自身がデスゲームの登場人物になった」という夢を見たからです。

 正直、自分でも不思議です。それほどデスゲーム作品が好きなわけでもないのに、なぜ突然、夢に出てきたのか。

 とりあえず目が覚めた瞬間に思ったのは「今のがデスゲームだ!」ということ。ならば今の夢をそのまま小説にすれば、デスゲーム小説が一本書ける!

 ……と起床直後の寝ぼけた頭で考えてしまいました。

 しかし一瞬の後には「いや、今さらデスゲームなんて流行遅れだろうし、こんなのありふれた内容にしかならないだろ……」と落胆。今にして思えば。こうしてデスゲーム小説コンテストが開催されるくらいですから『今さらデスゲームなんて流行遅れだろうし』は大きな誤りであり失礼でしたが、その時はそう考えたのです。

 少なくとも『こんなのありふれた内容にしかならない』の方は誤りでもないはず。というよりも、先ほど「デスゲームものの醍醐味はルール云々」と書いたくせに、その『夢』のデスゲームでは肝心のルールが曖昧でした。まあ夢だから仕方ないのでしょうし、目が覚めれば夢の内容は少しずつ忘れてしまうので、だから余計に「肝心のルールが曖昧」だったのでしょうが……。

 とりあえず覚えているのは、ホテルだかマンションだか学校だかの中庭みたいなところに参加者が放り込まれて、そこで雑魚寝するような環境。一体どういう設定なのでしょうね? これが体育館ならば「災害が起きて避難所で雑魚寝」と考えられますが……。それに近い感じでしょうか? だとしたら、物語としてはいきなり災害という危機的状況から始まるので「ホラー」には向いているのかもしれません。


 まあ「物語としては」を考え出すと横道に逸れるので『夢』の内容に話を戻すと。

 そんな中庭みたいなところで、なぜ「デスゲームだ!」と認識できたかというと、前回のゲームの生き残りが一人発見されたからです。中庭の片隅の小屋らしき建物に隠れていました。

 傷だらけで頭もおかしくなった男の人です。若者ではなく、おじさんという感じ。

 支離滅裂な言葉を口走ってはいるものの、おじさんの言葉を繋ぎ合わせることで『夢の中の私』は「ここで殺し合いがあった」「次は自分たちの番だ」と悟ったみたいです。

 続いて、そのおじさんは治療あるいは救助のため、四人組の女の子たちにより、どこかへ連れ去られていく。それを『夢の中の私』は、こっそりあとをつけて……。

 おじさんが殺されるのを目撃してしまう!

 実はその「四人組の女の子たち」がデスゲームの運営側であり、ゲームの勝者になっても最後は運営側に始末されるという、全く救いもないタイプのデスゲームでした。

 ……というより今思うと、勝者のはずの最後の一人も殺されるのであれば、デスゲームとして成り立っていないかもしれませんね。あるいは、そういうルールなのに「運営側にも殺されずに何とか生き残るよう奮闘する」という方向性の物語にしたら、ハラハラドキドキが増すのでしょうか。


 また脱線したので『夢』の内容に話を戻します。

『夢の中の私』が知ってしまったのは、その四人の少女がデスゲーム運営側というだけではありませんでした。実は彼女たちは人間ではなく、針の化身でした。

 ひとくちに針と言っても、注射針や縫い針、釣り針など色々ありますが、この場合はかなり太くて真っ直ぐな針。編み物に使う棒くらいの大きさで、両端が鋭く尖っている感じでした。

 なぜ針なのか、目が覚めた後で考えても全くわかりません。夢だから荒唐無稽な内容だった……と判断するしかないですが、とりあえず「かなり太くて真っ直ぐ」「両端が鋭く尖っている」というだけで、恐怖の対象でした。

 そんな針の化身たちに「見たな!」と責められます。その『夢』のデスゲームのルールでは、原則として最後の一人になるまで運営側が介入できないものの、途中で正体がバレた場合は例外。

 それを知って『夢の中の私』は本当に恐怖するのですが……。

 ここで一つのポイントとして、こういう荒唐無稽な夢を見る場合、夢の中では『私』は若い少年や青年になっている場合が多く、この『夢』でも思春期の少年でした。

 おそらく「思春期」が理由で、正体を針の化身と知りながらも、四人組の一人を「女の子」として強く意識してしまいます。

 すると四人組は、何やら話し合った様子。彼女たちは運営側なので参加者たちの頭の中を覗けるらしく、『夢の中の私』の感情を面白がっていました。

「人間ではないと知りながら、しかも殺されると知りながら、そんな感情を抱くとは不思議な生き物だ、面白いから、今しばらく泳がせてやろう。ただし私たちが運営側であること、人間でないことを他の参加者にバラしたら、ただちに始末する」

 と言われて『夢の中の私』は釈放されました。

 こうして「誰が運営側なのか」「それらは人間ではない」ということを知りつつ、しかもそのうち一人に特別な感情を抱く。そんな異常な状況で『夢の中の私』はデスゲームに参加することになったのです……。


 ……というところで目が覚めたのが、先日見た夢の内容でした。

 こうして文字に書き起こしてみると、デスゲームでありながらメインは違う方向性にもなりそうですね。上手なストーリーテラーが書いたら、それなりに面白そうな物語にできるかもしれません。残念ながら私は「上手なストーリーテラー」ではありませんし、そもそも肝心のルール設定が出来ていないので、これをデスゲーム小説として書き始めるのは大変そうです。


 とりあえず、そんな夢を見た少し後に「デスゲーム小説コンテスト開催」というう告知を目にしたので、ついつい反応してしまったのでした。

 前回のエッセイに続いて、個人的に少しタイムリーな「お知らせ」になった感じ。このような偶然は、エッセイのネタとして使えるという意味ではラッキーですが、妙なところで幸運を浪費している気もして、そう考えると少し残念です。


 ここで改めてコンテスト告知に注目してみると……。

 まずは文字数。『8万字以上14万字以下』と書かれているので、長編のコンテストです。短編や中編とは異なり、執筆にそれなりの時間がかかりそうです。


>応募受付期間終了時点で、作品が完結していない場合、または、作品のステータスが「完結済」でない場合、当該作品は選考対象外となります。


 なので、物語をきちんと終わらせる必要もあります。

 応募期間は4月17日から6月14日。カクヨム内だけで考えると特に何とも重なっていない気がしますが、他サイトまで目を伸ばすと、以前はカクヨムコンと同じく冬に行われていた応募総数1万規模の大きなコンテストが、今年は5月1日から7月31日の3ヶ月。そちらとは部分的に重なります。

 ただし、カクヨムのコンテストにありがちな


>本コンテストの結果発表前に、応募作品が本コンテスト以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。


 という注意事項が、今回も記されています。結果発表前に他で受賞というのはそもそも重複応募していなければ起こり得ない事態であり、それを想定しているということは、重複応募を禁止していないということ。

 他のコンテストと応募期間が重なっても、両方に出せるのであれば問題ありません。

 個人的には「重複応募OK」をありがたく思うと同時に「第1回のカクヨムコンみたいに重複応募禁止にすればいいのに」とも思います。私は当時カクヨムに登録していないどころか、カクヨムという小説投稿サイトの存在すら知りませんでしたが、今さら最初のカクヨムコンの応募要項を確認すると、


>他サイト等に発表されている作品であっても応募を可としますが、他の公募賞に応募中の作品は、選考対象外となりますので予めご了承ください。


 と明記されているのですよね。重複応募を許可してしまうとカクヨムで応募中なのに他で受賞して「他で商業化が決まりました」みたいなことも起こり得るだろうし、そうなると先日の「お知らせ」みたいな商用利用云々のガイドラインにも関わってくるだろうし……。

 どうして「重複応募禁止」を止めてしまったのか、少し不思議です。禁止にすると「ならばカクヨムには応募しない。別の方へ出す」という方々も出てきて、応募総数も減るし、良い作品も取り逃がす可能性が高くなるから……みたいな単純な理由なのでしょうか。


 思いっきり話が逸れましたが、改めて今回の応募要項に戻りましょう。

 個人的に、もうひとつ大きなポイントは選考方法ですね。


>応募された作品の中から、読者選考によるランキング上位作品と編集部がピックアップした作品が最終選考対象作品としてエントリーされます。


 読者選考!

 私にとっては、とても苦手な言葉です。

 そもそも私のコンテスト応募は、エンジョイ勢としての趣味の一環に過ぎません。「受賞の可能性はゼロだけど、一次選考くらいは通過できたらいいなあ」というスタンスです。最近では短編コンテストに限り「もしかしたら受賞できるかも?」と真面目に一時的にガチ勢になる場合もありますが、あくまでも「場合もある」という程度。短編コンテストでも「受賞の可能性はゼロだけど」の時と「もしかしたら受賞できるかも?」の時が混在しています。しかも後者では「受賞を目指すのであれば、生半可な作品は応募できないぞ」と気合が空回りしたあまり、結局執筆できなくて応募できなかった……みたいな本末転倒も起こったりします。

 一方、今回は長編のコンテストです。あくまでも気楽に、エンジョイ勢として参加できるはず。

 しかしその場合、受賞の代わりに「一次選考くらいは通過できたらいいなあ」が目標になってきます。特に「一次選考の下読みの方々だけでも構わないから、私の作品を読んで気に入っていただけたら嬉しいなあ」という気持ちです。

 とりあえず、少なくとも選考委員の方々に読んでいただきたいのですよね。一般の読者に読んでいただくだけならば、コンテスト応募ではなく普通に投稿するだけで構わないわけです。もちろん「コンテスト応募作品だから読む」という方々の存在も加味するならば、コンテスト応募により「一般の読者」も増えるのでしょうが、その増加分はどの程度なのか……。

 選考方法として一応『読者選考によるランキング上位作品』だけでなく『編集部がピックアップした作品』とも書かれている以上、選考委員の方々もある程度は読んでくださるのでしょうが、読者選考という言葉があるだけで「もしかしたら低評価作品は足切りされて読んでもらえないのでは?」と心配になってきます。


 まあそれ以前の問題として、短編や中編ではなく長編のコンテストというだけで、今の私はかなり参加意欲が低下しています。例えば毎日3,000文字書くとしても約1ヶ月かかりますし、そもそも「毎日3,000文字」が難しそう。毎日コンスタントに書くのも大変ですが、他サイトで週3回定期更新している作品が最優先なので、もしも新規長編を始めるとしたら「毎日3,000文字」というより「週4回、1日3,000文字」程度になりそう。

 すっかり短編しか書けない体になってしまいました。


 実は1月末、カクヨムではカクヨムコンで盛り上がっていた頃、他サイトの中編コンテスト向けに、久しぶりに短編以外をひとつ書いてみたのですが……。7万文字以内という規定に合わせて「数万文字くらいになるかな?」という程度の見込みで1月20日に書き始めたら、書き終わって投稿したのが1月31日、応募締切の1時間くらい前。本当にギリギリになりました。

 ちなみに、その時の文字数は結局5万4千文字。単純にその倍と考えれば、現在の私でも長編ひとつ1ヶ月以内で書ける計算になりますが、たぶんこの「5万4千文字」は中編だからこそ一気に書けただけ。同じペースでの新規長編の執筆は、おそらく無理でしょうね。


 そんなわけで、こうして長々とエッセイのネタにしたくせに、今回のコンテスト応募には尻込みする気持ちです。とはいえ、せっかく上述の『夢』があるので、もしかしたら気が変わって書き始めるかもしれませんし、それこそコンテストとは無関係に、別の時期に書いて投稿するかもしれません。

 その時は、どうぞよろしくお願いします!

   

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