一昨日の「カクヨムからのお知らせ」に少し関連して、個人的な大ニュース!

    

 2日遅れの話題ですが、2月15日の「カクヨムからのお知らせ」についてです。

 ちょうど書くつもりだった話とも関わるので、個人的にはタイムリーな「お知らせ」になりました。


【作者の皆さまへお願い】他社からの商業打診があった場合は、カクヨム運営へご一報ください

https://kakuyomu.jp/info/entry/2023/02/15/183000


 一昨日、私がこの「お知らせ」に気づいたのは夕食後。その時点で「27分前」となっていたので、夕方6時半ごろの告知だったようです。

 内容的には、以下の2項目でした。


>他社からの商業打診があった場合は、受ける前にかならずカクヨム運営へご連絡ください


>コンテスト応募作品は、すでに選考が進んでいる場合もあるため、お早めにご連絡ください


 特に後者は、説明文に『現在選考中の第8回カクヨムWeb小説コンテストを始め』とも書かれています。もうカクヨムコンの選考がかなり進んでいるからこそ、改めて今このような告知が出たのかもしれません。

 以前のエッセイでも触れたように、カクヨムコン開始時にも同様の注意があったのですよね。その時の「お知らせ」は、以下のようなものでした。


【コンテスト応募のルールについて】カクヨムコン8に応募する前にご確認ください

https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon8_notes


 あの時のエッセイにおいて、コンテストとは無関係な一般論として、私は以下のように記していました。


> 以前にどなたかのエッセイで――あるいはその応援コメント欄で――「ガイドラインの『ご一報ください』は、実際には打診段階でなく商業化が決まってからの事後報告でも構わないらしい」という話を見た覚えがあります。


 しかし今回の「お知らせ」では、コンテスト応募とは無関係な項目の方でも、


>外部企業から書籍化やコミカライズ、ゲーム化、映像化など、商用利用に関する問い合わせがあった場合、KADOKAWA社内においても既に検討に入っている場合がございます。 連絡が来た段階で(打診を受ける前に)、かならずカクヨムお問い合わせ窓口までご連絡ください。


 という書き方になっています。

 事後報告でも大丈夫という以前の情報が誤りなのか、あるいは、今まではコンテスト応募作品以外ならば事後報告で大丈夫だったのが今後変更となるのか。

 いずれにせよ、これからは『連絡が来た段階で(打診を受ける前に)かならず』が徹底されるのでしょうね。


 そもそもこれらは、カクヨムのガイドラインにのっとった話です。


>外部企業から出版やゲーム、映像など商用利用に関する問い合わせがあった場合

>KADOKAWA社内においても既に検討に入っている場合がございます。まずは運営までご一報ください。該当部署に確認の後ご連絡させていただきます。


 このようなガイドラインの存在自体は、改めて注意されるまでもなく、私も早くから知っていましたが……。

 元々これを見た時まず思ったのは「自分には全く関係ない話だ……」ということ。

 外部企業から商用利用の声がかかって、しかもKADOKAWAでも同様に検討されるというケース。それを想像してみると、私の頭に浮かんできたのは「複数の出版社で同じ投稿作品を取り合う」という様子でした。

 大岡裁きで二人の母親が一人の子供を引っ張り合う……みたいなイメージでしょうか。投稿小説でそんな目に遭うのは、よほどの人気作品だけですよね。

 私もWeb小説の投稿を始める前には「もしかしたら自分は凄い人気作品を書けるのではないか」と、根拠のない自信を感じたりもしましたが、いざ投稿を始めればPVや評価の少なさに打ちひしがれ、すぐに現実を理解します。

 特に私の場合、カクヨムに来る前に半年間「小説家になろう」の方を使っていたので、カクヨムに来た時点で――上記ガイドラインを見た時点で――既に現実を思い知らされていました。

 だからこそ「自分には全く関係ない話」と思ったわけです。


 しかし。

 よくよく考えてみれば、大岡裁きみたいに複数の出版社で作品を取り合うという私のイメージは、かなり極端な例に過ぎません。

 書籍化に限定するのでなく「商用利用」全般に適用されるのであれば、それほど「全く関係ない話」ではないかも……?


 というのも。

 既に近況ノートの方で報告したので、このエッセイを読んでいる皆様の中にも、御存知の方々がおられるでしょうね。

 その近況ノートの記事タイトルは「他サイト経由で書籍に収録されるため『無害な殺人鬼 ――私と彼は似て非なるもの――』を削除しました」。

 私の書いた短編小説の一つが書籍に収録されるのです。

 紙媒体の本に小説が掲載されるのは初めての経験であり、とても嬉しい出来事です!


 以前に「5分で読書」についてのエッセイ記事で『他サイトの似たようなシリーズ』として比較言及した「5分シリーズ」。その新刊です。

 あの時のエッセイでも記したように、主に「エブリスタ」の短編コンテスト受賞作品を収録しているシリーズです。今回の私の作品も、昨年1月に結果発表されたコンテストで「超短編賞」という賞をいただいていました。

 ただしこれも以前に記した通り、カクヨムの「5分で読書」コンテストとは異なり、受賞したからといって必ずしも収録されるとは限りません。私の大雑把な計算では、だいたい1/4くらいの確率。

 そこに入れたのですから、本当にラッキーな話です!


 カクヨムの「5分で読書」同様、児童書に分類されているシリーズです。そうした書籍に収録される可能性もあるコンテストだと知った上で応募していましたが、あくまでも「知っていた」だけ。そもそも受賞なんて自分には縁遠い話と思っていましたし、テーマが与えられる短編コンテストに何か書いて応募するのは、カクヨムでいえばお題をくださる自主企画とか、春のKACイベントとかに参加するのと似たような感覚でした。

 新作執筆でなく手持ちのストックの中からテーマに合致するものを投稿して応募する場合もありましたが、それも「せっかくだから応募しておこう」くらいの気持ち。あちらのコンテストでもカクヨムコンみたいに「コンテスト応募作品だから読んでいただける」というのは結構あるようなので、ならば何でもない時に投稿するよりはコンテストにかこつけて投稿した方が純粋に読まれやすくなるはず。

 その程度の感覚で参加していたコンテストなので、特に「児童向け」を意識して書いたつもりはありませんでした。むしろ受賞して初めて「そういえば児童書収録も意図したコンテストだったな」と思い出したくらいです。ふとそれを意識したのが、受賞作品の講評をいただいた中で『善悪の境界線が曖昧になる』と書かれているのを見た時でした。

 ハッとしました。

 例えばカクヨムの「5分で読書」の場合、コンテスト説明で朝読について言及されていますよね。私には子供も孫もいないので具体的な朝読のシステムは全くわかりませんが、でも「学校でわざわざ時間を割いて読書をする」と聞くと、国語や道徳の時間に物語を読むような姿を想像してしまいます。

 まあ国語や道徳の時間そのものではない以上「登場人物の心情を述べよ」「作者は何を訴えたかったのか」みたいな問題は出ないでしょうけど、でも読んだ子供たちそれぞれが似たようなことを自然と考えさせられる内容の方が、わざわざ読むに値するはず。それならば「何が善で何が悪か」みたいなテーマは、題材として適しているかもしれない。編集側にそう受け取ってもらえたら、朝読でも使われるような児童書に収録されやすくなるのではないか……。

 受賞した時点で、そんな想像をしてしまったのです。

 元々児童向けに書いたわけではないけれど、結果的に児童向け要素もあったかもしれない。それがプラスに働いて、児童向け短編集に収録されるかもしれない。そんな期待ですね。


 そもそも「元々児童向けに書いたわけではない」どころか、このコンテスト応募用に書いた作品ですらなく、いわゆる使い回しでした。

 元々は「Prologue」という小説投稿サイトへの投稿用で……。

 約一年半くらい前に、他サイトとの比較みたいな話題として、このエッセイでも「Prologue」については簡単に説明しましたね。

 他の小説投稿サイトとは大きく異なる点として、キャッチコピーどころかあらすじ欄も存在しない。代わりに作品一覧などでは、作品冒頭の数十文字が表示される仕様です。今ではカクヨムでも「ちょい読み」機能が導入されていますから、それと少し似たような感じでしょうか。実は私はカクヨムの「ちょい読み」機能を使っていないので、そちらの実態を把握していないのですが。

 また「Prologue」はジャンル分けも独特で、ファンタジーとかSFとかではなく、例えば「感動的な結末」「驚きの展開」「心に染みる物語」など。だから以前のエッセイの中で私は、


> これでは、読者としては、現実世界の物語のつもりで読み始めたら異世界ファンタジーだった、ということもありそうです。読者から「騙された!」と思われないためには、部分的に表示される冒頭で、それっぽい内容を示しておくべきなのでしょうね。例えば、一行目で魔法の話をし始めるとか。


 と書きましたが……。

 今回書籍に収録された短編は、まさにその「最初の部分で世界観をさりげなく説明するために魔法の話に触れる」というのを実行した作品でした。執筆当時は、あくまでも「Prologue」対策だったのですが、今となっては、これも結果的にプラスになったのかな、と想像しています。

 ふだん利用している小説投稿サイトには、あらすじとかジャンルとかを表示する項目がある。読者としての私はその辺りをよく見ずいきなり本文を読む場合も多いくせに、いざ作者側になると「ジャンルやキーワード、あらすじなどに書いておけば読者は見てくれるはず」と甘えてしまう。

 一方、Web小説ではなく書籍に収録された短編を読む場合。単著の長編ならば作品ひとつだから裏表紙あたりにあらすじもあるかもしれませんが、特に短編集となれば話は別ですよね。あらすじなんて全くなかったり、あるとしても冒頭の一編だけ――多くても数編――だったり。

 そうなると、短編集収録の作品を読む場合、読者は「ジャンルやキーワード、あらすじなど」に相当する事前の情報は一切抜きにして、いきなり作品本文を読むことになる。それこそ「現実世界の物語のつもりで読んでいったら異世界ファンタジーだった」というケースも起こり得る。そこで読者に「思ってたのと違う!」と失望されないためには、読み始めの冒頭部分で「これはどういう世界観の物語なのか」を示す必要がある……。

 完全に後付けの理屈になりますが、短編集の書籍に収録されることを意識した作品ならば、一般的なWeb小説以上に冒頭部が重要になるのではないか。もちろんWeb小説でも書き出しは重要ですが、短編集の収録作品ならばもっと重要ではないか、ということ。いざ自分の作品が書籍収録される頃になって、今更ようやくそれを考えたわけです。


 まあ「今更ようやく」という言い方をしてしまうと何だか手遅れっぽいですが、何か気づいた点があるならば、今後の執筆の中でも意識できるはずで……。

 児童向けとか短編集収録とかの可能性を考えるのであれば、例えばカクヨムでも「5分で読書」がありますよね。今後も「5分で読書」のコンテストは開催されるだろう、と期待しています。

 どこまで実行できるかわかりませんが、今後「5分で読書」に応募する際は、今回の作品みたいに「読み終わった後で考えさせられる内容」「冒頭で設定や世界観をさりげなく示唆する」というのを心がけたい、と思いました。


 これまでの「5分で読書」コンテストでは、私は一度も中間選考を通過したことがありません。そんなコンテストを意識するのは身の程知らずかもしれませんが、でも上述の「エブリスタ」のコンテストでもずっと、受賞の一つ二つ下の枠にすら入ることはなかった。それが同じシリーズのコンテストで27回目、通算66作品目の応募でようやく受賞。

 ならば「5分で読書」だって、いきなり受賞とか、せめて中間通過はあり得るかも……と夢を見たくなるではないですか。特に「5分で読書」ならば、受賞だけでなく中間通過作品も書籍に結構収録されるようなので、そこを目標にしたくなります。


 改めて振り返ってみると、私がカクヨムを始めたのは2019月4月1日。

 その約半年前から「小説家になろう」で「烏川 ハル」として活動し始めて、コンテストに応募したりもしていましたが、初めての一次選考通過は4月3日だったので――しかも私が発表に気づいたのはその2日後だったので――、まだカクヨム開始時点では「一次選考も全く通過できない」という状態。受賞どころか一次通過すら、目標というより夢みたいな話だったのですね。

 それがカクヨムで活動し始めた1年目に、いくつか一次選考を通過できるようになり、2年目には「ステキブンゲイ」で三次選考まで通過した作品もありました。

 カクヨムを使い始めて2年目といえば、新しく開設される小説投稿サイト「ノベリズム」からラノベ執筆の依頼をいただき、契約を交わした上で、商業作品としてWeb連載をスタート。その作品のWeb広告も作っていただけて、それがカクヨムロイヤルティプログラムの広告表示でもWeb広告の一つとして出てきた、という貴重な経験もありました。

 カクヨム3年目には、カクヨム以外のコンテストで短編の受賞が2回(2021年9月と2022年1月)。4年目の今年度にも、同じくカクヨムの外で短編が1回受賞(2022年9月)。3年目に受賞した2作品は、一年ちょっと後に片方が電子書籍に収録されてYouTubeでドラマ化、もう片方が今回の話、つまり紙媒体の短編集に収録。

 こうして具体的に挙げていくと、カクヨム登録時の私から見れば、どれも非常に羨ましい出来事ばかり。特に「Webで商業連載」「電子書籍収録&ドラマ化」「紙媒体の短編集に収録」あたりは、自分で言うのも何ですが、昔の私から見ればまさに夢のような出来事。カクヨム登録当時の私だったら、そういう話にも詳しくないので「商業連載や書籍収録ということは書籍化? 書籍化作家?」と誤解してしまうかもしれません。

 また、現実的な目標でなく夢見る程度に過ぎないとしても、書籍化や書籍収録というのは比較的想像しやすいケース。しかし自分のWeb連載小説のWeb広告を目にしたり、自分の短編小説がYouTubeでドラマ化されたりというのは、そんな想像の範囲外ではないでしょうか。こういう明後日の方向の出来事も起こるのが小説執筆という趣味であり、だからこそ執筆活動は面白い、と改めて感じます。

 世の中には「好きこそ物の上手なれ」とか「下手の横好き」とかの言い回しがありますが、おそらく私の執筆活動は前者よりも「下手の横好き」の側。そんな私にもこれだけ色々起こるのですから、たとえ今は何の兆候もない方々であっても、何年か書き続けるうちには予想もしなかった話が舞い込んだり、それこそ書籍化デビューなさったりするのでしょうね。


 本当に、自分としては高いところまで来られた気がします。さすがに書籍化作家は今の私から見ても雲の上の存在であり、趣味の執筆活動としては、今いる辺りが天井になりそう。

 でも私は結構、欲張りです。上を目指せないならば、その分代わりに横を目指したい!

 上述の「Webで商業連載」「電子書籍収録&ドラマ化」「紙媒体の短編集に収録」は全てカクヨムとは無関係な話ばかりですが、私の活動のメインはカクヨムのつもりです。「自分としては高いところまで来られた」というのも、全てカクヨムで研鑽を積んだおかげ……という言い方をすると綺麗事っぽいですが、これは私の本心。例えば有意義な応援コメントをいただいたり、ためになるエッセイを読ませていただいたり、ただ楽しめるだけでなく、私が利用している小説投稿サイトの中で一番勉強になるのもカクヨムだと感じているからです。

 ならば、せっかくカクヨムをメインに活動している以上、カクヨムでもハッキリとした成果を出したくなるではありませんか。つまり、どんな小さなコンテストでもいいからカクヨムで受賞したり、カクヨム発の書籍に収録されたりしたい。……という意味での「横を目指したい」という気持ちです。

 だからこそ余計に、上述のように「5分で読書」を目標にしたい、と思ってしまうのでしょうね。「書籍化作家は無理」となると、書籍化前提の長編や中編のコンテストではなく、狙いは短編コンテストになってきますから。


 また「5分で読書」といえば。

 ちょうど今月と先月にも新刊が出版されるようですね。12月くらいにTwitterか何かで、作品収録について報告しているカクヨムユーザーがおられました。

 それを見て、とても羨ましくなりました。単純に「書籍収録が羨ましい」とは少し違う意味で。

 別の出版社の短編集だけど、同じような時期に発売される本に私も作品が収録される。でも情報解禁がまだなので、私は公言できない! これがKADOKAWAだったら、こんなに早く情報解禁なのか!

 ……という意味での「羨ましい!」でした。

 書籍化であれ短編集収録であれ、話が決まってから情報解禁までの間って、おそらく誰もが「早く言いたくてうずうずする!」という時期がありますよね? 今か今かと解禁日を待ち遠しく思う気持ちです。

 例えば今回の私の場合、この「待ち遠しい」という期間の間に「公言できるようになったら、こんな形で近況ノートで報告しよう。こんな形でプロフィールに書き加えよう」などと、あらかじめ下書きみたいなものを用意していたくらいです。

 また、待ち遠しさのあまり、出版社のホームページも頻繁に眺めていました。「5分シリーズ」で検索すると発売予定の新刊もリストに出てくる、と私が気づいたのが12月23日。その時点で――正式決定ではなくあくまでも「予定」ですが――発売予定日も記載済み、ただし作品タイトルには「(仮)」とついていて、表紙画像は未表示。そこから毎日のようにチェックしていたら、2月2日に見た時には「(仮)」が消えて、表紙画像も掲載。「いよいよ発売が近づいてきた」と興奮も高まりました。まだ一ヶ月近くあるというのに。

 そもそも、そうやって頻繁にチェックしたからといって、何も早くならないのですよね。理屈の上ではわかっているのですが……。

 それほど「待ち遠しい」という話でした。

 ならば、情報解禁が早い出版社って、それだけでも素敵です。上述の「自分のメインはカクヨムだから」みたいな気分的な理由だけでなく、KADOKAWAの実利的な魅力を新たに見つけた格好になり、いっそう「カクヨム発の書籍に収録されたい」という気持ちも強くなりました。


 また、情報解禁を待ち遠しく思う気持ちに関しては、特に今回の私の場合「できれば1月中に皆様にご報告したかった!」という想いもありました。

 なぜ「1月中」かというと、それがカクヨムコン期間中だから!

 ほら、以前に記したように「商業作品っぽいのもあります」という実績アピールとして、私は今「読者へのメッセージ」欄を利用しています。あそこで「5分シリーズ」に収録される件を告知すれば、読者の方々が私の作品をひとつ最後まで読み終わるたびに、それが目に入るはず。

 特に今年のカクヨムコンでは、私の目標の一つに「『5分で読書』のレーベルに短編を読んでもらいたい」というのがありましたからね。作品ラストに「別の出版社の似たようなシリーズに作品が収録されています!」と記載できれば、少しはアピールになるかもしれない。

 そんな考えもあったのです。でも情報解禁が遅かったために、その計画は幻となりました。一応まだカクヨムコンの選考期間そのものは終わっていませんが、カクヨム側が選考の意味で読むのがギリギリになるとは思えませんし、もう読まれた後の可能性も高いですよね?

 上述のように12月23日に出版社のホームページで発売予定日を知った際「1月ではなく2月末なのか! ならば情報解禁も2月だろうから、もうカクヨムコンには間に合わない!」と残念に思ったほどです。

 ……という書き方をすると少し大袈裟でしょうね。とりあえず作品ひとつ書籍に収録されるだけでも十分に幸せなはず。それ以上を望んだら「贅沢言うな!」と怒られそうです。

 私の中でも実際、自分自身に対して「贅沢言うな!」という気持ちがあります。でも同時に「せっかくの機会だから、思いっきり欲張って贅沢も言いたくなる!」という気持ちも。相反する感情があって、心の中で天使と悪魔が喧嘩している、みたいな感じになっています。


 まあそんなわけで。

 どんどん話が逸れていくので、そろそろ最初のところに戻すと……。

 商用利用に関するガイドラインの話です。


 最初の方で述べたように、あれは本質的には、作品の取り合いが発生する場合のため。人気長編の書籍化を想定して作られたルールだろう、と想像しました。

 ちょこっと運良く他社の短編集に収録される程度の作品ならば、KADOKAWAとしては目にも入っていないでしょうし、それを律儀に連絡したところでカクヨム側の手間を増やすだけ。「そんなものいちいち報告してくるな!」と思われるかもしれません。

 しかし、たとえカクヨム側にどう思われようと、れっきとした「商用利用」ですからね。ルール上はカクヨムに報告しても問題ないどころか、むしろ報告すべき案件のはず。

 私としては、このガイドライン関連でカクヨムに報告する機会なんて二度とないだろうし、二度と出来ない経験ならば、その機会を逃したくない。せっかくなので報告しておこう、という気持ちでした。

 連絡後どれくらいで返事が来るだろうか。返事はどんなフォーマットだろうか。それを知ることが出来るのは今だけ、という野次馬根性みたいな好奇心です。

 まだ当時は一昨日みたいな「お知らせ」は出ていませんでしたが、ガイドラインが「商用利用に関する問い合わせがあった場合」という書き方だったので、カクヨムへの連絡は、情報解禁を待つことなく「問い合わせがあった」つまり打診を受けた段階でおこなっています。

 その時点では、本当に「二度と出来ない経験」「最初で最後だろう」と思っていました。他にも短編コンテストで受賞した作品はあるものの、それらは書籍収録などとは無縁のコンテストだと思っていましたからね。


 しかし、その後、11月下旬。11月23日のエッセイで記したように「以前に『ステキブンゲイ』の短編コンテストで受賞した作品が電子書籍に収録されていた」という出来事が発生しました。

 販売価格は50円なので無償に近いけれど、それでも有料の電子書籍である以上、一応は商用利用に相当するはず。これもまた「そんなものいちいち報告してくるな!」と思われそうだけど、こちらは打診どころか既に販売されているし、「5分シリーズ」の方だけ報告してこちらをしないのは、なんだかダブルスタンダードな気もする。

 そう考えて、販売後の事後報告になりますが、同様に連絡を入れておきました。


「ステキブンゲイ」の電子書籍の一件は「私自身が知らないうちに電子書籍に収録されて、販売されていた」という話なので、かなり特殊なケースでしょうね。「二度と出来ない経験」と思ったのに「意外な形で二度目が早速」というオチがついた格好です。

 これもまた「Webで小説を書いていると時々、本当に予測のつかない事態も起こる」「だからこそ執筆活動という趣味は面白い」と改めて感じる機会になりました。

   

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