カクヨム健全化の方向へ!(前編)
本日お昼頃、以下のような「お知らせ」が出ていました。
【重要】投稿作品のタイトル、キャッチコピー、あらすじ等で過度に性的な表現を使うことはお控えください
https://kakuyomu.jp/info/entry/2022/12/20/120900
カクヨムで色々な方々の近況ノートやエッセイなどを拝見すると、前々から「エロで釣ろうとするタイトルやキャッチコピーが多すぎる」「全年齢対象のはずのサイトトップにもそうしたタイトルやキャッチコピーが表示されて、これでは子供にカクヨムを見せられない」という不満を書いている方々が結構おられました。
中には「改善するよう運営に要望を出しているけれど、取り上げてもらえない」という嘆きもありましたが、ようやくその要望が通ったようです。
特に子供のおられるユーザーにとっては、自分の趣味活動の場が「子供に見せられないもの」だとしたら、耐え難き苦痛かもしれませんね。私自身は子供も孫もいませんが、それでも「エロで釣る」という風潮は、個人的に好きではありませんでした。
とはいえ、私自身R15作品も投稿していますし、あくまでも「なんとなく好きではない」というだけで、今まで特に理由を考えたこともなく……。
これを機会に、自分自身の趣味嗜好について改めて考えさせられたのですが、とりあえずその前に。
今回のお知らせにある通り『過激な単語や表現に関しては、今後運営側で何らかの対応を講じさせて頂く』というのは、カクヨムが健全化の方向へ進むようで、私は大賛成です。
万歳!
……と終わったら毒にも薬にもならないエッセイなので。
先ほどの「改めて考えさせられた」も含めて、かなり頓珍漢な話になるでしょうが、色々と勝手に思ったことを書いてみます。私の性格の悪さが滲み出るエッセイになるかもしれませんけど。
まず今日のお知らせを見た瞬間に思ったのが「なぜ今、この告知が出たのか?」という点でした。
時期としては、カクヨムコンの真っ最中ですよね。今日のお知らせにも『ただしタイトルやキャッチコピーは、ランキングや新着欄への表示などで、多くの人の目に触れる可能性があります』と書かれていたように、カクヨムコンのおかげで「ランキングや新着欄で人目につきやすいよう、さらに過激になるかもしれない」という懸念があったので、とうとう「お控えください」になったのではないか。
そんなことを想像しました。
そこまでは誰でも考えそうな、それなりにまともな考えだと思うのですが……。
次に頭に浮かんだのは、自分でも「これは穿った見方かな?」と思うような内容です。
何かというと、
>そのような場所に過度に性的な表現が増えていくことは、青少年の文化促進や一般社会への創作普及にも力を入れているカクヨムとして、望ましくない事態であると考えています。
この部分が少し綺麗事に見えてしまったのですね。
もちろん本気で「青少年の文化促進や一般社会への創作普及」というのはあるにしても、純粋な気持ちではなく少し打算も入っているのではないか、という想像です。
打算というのは、商業的な話ですね。カクヨムは……というよりKADOKAWAは出版社。本を売る仕事をしているわけで、その顧客層が一番大切なはず。
先ほど「特に子供のおられるユーザーにとっては」という言葉を使いましたが、そうした方々は「顧客層」として凄く重要なのではないか、と想像してしまいました。
なぜそんなことを思ったかというと、前にどこかで「紙の本は売れなくなっているけれど児童書は例外的によく売れている」というのを見た覚えがあったからです。
あくまでも「見た覚え」だったので、曖昧な記憶の確認のため、改めて「本 売り上げ 児童書」で検索してみました。
すると検索画面の1ページ目だけでも、
>少子化が進行するなか、児童書や学習参考書は毎年手堅く売れている
>児童書が大きな売上増
>苦しい紙の本、児童書は堅調
>絵本市場のいま 少子化でも売上好調な理由とは?
>長引くコロナ禍で「子ども向け歴史本」の売上が急増した理由
という言葉が目に入りました。まあ下2つは「児童書」とは違いますが、子供向けという大きな括りでは同じはず。
逆に、
>このデータでみる限り、書店での児童書の売上げは、たった8年間足らずで4分の3になってしまった
というのもありましたが、その記事をクリックして本文を読んでみたら1999年の記事でした。
そんなわけで、やっぱり今は児童書がよく売れているようです。なお、私はこの分野に詳しくないので大雑把に「児童書」という言葉を使ってしまいましたが、以前に「『児童書』『児童向け』『児童文学』は微妙に意味が異なる」みたいな話も聞いた気がします。それぞれ対象年齢が違う、みたいな話でしたが、そのあたりの対象年齢は全て引っくるめて、ここでは「児童書」「児童向け」という言葉を使っています。
そして、この「対象年齢」というのが一つのポイントです。ある程度の年齢になれば子供自身で本を買えますが、それより下の年齢の場合、本を買うのは子供ではなく親御さんの方ですよね。いや、ある程度の年齢になっても「自分で買う」以外に「大人からプレゼントされる」もあるでしょう。
そうなると「子供のおられるカクヨムユーザー」というのはKADOKAWAにとって大切なお客様でしょうし、そうした方々の意向を強く反映するのは当然。
そんな穿った見方も頭に浮かんでしまいました。
なお、この「穿った見方」が少しでも真実に掠っているのであれば、今後カクヨムは今まで以上に児童書のような方面に力を入れるかもしれない、とも想像できます。
カクヨムで児童書関連というと、例えば角川つばさ文庫小説賞はカクヨムからも応募できますよね。ただし「カクヨムからも応募できます」なので、作品編集ページのコンテスト応募欄で選択するのではなく、タグ欄に応募キーワードを記載する方式です。
「コンテスト応募欄で選択」ならば作品編集ページを開くたびに目につきますから、個人的には、その方がカクヨムからも強く推されているように感じてしまいます。
カクヨムでは例えばスニーカー大賞みたいに、第26回はコンテスト応募欄で選択、第27回はタグ欄に応募キーワードを記載というように、年によって応募形式が異なるコンテストもあるくらいです。もしかしたら角川つばさ文庫小説賞もそのうち「コンテスト応募欄で選択」になるかもしれませんね。
まあ角川つばさ文庫小説賞を例に挙げるまでもなく、カクヨムで児童書関連といえば「5分で読書」シリーズもありますよね。しかも、それを出しているレーベルのカドカワ読書タイムが今回のカクヨムコンに参加という話が「短編賞通信 vol.3」という形で告知されましたし、その中で実際に「5分で読書」シリーズについても言及されていました。
この「『5分で読書』のレーベルがカクヨムコンに参加する」という話も、私が「今後カクヨムは今まで以上に児童書のような方面に力を入れるかもしれない」と考えた一因なのでしょうね。
あくまでも勝手な想像ですが、本当に「今まで以上に児童書のような方面に力を入れる」というのであれば、手っ取り早く書籍化や書籍収録を狙うにはそうした作品を書けばいい、という話になります。
以前に少し述べたと思いますが、私自身は児童向け作品に興味あるものの、実際にはまだ書いてはいません。それでもカクヨムがその方向性で動いてくれたら嬉しいな、とは思ってしまいます。
自分では書いていないくせに、何故そう思うのだろう? そこを自問自答すると、冒頭の「『エロで釣る』という風潮は、なんとなく好きではない」に行き当たるのでした。
……長くなったのでこの辺りで一旦区切って、続きは後編で。
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