本日9月28日の「カクヨムからのお知らせ」を読んで ――秋になったのでカクヨムコンの告知!――

   

 カクヨムの四季というと、皆様は何を思い浮かべるでしょうか。

 まずカクヨム最大のイベントとして、冬のカクヨムコン。春はカクヨム誕生祭、夏はカクヨム甲子園というのが私のイメージです。ただしカクヨム甲子園は、私自身は参加できませんけどね。

 そうなると、残るは秋。このエッセイの目次だけ振り返ってみてもわかる通り、だいたい毎年9月下旬にその年のカクヨムコンの応募要項が発表されるようなので、それがカクヨムの秋なのだろう、と私は思っています。


 そんなわけで、本日の「カクヨムからのお知らせ」はカクヨムコンの告知でした。


【2022/12/1~2023/1/31募集】第8回カクヨムWeb小説コンテスト 応募要項を発表しました

https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon8_announcement


 お知らせ本文では「カクヨムWeb小説短編賞2022」についても触れられていますが、お知らせタイトルとしては「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」のみ。当たり前ですが、カクヨムコンのメインは「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」つまり長編の方なわけです。

 私は去年、長編の方は出さず短編の方だけでした。どんなコンテストであれ、私が応募する動機の一つとして「受賞どころか一次通過も無理だとしても、一次選考の審査のために選考委員(下読み審査員)に読んでいただけるならば、少なくともその一人は読者が得られる」というのがありますが、カクヨムコン長編では、それが期待できません。去年だか一昨年だったか忘れましたが、Twitterのカクヨム公式アカウントで「カクヨムコン長編の一次選考は完全に読者選考。編集部が読むのは中間通過した作品のみ」と明言されましたからね。中間通過できる自信が全くない私の場合、カクヨムコン長編に応募しても読んでいただける可能性がゼロならば、応募していないのと同じ!

 もちろん、カクヨムコンに応募したことで「『応募作品を読む』というカクヨムユーザーの目に留まる可能性」はあるでしょうから、その意味では「応募していないのと同じ」は少し言い過ぎになりますが……。


 ともかくそんな感じで、今年も「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」には応募せず「カクヨムWeb小説短編賞2022」だけ出すつもり。だから今回の告知も半ば他人事として眺めていました。

 でも「他人事」な視線でも面白そうなことが書かれているのですよね。

 まず興味深いのは、今日の「お知らせ」ページの中で「第8回の主な変更点」が列挙されていること。いちいち「特設ページ」や「応募要項」まで見に行かずとも大事な点がわかるようになっているのですから、これは親切な仕様ですね!

 引用してみると……。


>選考参加編集部・レーベルが総数40に増加しました。

>第7回の募集部門「キャラクター文芸部門」を「ライト文芸部門」に改めました。

>「エンタメ総合部門」「カクヨムプロ作家部門」を新設しました。

>賞・賞金として「カクヨムプロ作家部門関連賞」を追加しました。

>短編賞の募集部門を『エンタメ短編小説部門』『「令和の私小説」部門』に改めました。

>短編賞の賞・賞金として「G’sこえけん特別賞」を追加しました。


 カクヨムコン長編で受賞して作家デビューを目指そうと真剣な方々にとっては、参加レーベルの増加は重大なニュースなはず。でも野次馬根性で見る限りは、あまり面白くもなく……。

 部門名の変更なども、些細なこと。毎年の恒例行事のように感じてしまいます。

 それよりも目を引いたのはこれ。


>「エンタメ総合部門」「カクヨムプロ作家部門」を新設しました。

>賞・賞金として「カクヨムプロ作家部門関連賞」を追加しました。


 どうやらプロ作家専門の枠が出来るようです。

 もちろん私はアマチュアですし、プロ枠が出来てもそこに入るわけじゃないので無関係ですが、でもプロ作家がプロ枠に隔離されてアマチュアはアマチュア同士で勝負できるコンテストになるのであれば、それはアマチュアにとっても重要な改善点ですよね?

 ……と考えると同時に「どうせ『プロ作家がプロ枠に隔離』とは少し違うのだろう」とも思いました。

 そもそもプロ枠云々を興味深く思ったのは、他サイトのコンテストでも最近それっぽい話を見たからです。

 いや「最近」といっても一年前なのですけどね。このエッセイでも「カクヨムコンと同時期で同規模」という理由で何度も比較言及している「小説家なろう」のネット小説大賞です。前回のネット小説大賞において「商業出版されたけれど途中で打ち切りになった(出版社が権利も手放した)作品のみが対象」という「セカンドチャンス賞」が新設されていたのです。

 そのシステムだと、プロ作家の方々は「商業出版されたけれど途中で打ち切りになった(出版社が権利も手放した)作品」だけをセカンドチャンスに応募。プロ作家の作品でも、まだ商業化されていない作品は普通にアマチュアと同じ一般枠に応募。だから「プロ作家がプロ枠に隔離」には全くなりません。


 とりあえず、他サイトの大きなコンテストでそんな先例があることだけは知っていたので「カクヨムも似たようなシステムだろうか。あるいは全く別の画期的な新システム?」という点に興味を抱いて、特設ページまで見に行ってみると……。


>歴代のカクヨムWeb小説コンテスト受賞者、及びカクヨム発の書籍化作家(こちらに掲載されており、発売日が2022年9月30日までの単著作家が対象。アンソロジー収録作家は対象外)は、この部門のみ参加可能。ジャンル不問で作品を募集し、厳選された応募作品による頂上決戦を行います。


 おお! これは面白い!

 まず些細な点として、単なる「プロ作家部門」ではなく、あくまでも「カクヨムプロ作家部門」だということ。カクヨム関連の「プロ作家」のみですね。

「歴代のカクヨムWeb小説コンテスト受賞者、及びカクヨム発の書籍化作家」という言葉を見て、一瞬「『歴代のカクヨムWeb小説コンテスト受賞者』は全て『カクヨム発の書籍化作家』に含まれるのでは?」と思ってしまいましたが、おそらく「受賞したけれど書籍化されなかった(まだされていない)」という方々もおられるのでしょう。そうした方々も「カクヨムプロ作家」という扱いになるわけです。

 そして重大な点は、これ。「……は、この部門のみ参加可能」と書かれています。つまり、一般の部門には応募できない!

 ならば、これこそ隔離枠ですね。プロはアマチュアが応募する部門に応募できないようになったわけです(上述のようにプロ全般でなく「カクヨムプロ作家」限定ですが)。


「どうせ『プロ作家がプロ枠に隔離』とは少し違うのだろう」などと思ってしまい、失礼しました。どうせ無理だろう、と思われることを実現させるカクヨム、やはり凄いです。

 ただし今回『カクヨムプロ作家部門は、読者選考の評価にかかわらず最終選考にノミネートされます』とも書かれているので、実際は「隔離枠」というより「シード枠」みたいな感じでしょうか。カクヨムプロ作家ならば無条件で中間選考に通過できるというシステムです。

 先ほど「カクヨムコンでは中間通過作品のみが編集部に読まれる」と書きましたが、それとも関連しているかもしれませんね。もしかすると「読むのは中間通過作品のみ」というルールのまま「でもプロの作品は必ず編集部も目を通しておきたい」と考えて、新しく「プロの作品は無条件で中間通過」という制度を作ったのかもしれません。


 いやあ、自分とは関係ない話なのに、色々と考えてしまいました。

 というより、自分とは関係ないからこそ、こうして勝手に想像するのが楽しいのでしょうね。

   

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