カクヨムコン(2020年)私の参加状況(その6) ――わんちゃん大行進ではないですが――

   

 約2週間ぶり、今年初めての小説投稿でしょうか。今朝見た夢を元ネタにして、短編を書きました。


『コロナ禍の海水浴場』

https://kakuyomu.jp/works/1177354055637078446


 怖い夢でした。

 途中までは、友人と一緒になって他人を襲う、という内容。優しく穏やかな友人が突然サイコパスになって、知らない人を殺そうとするのです。もちろん私は止めるべきなのですが、止めようとしたら私も殺されそうなので、一緒になって加害者側に回るという……。殺されるかもしれないという恐怖と、殺す側に加担しなければならないという恐怖と、二重の意味で怖い夢でした。

 今になって考えてみると、こんな夢を見た理由の一つは、寝る前に読んだ小説の影響かもしれません。横光利一の『機械』という作品です。その中の「三人で殴り合いをする」という場面が、この夢に繋がったのでしょう。

 昔の文学作品って、改行の少なさや言葉遣いなどの点では読みにくいはずなのに、でも読みやすいから不思議ですよね。たまにカクヨムでも「文字がギュッと詰まっているのにスラスラ読めてしまう」という小説に出会うことがあります。そういうのが名文なのだろうと思いますし、私の理想です。


 話が逸れましたが。

 夢としては、夢であるが故の支離滅裂な部分もあって、途中から、なぜか私はトイレの中でした。そして、このトイレの中でも、また私は怖い目に遭うのです。

 その恐怖体験の途中で、目が覚めました。


 起床直後は、最初の友人のくだりも含めて、ホラー短編に仕立て上げるつもりでしたが……。ちょっと話が散漫になる、と感じて、とりあえず後半部だけで短編にしてみました。前半部も含めると「よくわからないが故の恐怖」となり、それは私にとって「書きたいけれど上手く書けない」という部類のホラーになります。

 でも後半部の恐怖は、逆にスッキリしていて、いかにも「よくある私の短編」という感じ。むしろこれを「ホラー」と言っていいのか心配になるほどですが、もともと怖い夢でしたから、一応「ホラー」として投稿しました。コメディホラーという感じでしょうか。

 一応、小説として仕上げる上で、微妙に伏線を仕込みましたが、どうなのでしょう? 読者に全く気づかれない、というのも悲しいですが、あからさま過ぎてオチがバレバレになる、というのも短編としては致命的ですよね。その塩梅あんばいが難しいところです。


 なお、この時期に投稿した短編なので、もちろん「カクヨムWeb小説短編賞2020」へ応募しておきました。

 これで今年の私のカクヨムコン応募数は、長編が9作品、短編が101作品。100作品の時は「ついに3桁の大台に乗りました!」という独特の感慨がありましたが、101という数字でパッと頭に浮かんだのは「犬が大行進しそう!」でした。


 カクヨムコン短編といえば。

 前回つまり「カクヨムWeb小説短編賞2019」では、中間選考通過した2作品のうち片方が、やはりトイレに関する夢を元ネタにした短編でした。ホラーではなくSFの『ある朝トイレに入ったら便器がきれいに消えていた』です。

 人間というものは、起床間際になると尿意を催すので、トイレが夢に出てくる確率が高くなるのかもしれません。また小説に関していえば、トイレは身近なものであるが故に、読者の共感を呼びやすい素材なのかもしれません。

 今年のトイレ短編も、読者の方々に評価されて、その結果、中間選考通過となれば嬉しい。そう思ってしまいますが、こういう欲を出すと、かえって上手くいかないものですよね。はたして、どうなることやら。

   

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