カクヨムコンの後のこと ――昨年12月25日と本日1月14日の「カクヨムからのお知らせ」を読んで――

   

 来年の話をすると鬼が笑う、と言いますが。

 カクヨムコンで盛り上がっている現在、カクヨムコンが終わった後について「あれしよう、これしよう」などと想像していたら、笑われるのでしょうか。

 そんなことを思ったのは、本日の「カクヨムからのお知らせ」に、またコンテスト情報があったからです。


 今『また』と書いたように、カクヨムを使っていると、コンテストのお知らせが結構色々と入ってきますね。例えば、カクヨムコン以降に開かれるコンテストに関しては、今日告知された『【2/21~6/7募集】第2回 ファミ通文庫大賞 開催決定!』が二つ目であり、12月25日にも『【2/7~4/1募集】「第26回スニーカー大賞」カクヨムでも開催決定!』というお知らせがありました。

 私はガチでコンテスト入賞を狙っているわけではないので、それぞれのコンテストの傾向とか細かく分析したりはしませんが……。それでも文字数が合致すれば応募したり、プロットだけだった作品を書き始めたり、それなりにコンテストをエンジョイしているつもりです。

 ですから「第2回 ファミ通文庫大賞」も「第26回スニーカー大賞」も、応募する可能性は大なのですが……。


 応募要項を読んでみると、なかなか興味深いことが書いてありました。

 これまで私がカクヨムで応募してきたコンテストとは違う、それぞれの注意点があるようです。

 今回、それについて考えていきたいと思います。


 まずは、少し前に発表された「第26回スニーカー大賞」。

 応募締切は2020年4月1日(水)となっています。カクヨムコンの最終結果発表が『2020年 5月頃 本サイトにて発表します』なので、カクヨムコンに応募した作品は、たとえ途中で落選してもまだ拘束されており、こちらには応募できません。

 つまり応募していない旧作、あるいは新作で応募するしかないわけですが、だいたい長編一つ書き上げるのに早くて一ヶ月、遅くて二ヶ月と考えれば、ちょうど良い執筆期間かもしれません。

 応募受付期間中に作品を完結させることが条件で、10万文字以上15万字以下。要するに「長すぎるのはダメ」ということですね。

 この辺りまでは「よくあるコンテスト」という感じですが……。注意すべきは、以下の二点ではないでしょうか。

 第一に、今回は『同一作品による他の小説賞への二重応募は認められません』と明記されています。このエッセイでも以前に記しましたが、カクヨムのコンテストでは、重複応募を前提とした記述がある場合が――つまり重複応募OKということが――多いので、ここは重要です。

 といっても、今までも「カクヨム主催ではないけれど、カクヨムからでも応募できるコンテスト」の場合、同様のケースはありましたから、まだこれは驚くには値しません。私が「おっ!」と思ったのは、次の注意事項です。


>カクヨム以外のサイトで公開されている作品を応募するの際には、該当する「サイト名」・「URL」を小説設定の「紹介文」に明記してください。


 複数サイト利用者が多いからこその注意事項なのでしょうね。

 ただし、今回は「カクヨムからではなくWEB応募もできる」仕様なので少し紛らわしい書き方になっていると思います。『カクヨム以外のサイトで公開されている作品を応募するの際には』というのを「カクヨム以外でWEB応募するならば、そちらのURLを記載しろ、って意味か」と思ってしまう方々も出てきそうです。

 でも、そういう意味ではないですよね、これ。『小説設定の「紹介文」に』とある以上、カクヨムにおける話のはず。


 一般的に。

 複数サイトに同じ作品を掲載する場合、「〇〇にも投稿しています」的なことを記しておくのがマナーや決まりになっていますよね。

 少なくとも私は、そう理解しています。特に、具体的に『〇〇にも』とサイト名を記載しないといけないのは「〇〇で掲載されている同一作品は、確かに私が投稿したものです。第三者が勝手にコピーしたものではありません」という意思表示なのだ、と。

 時々、ただ単に「他サイトにも投稿しています!」しか書いておられない方々を見かけると、私は「これでは意味ないだろうに……」と思ってしまうのですが、まあ、それはこの際どうでもいいとして。

 今回のポイントは「サイト名だけでなく、URLも記載する必要がある」ということ。

 想像なのですが、これって「他の小説賞への二重応募禁止」と関係しているのではないでしょうか。他サイトの同時期のコンテストにも応募しているかどうか、普通ならば調べるには一手間かかりますが、URLの記載があれば一目瞭然。そちらで作品ページを開けば「〇〇賞応募中!」みたいな表示やタグが目に入るでしょうから。

 そんな感じで、複数サイト利用者としては、これは興味深い、と感じたのでした。


 続いて「第2回 ファミ通文庫大賞」の話。

 こちらは2020年6月7日(日)まで応募できます。もう私のカクヨム利用二年目の時期となりますね。実際、一年目だった私が第一回の「ファミ通文庫大賞」に応募しているわけですが……。

 私個人のことはともかく。

 応募期間の件で重要なのは、カクヨムコンの最終結果発表である『5月頃』を過ぎている、という点。カクヨムコン応募作品の使い回しも可能ですね。読者選考があったら新作有利でしょうが、このコンテストは今年も『外部選考委員、編集部による一次選考』と書かれているので、その心配もありません。

 先ほど書いたように、私も第一回には応募しているので、今さら応募要項を見ても目新しい点はないかと思いましたが……。いくつか「あれ? 去年も、そうだったっけ?」というのが出てきました。

 まず、文字数。昨年の『10万文字以上16万字以下』に対して、今年は『本文が8万文字以上』となりました。10万以下でもOK、長すぎる分には無制限ですから、かなり緩くなりましたね。

 実は昨年も、後から「今回は約1万字程度の未達・超過につきましては許容とさせていただきます」というお知らせがありましたので、その延長だと思えば、こうした変更も納得できます。

 あと『長編、連作短編等小説の形式は不問』という記述。「あっ、連作短編でもいいんだ! それなら簡単そう!」と思ってしまいましたが、確認してみたら、これは去年の応募要項にも書いてありました。『応募受付期間中に作品が完結している必要はありません』も去年と同じ。

 ただし。

 見た瞬間に「こんなの、去年のには絶対なかったぞ!」と思った、興味深い記述が一つ。


>あらすじ部分、もしくは第一話に400~800字前後の10万字までのあらすじを記載してください。


 ほとんど私は一般公募には応募していないので、噂で聞いただけなのですが……。

 そちらではWEB小説そのままの応募とは違って、あらすじは「きっちりと最後まで書く」というのが必須らしいですね。

 WEB投稿小説の場合、あらすじを『最後まで』書いてしまうとネタバレになることが多いので、普通は思わせぶりな形で留めておくのではないでしょうか。少なくとも私は、そうすることが多いです。逆に読者として「あらすじを最後まで書いている」に出会って「この小説、あらすじ読んだらそれだけで十分だった!」と思ってしまったこともあるので、余計に「あらすじでネタバレは避ける」という主義になっています。

 しかし。

 この「第2回 ファミ通文庫大賞」に応募するのであれば、それではいけません。それこそ10万文字くらいまでを『400~800字前後』にするわけですから、それなりに詳しく書くことになるのではないでしょうか。



 ……と、まあ、こんな感じで。

 ガチ勢ではなくエンジョイ勢である私から見ても、コンテストの応募要項、なかなか面白いと思ったのでした。

 他にも、私が見落とした「ここも興味深いぞ!」という点がありましたら、どうぞコメントで指摘してください。

 このエッセイは単なる言いたい放題でしかありませんが、コメント欄も含めることで、これからコンテストに応募する方々のプラスになれば、嬉しく思います。

   

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