あらためて思う、カクヨムは「書く」だけでなく「読む」にも便利なサイトだ、と

   

 高校生の頃、国語の参考書で「他を見て己を知る」という言葉を見て、ハッとしたことがあります。当時の私は、それがかなり一般的な言い回しだとは知らなかったので、余計に感銘を受けたようです。

 今回は「小説家になろう」を使っていて、あらためてカクヨムのシステムの良い点を一つ見つけた、という話です。かなり些細な点かもしれませんが。


 さて。

 以前に記したように、私はカクヨムに来てから、作品を読む機会が増えただけでなく、皆様の近況ノートにも結構頻繁に目を通すようになりました。『近況ノート新着記事』一覧から、面白そうなタイトルをクリックしてみるのです。それをきっかけにして、今まで知らなかった作者様や作品を知ることも、何度かありました。

 昨日、「小説家になろう」の方でも『新着活動報告』(こちらの近況ノートに相当するのが「小説家になろう」では活動報告)で、記事タイトルの一覧をボーッと眺めていて……。

 ネット小説大賞に関して書かれていた記事を見つけたので、クリック。そこから、さらに「応募した」と書かれていた作品を少し読んでみました(感想としては「なるほど」という感じ)。

 そして、次の段階。ついでに、他の方々の応募作も読んでみようと思い、作品ページから小説情報ページへ。前回書いたように、あちらではキーワード欄に応募用キーワードを記入することでコンテスト応募となるシステム。だから、キーワードをクリックして、応募作品一覧に跳ぼうと考えたわけです。

 ちなみに「小説家になろう」では、カクヨムとは違って、作品ページに記載されているのは、作品名・作者名・シリーズ名と、あらすじと目次のみ。評価ポイント(カクヨムでいうところの星)やブックマーク(フォロー)、キーワード、作品ジャンルは、右上にある『小説情報』をクリックして、別ページ(小説情報ページ)に行かないとわからない仕様です。これも、あらためて考えると少し不便な点ですが……(特に作品ジャンルがわからないのは困る!)。

 ともかく。

 小説情報ページにて、応募用キーワード『ネット小説大賞八感想』を見つけて。

 それをクリックしようとして、困惑しました。

「あれ? クリックできない?」

 そう。

 確かに、小説情報ページには、その作品のキーワードがズラリと並んでいます。しかし、それは記載されているだけであって、リンクとしては機能していなかったのです!


 カクヨムでは、作品ページに記載されているタグ(キーワード)は、ただ『記載されている』だけではなく、リンクになっていますよね。だから例えば『A』というキーワードで辿り着いた作品を読んでいて、そのタグ欄で見かけた『B』というキーワード。これに興味を持ったら、ポチッと『B』をクリックするだけで、キーワード検索の結果が出てきます。

 作品ページどころか、それぞれのユーザーページの『小説』一覧でさえも、タグ欄のキーワードがリンクの形で付記されています。

 ところが。

 上述のように「小説家になろう」では、これが出来ません。あちらで同様に「おっ、こんなキーワードもあるのだな! 面白そう!」と思ったら、まず検索ページへ行って、そのキーワードを入力して、探さないといけません。

 特に今回の私の例のように、「検索ページから作品に辿り着いた」ではなく「検索ページ以外から辿り着いた」場合。「検索ページに戻る」のではなく「検索ページへ行く」という作業が必要です。

 ちなみに。

 今チラッと確認してみたら、この「検索ページへ行く」ということ自体、カクヨムの方が便利ですね。カクヨムでは、それこそ至るところで『小説・ユーザーを検索』という小窓が上部に設置されています。でも「小説家になろう」では、トップページにこそ同様の検索欄が右上にありますが、他のページでは見当たりません

 なお、検索結果のページで作品名と一緒に表示される、それぞれの作品のキーワード。これは作品ページとは違って、あちらでもリンクになっているのですよねえ。ならば、作品ページの方でもリンクとして機能する仕様にしてくれたらいいのに……。

 ただし、検索結果のページになると、上部の『小説家になろう』のロゴが『小説を読もう!』に変わりますから、それも「キーワードがリンクになるかならないか」に関係しているのでしょうか。

 あくまでも「小説家になろう」は小説家になるためのサイトであり、読むためのサイトではない、と。読む側の都合は「小説を読もう!」にお任せ、一度「小説家になろう」に入ったら、もう読む側の都合は切り捨て、と。そういうことなのでしょうか。

 まあ、そこまで考えるのは穿った見方だとしても。

 こう考えておけば、今回私が感じた不便な点も、『小説家になろう』というサイト名に相応しい仕様だと、少しは納得できるのでした。


 逆に言えば、この「キーワードがリンクになるかどうか」「様々なページから検索できる」という点だけを考えても。

 カクヨムは「書く」だけでなく「読む」にも便利なサイトだと、あらためて感じたのでした。なるほど『カクヨム』というサイト名は伊達ではないですね。


 ついでに。

 二ヶ月近く前に私が登録してみた、もう一つ別の小説投稿サイト「セルバンテス」。

 そちらでは、この「キーワードがリンクかどうか」問題は、どうなっているかというと……。

 まず検索結果のページでは「小説家になろう」「カクヨム」と同じく、キーワードはリンクになっています。そこから作品ページに行くと、もうリンクではなく表示されているだけ。ここは「カクヨム」式ではなく「小説家になろう」式。小説情報ページという形に分割されていない、という点だけは、かろうじて「カクヨム」寄りでしょうか。

 個々の作者様のページへ行くと、執筆作品一覧にキーワードが表示されているのは「カクヨム」寄りですが、それがリンクになっていないのは「小説家になろう」式。

 結局「キーワードがリンクかどうか」に着目すると、セルバンテスは「小説家になろう」と同じタイプということになります。


 そもそも。

 この「セルバンテス」というサイト名、おそらく『ドン・キホーテ』の作者『ミゲル・デ・セルバンテス』に因んだものでしょう。

 この機会にWikipediaで経歴を見てみたら、この人、それ以前にも一応は本を書いたことはあるものの、『ドン・キホーテ』で作家として成功を収めたのは(実質的に作家デビューしたのは)60歳近くになってからなのですね。

 私は子供の頃、翻訳もの海外ミステリを読み漁っていたのですが、それらの後書きで書かれていた経歴を見て「高齢で推理作家デビュー」として私の印象に残っていたのが、レックス・スタウト。でも今確認してみたら、レックス・スタウトの場合は48歳でした。

「あれ? 高齢どころか、若いじゃん!」

 そう思ってしまうのは、私が年をとったのでしょう。そう考えると愕然としましたが、まあ、それはともかく。

 私のイメージにあった高齢デビューの代表例『レックス・スタウト』と比べても、セルバンテスの60歳近くというのが、いかに高齢か、よくわかります。

 小説投稿サイト「セルバンテス」は、以前にこのエッセイの中でも書いたように、「大人のための投稿小説というコンセプト」、ただし募集しているのは主にラノベ。運営に関わっているレーベルの説明にも『大人に向けたゲーム性のある小説』という言葉が明記されているので、要するに「年をとった大人でもラノベ作家になれるよ! なろうね!」ということなのでしょう(あくまでも私の印象です)。

 そう考えたら、高齢作家デビューの先人の名前をサイト名に冠するのは「なるほど」かもしれません。そしてサイト名に作家デビューを目指す意味が込められているのであれば、システムが「小説家になろう」タイプになるのも、わかる気がします。読むためではなく書くためのサイトなのだ、と。



 以上のように。

 キーワードのリンク機能という些細な観点から、カクヨムが他のサイトより便利な点を見つけたり、サイト名が「名は体を表す」ことに気づいたりしたのでした。


 ところで。

 他にもたくさん、私が登録していない投稿サイトがあるわけですが……。例えば、パッと思いつくだけでも「アルファポリス」とか「エブリスタ」とか「NOVEL DAYS」とか。

 それらの投稿サイトでは、今回のような点、どうなっているのでしょう? 利用者の皆様、何か思うところありましたら、コメント欄で教えてください。

   

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