エンジョイ勢・ガチ勢
これまで記したように、私は、皆様のプロフィール欄を結構拝見しています。
プロフィールに明記しておられる方々も多いのですが……。
それに加えて、皆様の作品の感想欄などからも、
「本当に真剣に、プロの小説家を目指しておられる方々も多いのだなあ」
と感じることが度々あります。
私自身も、現時点でのプロフィールには、こんなことを書いています。
『子供の頃の夢は「推理作家」でした。今から約30年前、原稿用紙に鉛筆書きした短編小説を何かの賞(もう名前も覚えていない)へ応募したこともありました』
また、作品リスト『こんな作品を書いています ――自称「ウイルス作家」の執筆紹介――』の中でも「(他サイトのコンテストで一次選考を通過した作品)」という項目を作っていたりします。
しかし、以前にもチラッと記しましたが。
子供の頃の私はともかく、現在の私は、それほど激しく「プロの作家になりたい」と思っているわけではありません。
特に「自分は『真剣』ではないのだな」と強く実感したのが「小説家になろう」の「第7回ネット小説大賞」に参加した時です。
このコンテストに関しても「自主企画、大好き!」において、一次選考の話までは記しましたが……。
その続きのような形になります。
幸運にも、応募した9作品のうち3作品が一次選考を通過した私。
一次選考では、発表の二日後に結果を知る、という程度の関心しかなかった私。
一方、二次選考の結果が発表される頃には、私の意識も大きく変わっていました。
「そろそろかな?」
と、毎日のように公式サイトをチェックしていました。
「『四月下旬に発表』と書かれていたので、おそらく今日のはず……」
と、十連休の前日には、何度もサイトを訪問したくらいです。
結果。
3作品とも、全部落選でした。
応募総数が約9,400作品、一次選考通過が約1,500作品だったところから、二次選考通過は、70作品。
グッと数が絞られているわけで、ここからが本番だった、ということなのでしょう。
「これでは、自分の作品が残れずとも仕方がない」
そう思いました。
でも。
「思った以上にショック大きかったな」
というのが、一番の感想でした。
ちょうど、一次選考から二次選考まで約一ヶ月なので。
頭の中で「ジャスト一ヶ月だ。いい夢見れたかよ」と、どこかで聞いたようなセリフも流れたような気がしますが。
夢から目覚めた気分で、あらためて考えてみると……。
この『思った以上』という、ショックの大きさ。
一次選考は無関心に近かったのに、なまじ一次選考を通っただけで二次選考では「通ってくれ、通ってくれ、通ってくれ」という気持ちになってしまったのでしょう。たいした努力もせずに、ただ神頼みするような感じで。
この落差が大きかったからこそ、私は「いかに自分が真剣でないままコンテストに応募していたのか」を強く実感したわけです。
そして、カクヨムで感じる話に戻ります。
皆様のコンテストに対するスタンスを見ていて、あらためて考えてしまうのです。
「自分にとって、コンテストって何だろう?」
デビューできれば嬉しいけれど、でも「何が何でも」というほどではないし、そのために血の滲むような――昭和スポ根アニメの主人公のような――努力をしているわけでもありません。
それよりは「とりあえず応募しておけば、どうせ下読みだろうけど、最低一人は読者が増えるぞ」くらいの気持ちだと思います。
こういうのを『エンジョイ勢』と呼ぶのではないでしょうか?
エンジョイ勢は、ガチ勢からは「もっと真剣にやれ」と怒られてしまうのかもしれません。
でも一応、私にも「良い作品を作りたい」という気持ちはあります。
感想で「直すべき点」を指摘されたら、落ち込んだりもしますが、でも「これで作品を良くできる」とプラスに受け取る元気もあります。
構成から屋台骨を組み直すような大改修を指摘された時には、なかなか対処できませんが、加筆修正で何とかできる範囲ならば、善処しております。
カクヨムでも「小説家になろう」でも、感想に基づいて作品に手を加えたことが何度かあります。
それこそ、今回、例に挙げたコンテストにおいても。
公式の感想サービス――どうやら審査員とは違うものらしい――から指摘された部分もありました。
ちなみに「さすが公式、応募者が落ち込まないように、やわらかい表現を使うなあ」と感嘆したので、URLを――他サイトなのでリンクにはなりませんが――貼っておきます。興味ありましたら、URLをコピーペーストして見てみてください。
https://novelcom.syosetu.com/impression/list/ncode/1313170/
なお、この作品。あちらでもカクヨムでも掲載していますが、どちらも「感想に基づいて加筆修正済み」のバージョンです。でも、この感想と照らし合わせれば「おそらく、ここが加筆ポイントだな」と容易に想像可能かもしれません。
宣伝も兼ねて、一応、こちらで掲載している方のリンクを。
『ころしや探偵の事件簿「記録に残されたアリバイ」――転生先は探偵助手――』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889174898
こんな感じで。
私はエンジョイ勢なので。
特に「小説家になろう」では、かなり気楽に、コンテストに応募していました。「第7回ネット小説大賞」という
ただし。
今『特に「小説家になろう」では』と書いたのは、どうもカクヨムではシステムが違うみたいだからです。
カクヨムでは基本、コンテストはタグ欄とは別のところで、応募を選択する形ですよね? 一部、タグに記入することで「応募」となるコンテストもあるようですが。
一方「小説家になろう」では全て、この『タグに記入することで「応募」』というシステムです。あちらでも利用一年未満の私が「全て」と言い切るのは少し怖いのですが、少なくとも、私が知る限りでは、そんな感じです。
だから「小説家になろう」では、落選が判明した時点で応募タグを外せます。別のコンテストに応募できます。
でもカクヨムの方式では……。
途中で落選が判明しても、全体の最終結果が出るまでは「応募」状態になるんですよね?
つまり、それまでは他のコンテストには応募できないのですよね?
あるいは、そもそも一度でも何かのコンテストに応募したら、もう他のコンテストには応募できないシステムなのでしょうか?
……間違っているかもしれないけど、そう理解しているので。
特に、利用一年目の私は「これからどんなコンテストがあるのか」全く予想つかないので、迂闊に「カテゴリーエラーだろうけど……」な作品は応募できません。
例えば。
10万文字以上16万字以下で期限までに投稿完結する作品が二つあったので、二つとも『ファミ通文庫大賞』に応募したかったのですが、片方はファンタジー小説でもないしラノベっぽくもないから、躊躇しました。
落選するのは当然としても、最終結果が出る前に「もっと内容的に相応しいコンテスト」が開かれたら、もったいないなあ……。そう思ったからです。
応募しないで、とっておくことにしました。
もう片方の異世界ファンタジーの方は、星一桁でも恥ずかしげもなく、応募したんですけどね。
だから。
カクヨムでは「小説家になろう」ほど気楽に参加できないでしょうが、それでも。
私は、コンテストに関してエンジョイ勢なわけです。
皆様は、どうですか?
コメントやエッセイを拝見していると、面白い作品をたくさん書いておられる素晴らしい方々の中にも「コンテストなんて恐れ多い」という意見があるようです。
それらを目にするたびに、エンジョイ勢の私は、
「どんどん応募すればいいのに……」
と、思ってしまいます。
いやいや。
私のようなエンジョイ勢は、真剣なガチ勢の皆様からしたら、迷惑なのかもしれません。
でも、考えてみてください。
どんなコンテストであれ、コンテストが賑わいを見せるのは、良いことのはずですよね?
その意味で、エンジョイ勢だってコンテストの活性化には貢献できているはず……。ということで、どうかお許しください。
私は、こんなスタンスなのです。こんな感じで、執筆活動を楽しんでいます。
だから改めて、最後に、この言葉で今回の締めくくりを。
皆様は、どうですか?
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