自主企画、大好き!(「カクヨム」ならば作品を読んでもらえるぞ・その3)

   

 このエッセイ、ここまで「カクヨムでは作品を読んでもらえる」という意見を何度か書いてきたので、おそらく「その3」くらいです。きちんとカウントしているわけではないので、多少の誤差はあるかと思いますが、ご容赦ください。



 今回は「自主企画って、いいよね!」という話です。

 以前に近況ノートでも書いたエピソードを披露しますので、もしも、そちらを読んでおられる方々がいましたら、

「もう見た」

 と言われそうですが……。

 それでも一応、エッセイとしても書いておこうと思いました。


 ……と。

 ここまで書いたところで。

 この先「何を書くか」を頭の中で想定したところで。

「やっぱり既視感あるなあ」

 そう思いました。近況ノートで記したネタをエッセイにするのだから、当然ですね。

 続いて。

「……でも、エッセイの中では、まだ自主企画について触れていないよね?」

 確認してみました。

 ……頭を抱えたくなりました。

 ほんの二つ前の項目で「自主企画って素晴らしい!」と謳っているではありませんか。


 まあ、それに気づいた時点で、今回のエッセイはボツにするべきだったかもしれませんが。

 以前のエッセイでは書けなかった「凄く参加したくなる自主企画があった」というエピソード、それも「しばらく経ってから参加するつもりだったけど、その決意を翻して、やっぱり今すぐ参加したくなった。それほど心惹かれる自主企画があった」という話ですので……。せっかくなので、エッセイとして書いておきたいと思います。

 ただし「どう心惹かれたか」は感覚的な話ですので、うまく説明できません。「どういう事情があったために、今ではなく後で参加するつもりだったのか」を語ることで、逆説的に「それでも決心を覆すほど魅力的だった」というのを伝えられたら……と考えております。

 ですから少し長くなりますし、また、今回の結論自体は「自主企画って、いいよね!」という、以前の繰り返しになります。あらかじめ、その点、おことわりしておきます。



 さて。

 現時点で、私のプロフィール欄には『自称「ウイルス作家」です。子供の頃の夢は「推理作家」でした』と書かれています。

 実は、一番最初は「子供の頃の夢は推理作家」というのは、記していませんでした。それを書き足したのは、いわゆるミステリ作品も投稿しようと考えたからです。


 私のように他サイトからカクヨムに来た場合、まずカクヨムに登録した時点で、

「これを読んでもらおう! カクヨムでも公開しよう!」

 という作品がいくつもあることになります。

 まずは、それらを転載していく……。いわゆる引っ越し作業ですね。

 もちろん、全部が全部、転載するわけではありません。

 断捨離ではありませんが、引っ越しの際には必ず「この機会に捨ててしまおう!」という物が出てきますよね。それと同じで、おそらく「ある程度、自信のある作品を厳選して」という形の『引っ越し作業』になると思います。「自信のある作品」がない場合でも、逆に「いったん投稿しちゃったから削除はしてないが、自分でも恥ずかしい作品」というのはあるでしょうから、少なくとも何らかの取捨選択は行われるでしょう。

 私の場合、その『引っ越し作業』の途中なのに、こうしてエッセイを書いていたりします。また、突発的に思いついた短編を新天地カクヨムで投稿して、後日「小説家になろう」にも転載するという、いわば『逆引っ越し』もしています。だから、この『引っ越し』が、いつ終わるかわかりませんが……。


 ともかく。

 私には『引っ越し』予定のミステリ作品が、二つありました。

 一つは、10万文字の「本格ミステリ長編(のつもり)」。

 もう一つは、4万文字の「なんちゃってミステリ中編」です。

 あちらでは、先に「なんちゃってミステリ中編」を投稿してしまいましたが、その作品を投稿した時に「こういう『なんちゃって』しか書けない作家だと思われて、もうミステリ系は読んでもらえなくなったら嫌だな」という気持ちもありました。

 ですからカクヨムでは、まず先に「本格ミステリ長編(のつもり)」を投稿しよう……。そう考えていました。

 その後で「なんちゃってミステリ中編」も投稿しよう……。そう考えていました。

 そして。

「いつから投稿開始しようかなあ……?」

 心の中で、自己満足的にワクワクしていた矢先。

 その気持ちに、自分で「ちょっと待った方がいいんじゃないの?」とブレーキかけるような出来事がありました。


 4月5日のことでした。

「そういえば……。この二作品、あちらのサイトで、一応コンテストに応募していたな。そろそろ一次選考の結果発表だったはず……」

 私レベルが最後まで行くのは無理としても、一次選考ならば、ひょっとしたら……? 一次選考の基準が、凄く甘い可能性もあるかも……?

 そんな淡い期待で、コンテストのページを見に行ってみました。

 4月3日に、一次選考結果が発表されていました。

 結果から先に書いてしまいますと、二作品とも、一次選考は通過していました。

 ただし「応募したミステリが二つあって、二つとも一次選考を通過」という時点で、

「もしかしたら、どこかの出版社がミステリ作品を絶対に一つ選ぼうと考えていて、キープあるいは数合わせの意味で『完結しているミステリ作品は全て一次は通す』という方針でもあるのかも……?」

 という可能性も考えてしまうのですが。

 いや、そもそも「こういうコンテストは、一次選考が発表される頃には、すでに受賞者には連絡が入るものだから、公表された結果には意味ないよ」なんて話も聞いたことがありますが、でも素人作家にとって大事なのは『受賞』よりも、先の段階へ進むこと――とにかく読んでもらうこと――ですよね。

 

 ……と、こんな話を書くと「凄いですね!」とか「しょせん一次選考だよ」とか「どんなコンテストか詳細がわからないと、何とも言えんなあ」とか言われるかもしれないので、少し説明しておきます。

 そもそも私が「小説家になろう」を利用し始めたのが、昨年の9月。そのコンテストの応募期間が10月末から2月頭。

 まだ「小説家になろう」を使い始めて日が浅い段階で、応募したコンテストだったのです。

 第七回と書かれていましたが、私にとっては「初めて」です。複数の出版社が関わるらしいので、大きなイベントなのだろう……。

 その程度の認識でした。

「私のような、実力も人気もポイントもない新参者が、参加してもいいのだろうか?」

 躊躇もしました。ですが。

 応募要項の中に「全部じゃないけど、毎週いくつか選んで、スタッフが感想をつけるよ!」とあったのを見て、心が揺れ動きました。


 私のような素人作家の場合。

 そりゃあ、プロになれるならなりたいですよ。でも、そのための努力もしていないし、現実性のある夢ではありません。小さい子供が「将来は宇宙飛行士になりたいです」「将来は変身ヒーローになりたいです」と言っているレベルです。かたや実在する職業、かたや空想の存在だとしても、その差がゼロに収束するくらい、非現実的な話です。

 そう考えると、コンテスト応募なんて尻込みします。

 ですが、応募すれば、少なくとも作品を読んでもらえます。たとえ下読み審査員の一人であっても、誰でもいいから一人でも多くの人間に読んでもらえることは、素人作家には重大な話です。

 特に、感想サービスがある、ということですから……。

「コンテストそのものは『あわよくば』であって、感想サービスの方が本命の応募者も多いのだろう。そういうコンテストならば、気軽に参加してもいいのかな?」

 その程度の認識で、応募できそうな作品は、片っ端から応募してみました。合計9作品。実際、一つだけですが、12月に感想サービスで感想をいただきました。


 結局。

 私のように、初心者で応募したり、一人でたくさん応募したりする人も、結構いたのでしょうね。応募総数は約9,400作品だったそうです。そのうち、一次選考を通過したのは約1,500作品。

 正直「たくさん通過してるのだから喜び過ぎてはいけないよ」という気持ちと「それでも約6倍の倍率なんだから大喜びすべきだ」という気持ちと、両方あります。

 まあ、そもそも私は『一次選考通過』自体が初めてなので「こういう時どんな顔をすればいいかわからないの」が、一番正確に心境を伝える表現かもしれません。でも、一口に「笑う」と言っても色々で「笑うなよ、兵が見ている」とか「誰かオレの顔を見て笑ってやしないか?」とかもありますよね……。


 なお私が応募した9作品のうち、上記のミステリ2作品以外に、短編も1作品、一次選考を通過していました。ただし四つの連作短編の一編、それもシリーズ最初ではなく二番目なので、

「最初から読まないとワケワカメなのに、第二作だけが採用されるわけないじゃないか。しょせん一次選考だな」

「シリーズ全作品を通過リストに入れると数が多くなるから、シリーズものは、そのシリーズの中の一番良かった作品だけ記載しているのでは? 実質的には、そのシリーズ全部まとめての評価なのでは?」

 と、私の頭の中で天使と悪魔が言い争っています。

 まあ私自身、この短編に関しては、もう短編という段階で一次選考すら通るとは期待していなかったので、カクヨムに来た4月1日の時点で――つまり一次選考結果が発表される二日前の時点で――、真っ先に転載していたのですけどね。

 こういう書き方をすると「それって、どんな感じの短編だろう?」と興味を抱く方々もおられるかもしれないので、一応。


『俺はウイルスである』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889074911


 先日ふと思い立って、紹介文の中に「この短編集に収録した四作品の中の二番目『二重感染の悲喜劇』は、第7回ネット小説大賞にて一次選考を通過しました」という一文を加えておきました。少しは箔がつくかな、と思いまして。


 ……と、どんどん話が逸れましたが。

 心の中でブレーキが、というところに戻ります。


 カクヨムでも掲載予定だった作品が、別のサイトでコンテストの一次選考を通過した――それなりに評価してもらえた――というのは、嬉しい話ではあるのです。

 でも。

 私と同じ状況になった場合、皆様ならば、どうしますか? 喜び勇んで、カクヨムでも投稿を始めます? それとも……。

 私は、こう思いました。

「今は、そっとしておこう」

 だって、転載する以上は、あちらのあらすじで「この作品はカクヨムでも……」と書き足すことになります。

 一次選考を通過して、二次選考の結果が出るまでは、まだ審査中のはずです。その段階で、

「この作品は他サイトにも投稿しました!」

 とアピールするのは、審査する側の印象的にマイナスになるのでは、と心配になりました。最初から「あわよくば」だとしても、一人でも多くの方々に作品を読んでもらうためには、少しでも先へ進みたいですからね。

 ……そんな「マイナス印象」なんて、考え過ぎでしょうか? それとも、当然考慮すべき点でしょうか?


 さて。

 もう一度コンテストのスケジュールを確認すると、4月下旬には二次選考の結果が発表されるようです。

 ならば、そこで落選が決まってから、カクヨムでの掲載を始めようかな……。

 我ながら、素晴らしいアイデアだと思いました。一種の、心の保険ですね。

 落ちれば単純に悲しい。でも落ちた時に「これでカクヨムでも始められるぞ!」と喜ぶことも出来る。逆に、万が一、二次を通過して次の段階に進めたら、それはそれで嬉しいはず。

 つまり、どちらに転んでも「こんなに嬉しいことはない」と言える!


 ……そのつもりだったのですが。

 カクヨムで自主企画一覧を見ているうちに、ぜひ参加したいと思える企画を見つけてしまいました。

 上述の「なんちゃってミステリ中編」は、日本の過去をテーマにしている部分があるのですが、その点で「参加したい!」と思える自主企画です。

 先ほど述べたように、作品の性質上、カクヨムでは「本格ミステリ長編(のつもり)」を投稿した後で披露するつもりだった作品です。そうしないと「本格ミステリ長編(のつもり)」の方が読んでもらえなくなるかも、という作品です。

 ですが。

「そんな計画はどうでもいい! この自主企画には、とにかく参加したい!」

 私の心が、わがままを言い始めました。

「いやいや、待て待て」

 私の頭は、冷静に制止します。

 参加したい企画は、五月まで続いているようですから、計画通り「コンテストに落選してから」で間に合うはずです。


 でも。

 結局、頭は心には勝てませんでした。

 始めちゃいました。

 まるで「おあずけ」と言われても待ちきれない、ペット犬のようです。

 あるいは「これは誕生日プレゼントだから、その日までは開封しちゃダメだよ」と言われたのに渡された途端に開けてしまう、小さな子供でしょうか。


 この「待ちきれない」という気持ちが強かったのか。

 あるいは「転載することで落選することになっても悔いはない」という気持ちがあったのか。

 はたまた「どうせいつかは落選するからどうでもいい」という諦念が既に心の中にあるのか。

 自分でもよくわかりませんが……。

 とにかく、そんな感じで「自分の決意を翻すほどの自主企画を見つけたよ!」というエピソードでした。


 一応、自己宣伝がてら、URLを載せておきます。

 参加している自主企画の項目を見ていただければ「なるほど」と思ってもらえるかもしれませんので。


『ころしや探偵の事件簿「記録に残されたアリバイ」――転生先は探偵助手――』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889174898



 さて。

 具体的なエピソードの話が終わりましたので……(私個人の具体例、何か皆様の参考になれば幸いですが)。

 今回のエッセイの主題です。

 もう一度言いましょう。「自主企画って、いいよね!」と。


 まず、書き手として考えた場合。

 自主企画で提示されたテーマそのものが、作品を発想する契機きっかけになる場合もあるのではないでしょうか。お題を出してくださる自主企画もあるようですし、いずれは、そうした企画にも参加したいと思っています。


 また、私のように「他のサイトからカクヨムに来た」という一部の書き手の場合。

 手持ちのストックの中から、どの作品をカクヨムで披露するか。それを考える決め手にもなるのではないでしょうか。


 ここまでは書き手側ですが、読み手としても。

 自分が興味を持った自主企画を見れば「自分が好きそうな作品のリスト」を目にすることになる……という話は、以前のエッセイでも書いたので、今回は省略するとして。

 そのエッセイでは書きそびれていたことを一つ。

 自主企画のページで参加作品を見ていると、何年か前の作品を発見することもありますよね。ここで「こんな作品もあったのか!」となるわけです。

 これ、おそらく「小説家になろう」も使っている人であれば、その素晴らしさがいっそう理解できるのだと思います。あちらでは、一度埋もれてしまった作品は、もうなかなか「他人に知ってもらう」機会がありませんからね。

 これも、カクヨムでは投稿直後でなくても作品を読んでもらえる、その理由の一つだと思います。

 というわけで。

 もしも他サイトで「読んでもらえないなあ」と嘆いている人がいたら……。

「カクヨム良いとこ一度はおいで」

 そう声をかけてあげたいですね。

 もちろん、いくらここで叫んでみたところで、そうした方々の目には留まらないわけですが。

   

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