三日目にして早くも鼻っ柱を折られる
今回は、前々回のように「カク」側からの話です。
特に前半部で「小説家になろう」に言及する記述が多いので「他サイトの話は嫌!」という方々は、不快に思われるかもしれません。ごめんなさい。
前置きとして『はじめに』で述べたように、私は「小説家になろう」を利用していて、それから「カクヨム」も使い始めた人間です。
あちらで連載中――五日に一回のペース――の作品をこちらでも掲載したい。ただし、そのままではなく構成を少し変えて、適当なところで『完結』となるバージョンを作ろう……。最初は、そう思っていましたし、一応、今もそう考えているはずです。
あちらでは並行して毎日連載中の別作品もあるので――今月の12日が最終回なので――、それが終わってからにしようかな……。そんなことを考えたり、こうして突発的にエッセイを書き始めている時点で、心の中で「なんだか投稿開始をズルズルと引き延ばしていないか? 『そのうち』症候群を発症していないか?」と警鐘が鳴っている部分もあるのですが……。
それはともかく。
最初に「とりあえず」ということで、私は、短めの作品を三つ、投稿しました。
暦が4月1日に切り替わった夜に一つ目、朝起きた時点で二つ目、4月2日の夜に三つ目。「駆けつけ三杯」とは少し違いますが、まあ「とりあえず」で『三つ』というのは妥当ではないでしょうか。
一つ目は、あちらでは複数の作品だったものを「短編集」としてまとめたものです。
二つ目は、あちらでも投稿したばかりの新作です。エイプリルフールネタでした。
三つ目は……。
実は実は実は。
大きな声で言うのは恥ずかしいですが、密かに自信作でした。『深夜の動物実験 ――ある若手研究者の恐怖体験――』という作品です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889080728
内容的にも「自分らしさ」が出ている作品だと自負していますが。
何故これが自信作かというと「小説家になろう」の方で「ジャンル別日間ランキングBEST5」に入ったことのある作品だからです!
……と、こういう書き方をすると「それはすごい!」と思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。詐欺商法ではないですが、いくつか誤解されやすいポイントがあるのです。
まず『日間ランキング』という点。あくまでも、その日、一日限りです。
いや、それどころか、どうやら毎日三回更新されるようなので――当時はシステムをよく理解していませんでしたが――、私の作品がランキング入りしていたのも、一日のうちの三分の一に過ぎなかったかもしれません。
そして、最大のポイントは『ジャンル別』ということです。
私の『深夜の動物実験 ――ある若手研究者の恐怖体験――』は、ホラー作品です。あちらのジャンル分けとしては『ホラー〔文芸〕』に相当します。
皆様は「小説家になろう」と聞いた時、どのような作品を思い浮かべますか? ファンタジー? 異世界転移? チート? ハーレム?
少なくとも、ホラー作品が真っ先に浮かぶ人は、まずいないと思います(いたらごめんなさい)。
それだけ「なろう向けではない作品」ということになりますが、逆に、そこに利点もあったのです。
上述の「ジャンル別日間ランキングBEST5」とは別に、それぞれのジャンルで100位まで記載されるページがあります。しかし『ホラー〔文芸〕』や『推理〔文芸〕』などの日間ランキングでは、100作品も記載されていません。数十作品で終わりです。24時間以内にポイントの入った作品の数が、100に満たないからです。
一応説明しておきますと「小説家になろう」のポイントは、作品がブックマークされたら2ポイント、作品が評価されたら最高10ポイント――文章評価・ストーリー評価でそれぞれ五段階評価――が入る仕組みです。
誰か一人が「面白い!」と最高の評価をしてブックマークをしたら、それだけで12ポイント。二人が同じことをしたら24ポイントです。『ホラー〔文芸〕』や『推理〔文芸〕』など、人の少ないジャンルでは、24ポイントあれば「ジャンル別日間ランキングBEST5」に入れることでしょう。
私の作品が何ポイントでランキング入りしたのか、正直わかりません。当時は、ランキングのシステムをよく理解していませんでした。そもそも、ランキング制度の存在すら知りませんでした。
いつもより作品へのアクセスが多いので「何が起きているのだろう? どこかで揶揄されたりしているのかな? それで見に来た人がいるのかな?」と心配になって検索したら、ランキングのページに行き当たった、という状態でした。
だから想像することしか出来ませんが、おそらく二人か三人の方々が、たまたま同じ日に私の作品を評価してくださって、その結果ランキング入りしたのでしょうね。
本当に『たまたま同じ日に』……。
そう、運が良かったのです。
事情はわからずとも、それだけは理解できました。
だって、自分でも「これ、誰もが面白いと思えるような作品ではないよね? 少数の読者しか『面白い』と思えない作品だよね?」と思っていましたから。
ちなみに、これで「小説家になろう」のランキングという存在を知ったので、以降、ランキングページにも注目するようになりましたが……。
約半年「小説家になろう」を利用していて、作品が「ジャンル別日間ランキングBEST5」のページに記載されたことは、この一度きりです(100位までのページなら、時々ありますが)。
でも、その『一度』が重要だったようで、以降、他の作品の読者も増えました。それまで小説には感想を一度もいただいたことがなかったのに、いくつか、書いてもらえましたから。
一つの作品の存在を知ってもらうことは、作者の存在を知ってもらうことに繋がる。だから、別の作品の存在を知ってもらうことにも繋がる。
そういうことなのでしょうね。
その点、カクヨムでは「星とハートのおかげで、簡単に……」というのは、前回のエッセイで書いたので、もういいとして。
長くなりましたが、以上のような経緯があったので、私にとって『深夜の動物実験 ――ある若手研究者の恐怖体験――』は、密かな自信作であると同時に、
「おかげで他の作品も読んでもらえるようになった!」
という思い出深い作品でもあったわけです。
しかし、明らかに「万人ウケする小説ではない」という自覚もあったので。
4月2日の近況ノートには、このように書きました。
『かなりクセの強い作品ですので、なかなか最後まで読んでいただけないかもしれない、と少し心配です。さて、どうなることやら……』
ええ、そうです。自信作であると同時に、一抹の不安もあったわけです。
そして……。
一夜明けて。
いや、それどころか、投稿後12時間が過ぎた時点で。
私の『不安』の方が的中していました。
半日経っても「中編」「後編」のPVは0。
ゼロですよ、ゼロ。みんな前編の途中で脱落して、後編どころか、中編にも辿り着かないのですよ。
これがゲームのダンジョンなら「ちょっと難易度設定を間違えちゃったかな?」で済むかもしれませんが、これはゲームではなく小説です。途中で読者が読むのをやめるということは、それだけ「面白くない」「つまらない」「読んでいて不快」ということです。
現実を思い知らされました。
いや、上述のように、自分でもクセが強い作品だとは思っていたのですが、まさか、ここまでとは……。
さすがに「誰も最後まで読まない」という事態は想定していませんでした。
これが
近況ノートで「最後まで読んでいただけないかもしれない」なんて書いたから、それが実現したのでしょうか。
あそこで自信を持って「他のサイトでランキング入りした作品です!」と宣伝するべきだったのでしょうか。
いいえ、違います。
いくら作品のジャンルがホラーとはいえ、そんなオカルトじみた『
はっきりと認めましょう。作品そのものが「最後まで読ませるだけの魅力に乏しい」作品だったのです。
4月3日の夕方には、最後まで読んでくださる読者も現れました。
青い星もいただきました。ありがとうごさいます。
応援コメント――カクヨムに来て初めての応援コメント!――もいただきました。ありがとうごさいます。
それでも。
投稿後、24時間経過した時点で「中編」「後編」のPVは、それぞれ1。
丸二日が過ぎようとしている今――この原稿を書いている時点――でも、同じ状態です。
原稿を書き上げた時点で再度チェックしたら、星が増えていました。応援コメントが増えていました。ありがとうございます。でも「中編」「後編」のPVはそれぞれ2なので……。
評価してくださった人以外、まだ誰も最後まで読んでおられない、ということですね。
ある意味「クセが強い作品」「少数の読者しか『面白い』と思えない作品」という自己分析は正しかった、と言えるでしょう。
そして。
ランキングに関する「作品が面白かったというより、運が良かっただけ」という分析も正しかった、と言えるのでしょう。
それなりに自信のあった作品を投稿して、この有様。
カクヨムを使い始めて三日目にして、早くも、鼻っ柱を折られた気分です。
それほど天狗になっていたつもりもなかったのですが。
だって、ランキングの話にあった「読んでもらえるようになった」というのは「投稿日以外は0だったアクセスが一桁二桁になった」というレベル。
この程度では『天狗』というほど、立派な鼻でもないような気が……。天狗の正体は外人さんという説も聞いたことがありますが、この鼻の長さだと、一体どの国から来た外人さん?
そんなに高くもない鼻を、それでも折られた気分です。
さて。
私以外にも、カクヨムと他サイトを併用している方々は、たくさんおられることでしょう。
複数のサイトで同じ作品を掲載した場合、それぞれの場所での評価の違いは、どんな感じだったでしょうか?
それぞれのサイトの色とか、時の運とかもあるでしょうが、それでも複数のサイトで評判の良い作品であれば、それは、本当に素晴らしい作品なのだと思います。
素人作家として、いつかは、そんな作品を書いてみたいものです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます