第12話 人は学ぶと考えなくなる

 学校に行かなという最大のメリットは、このことを防げることです。では、何故、学ぶと考えなくなるのかという事について書いておこうと思います。


 学ぶというのは真似ること。これまでに築かれた知恵を習得することです。知恵を与えれば賢くなるという思いが、沢山知恵を与えようとするのだと思います。


 2014年にノーベル平和賞を若干17歳で受賞したマララ・ユスフザイさんを覚えているでしょうか?一躍時の人になったのですが、どうやったらそういう人が育つのかというインタビューを受けた母親が「翼を与えないこと」と答えたのを覚えている方は少ないと思います。


 翼を与えようとするのが教育であり、人は翼を与えられることによって、自ら翼を持とうとはしなくなるということです。


 つまり、知恵を与えるとそれを使う事しかやらなくなり、自分で考えるという事をしなくなるという事なのです。こうして、世の中には自分で考えない人どんどん増えていったのです。


 この情報化社会では、スマホがあれば様々な情報やノウハウを知ることが出来ます。そうしたモノを活用して上手くやっていくと更に自分で何かを考えようとはしなくなる。


 それは、情報やノウハウがなければ何もできないという事になるのです。大抵の人は、そうした情報やノウハウから選ぶことを考えると勘違いしている。与えられたメニュから選ぶのは考えることではないのです。


 考えるとは、想像することであり、メニュを作り出すことを言います。では、何故それが必要なのかと言えば、時代はどんどん進化しているからです。それは、これまでやっていたことが通用しなくなることを生じるのです。


 その時、考える力が無ければ、お先真っ暗になり絶望するしかなくなる。もし、自分が絶望するときが来たら、それは考えていなかったという事なのです。


 そうなってしまうと中々先に進むことは出来ないでしょう。ある意味、人生は終わってしまう。我が子にそういう人生を歩ませたい人は居ないと思います。


 如何なる困難が来ようとも、それを撥ね退けて生きていける強い人間にしたいと思うはずです。そう思うから学ばせて賢くしたい。しかし、そうやって学ばせることが逆の結果をもたらすのです。


 大抵の人は学校で学んだから、ここまでやってこれたと思っているのでしょうが、果たして学校で学んだ何によってそうなったかを考えてはいないと思います。


 私自身の経験から言えば、自分で考えて道を切り開いてきた!


 恐らく大抵の人はそうではないでしょうか。自分の人生の真の味方は自分です。最終的には自分を信じて前に進むしかありません。しかし、大抵の人はその自分が無いのです。


 だって、持っているのは知識であり、それは他人の考えであるから。ずっと他人を頼ってきたから自分が育っていないのです。従って、学校へ行かない子は、自分を頼りにするしかなくなるでしょう。


 自分で考えて行動するということを幼き頃からやれば、生きていく力がみなぎるのではないかと思います。また、そういう子にしなければいけない。だって、そういう人は幸せな人だから。


 詳しい話は「学校で勉強するからバカになる」で書いています。こどもをどう育てるか?というテーマは、親が自分をどう育てるかと直結するモノです。互いに成長してこそ意味があると私は思います。


 

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学校へ行かない子の育て方 瀬田 乃安 @setanoan

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