ジョンは温厚で頭の良い犬だ。
ジョンは温厚で頭の良い犬だ。
和佳子が小学校から帰るのに合わせているのか、ジョンは通学路の途中まで迎えに来て道路の脇で伏せて待機するようになった。
「あ、ジョン!」
「わかちゃんの犬だ!」
「犬だー!」
和佳子は、近所のお子様たちと三人で一緒に登下校をしている。
初めは犬のジョンもお子様たちも怯えていたこともあったりなんかしたが、そこで和佳子が「もう、ジョン。怖がって吠えないの!」と口の先を握りしめ、乱暴に揺さぶったことで何となくうやむやになった。
子供はどこまでも容赦ないのである。
今では和佳子の登下校仲間とジョンはすっかり仲良しになって、誰かしらがアスファルトに伏せるジョンの上に跨ぎ乗ったり、顔をもふったりしている。
そのうちに同じ通学路を通るご近所さんやお子様たちまでが加わり、飽きた頃になると和佳子とジョンはリードのない散歩をしながら帰路に就くのだった。
夕陽を背景に仲良く連れ立って歩く姿は、すでにご近所さんの評判になっている。
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