第21話 KAC4周年ピックアップ
KAC4周年が終わりました。
(あれっ? 終わってないのかな? 自分的には終わりです)
今年も、お題が出てからショートショートを書くというイベントが開催されました。去年はお題が出てから〆切まで48時間の猶予があったのに、今年は36時間と12時間短くなりました。この12時間の減少が、自分的には厳しかったです。
去年は、お題が出た後に他の人の作品を読んでから何を書くか考えたり、一本目の出来がイマイチだと二本目を書いたり出来たのですが、今年はとにかく時間がない。書くだけで精一杯で、他の人の作品を読む時間があまりとれませんでした。
そうした状況で読んだ中で、私が読んで面白いと思った作品をいくつかピックアップします。ランキング上位の作品は多くの方に読まれていると思いますので、ランキング上位には入っていませんが、読まれないのはもったいないと感じた作品を選びました。
◇とあるサイクリストの革命記念日 ― 草薙 健(タケル)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894510648
ツール・ド・フランスを舞台にした短編です。弱虫ペダルのヒットで、日本でもロードレースの人気が高まっていますが、本場ヨーロッパでは大人気のメジャースポーツで、フランスではテレビ視聴率50%超えとまさに国民的スポーツです。
そんな、ツール・ド・フランスでアシスト役を任された男の、一生に一度の大舞台。とにかく、熱くて勢いのある作品で、個人的に今回のKACイチオシ作品です。
◇たんぽぽ娘 ― 朔(ついたち)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894595381
2分の1成人式で埋めたタイムカプセルを掘り出すために、小学校時代の同級生が10年ぶりに集まる。この物語の主人公キミエを、小学生時代に”もやっとさせた”男の子が埋めたものはいったいなにか?
作者は高校生とのことで、学校が臨時休校になったために書いたとのことです。読後感がとっても良い爽やかな作品です。作者の他の作品同様、ミステリータッチの現代ドラマですが、KACのお題ごとに一作一作どんどんクオリティが上がっており、若さってすごいなと思いました。
◇スイングバイバイ ― 新座遊
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894543632
都会に疲れ田舎へとUターンする男の心象風景を描いた作品です。本作の面白さを伝えるのは難しいので、とりあえず読んで下さいといった感じですが、現実に破れた男の心を古今東西駆け巡って比喩表現するという、詩的な文学作品です。およそ1400文字と短いので、とにかく読んでみて下さい。
◇四年に一度の星 ― 四宮あか
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894482686
本作は、☆が結構付いているので読んだ人も多いと思うので、ここで紹介するまでもないのですが、とても面白い、かつ、完成度が高い作品なので紹介します。
竜と出会えることを夢見て、空から降ってくる星を取りに星降の丘に行く少女。
どこかの短編集に載っていてもおかしくない、カクヨム四周年イベントの枠を超えた完成度の短編です。ストーリーの構成力、描写力のある文章力、読者目線で読んでもちろん面白いのですが、作家目線で読むととても勉強になる作品だなと感じました。
◇Uターンすれば名探偵 ― 乙島紅
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894550964
―――――― 作者の書いた概要抜粋 ――――――
大雪の日、密室状態となった雪山のペンションで殺人事件が起きた。
たまたま居合わせた探偵は、この事件を見事解決できるのか!?
【ヒント】推理パートを一行ずつ下から読むと……?
――――――――――――――――――――――――
まさにWeb小説ならではの作品で、これを書く技術が凄いと思いました。個人的に、こういう言葉遊び系は好きなので、ツボでした。
他にも面白い作品はありましたが、あまり読まれておらず、もっと読まれてもいいのになと思う作品をピックアップしました。カクヨムは、交流活動を普段からやっていないと面白い作品が書かれても埋もれてしまうので、KACのように端から順に読むようなイベントは、とても貴重だと思います。
長編を端から順にというのは無理ですが、4000字程度であれば、普段交流のない作家さんの作品にも目を通す機会が増えて良かったと思います。
他にも、イチオシの作品があったら、教えて下さい。
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