第17話 歴史秘話って好きですか?
― だれもが知っている歴史の裏に、隠された真実があった! ―
この歴史秘話ですが、大きく二種類があります。
私はこの手の話が好きなので、いくつかピックアップして、ご紹介します。
◇種類Ⅰ:歴史秘話(真実)
1つ目は、『えっ! こんなことが本当にあったのか!!』という実話ベースのものです。NHKで毎週放送されている『歴史秘話ヒストリア』が有名ですが、映画もたくさん作られています。
アポロ13号に実際に起きた事故を元に奇跡の生還を描いたトム・ハンクス主演の『アポロ13』、ヒットラー暗殺を企てて失敗したドイツ軍将校を描いたトム・クルーズ主演の『ワルキューレ』、イラン革命で占拠された大使館員を架空の映画作りを装って救出する『アルゴ』などが有名です。
この手の『BASED ON TRUE STORY』は、どこまでが史実なのか微妙ですが、史実ならではのリアリティがあり、物語の土台を支えています。
◇種類Ⅱ:歴史秘話(架空)
もう一つは、本当のような嘘の話です。いや、嘘のような嘘の話かもしれない。いずれにせよ、史実の合間をぬって巧みにフィクションを作る創作系です。歴史に関するウンチクと、それと辻褄を合わせて、いかに面白い話を作るかが、作者の腕の見せ所です。
最も有名な作品は、ジャック・ヒギンズによる『鷲は舞い降りた』でしょうか。ヒットラーに反目し、危険な任務に追いやられていたドイツ軍将校が、密かにイギリスの田舎町に落下傘で侵入し、チャーチルを暗殺するよう命令を受ける。作戦は実行され、悪天候の中、イギリス軍に扮した部隊は無事ノーフォークの寒村への降下に成功するが……、というストーリーで、大ベストセラーになりました。続編も書かれ、映画化もされましたが、しかし、その出来は……(以下自粛)、というベストセラーによくあるエピソードもおまけに付きます。
ケン・フォレットの『針の眼』も同様に、第二次世界大戦のイギリスを部隊にした小説で、暗号名『針』の名を持つナチスのスパイがイギリスに潜入し、ノルマンディー上陸作戦の情報を入手する。イギリス警察に追われ脱出を試みる『針』だが暴風雨により小島に流れ着いてしまい、なんと、そこに住んでいた人妻と恋に落ちてしまう!、という凄い話です。ケン・フォレットは、後に『大聖堂』という架空の中世の街を舞台にした小説や、『巨人たちの落日』に始まるヨーロッパとアメリカを舞台に20世紀の戦争に翻弄される大河ドラマを書く、架空小説の名手です。
トム・ハンクス主演の『フォレスト・ガンプ/一期一会』も、主人公の人生とアメリカの歴史の主要エピソードを巧みに絡めた素晴らしい作品ですが、史実の映像をCGで改変して辻褄を合わせるという力技を使っているため、個人的にはこのジャンルとしては、邪道かなとも思います。でも、面白いです。
この二つの分類の説明においてわかること。それは、歴史秘話(架空)の説明のほうが、歴史秘話(真実)に比べて長い! 圧倒的に長い!
つまり、私は後者の歴史秘話(架空)が大好きなのです! もちろん前者も嫌いではありません。しかし、それは『歴史そのもの』が面白いのであって、創作物が面白いわけではないのではないか、と思ってしまうのです。もちろん、今まで知られていなかった事実や、埋もれていた人々に光を当てる行為は素晴らしいと思います。
そんなわけで、歴史秘話(架空)の話を、私も書きました。
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◇ 黄金色の髪に魅せられて
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891402486
4万年前、あったかもしれない物語
― 宣伝終了 ―
みなさんは、どちらのタイプが好きですか?
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