>俺だって、良く思われるのは嬉しい。高く評価されるのは嬉しい。
しかし一歩その度合いを間違えれば、その後に大きな『失望』が待っているのだ。
これ、心に響くフレーズでした。
そしてまさかの腹の探り合い。こんな展開なろうとは!
>元の世界で海外勤務中に日本人と知り合った時は、ウマが合う合わないに関わらず、無条件で嬉しかった
ここはリアルだなあと感じました。
作者からの返信
オレンジ11様、コメントありがとうございます。
>これ、心に響くフレーズでした。
実はこの辺は、この作品の反省点の一つでもありました。ラビエスがこういう考え方のキャラであるということ、終盤まで読者に覚えておいて欲しかったのですが、それならばもっと後で記述するべきだったのではないか。いや「ラビエスのそういう考え方」を活かしたエピソードを中盤で改めて書き加えるべきではないか。……そんなことを、いつか全面的に改稿する際のポイントの一つとして、薄々感じていました。
今回『心に響く』と言っていただいたおかげで「ならば現在の形でも、結構覚えていてもらえるかな。書かないよりは書いておいて良かったな」と思えました。同時に「それでも読者の方々の感じ方は千差万別だから」ということで、上記のような「手直しするべきポイント」として、あらためて思い出すことができました。なんだか半ば自己完結しているような書き方になってしまいましたが、本当に良い機会となり、感謝しています。
>そしてまさかの腹の探り合い。
リアルでは腹芸なんて出来ない私ですが、小説では読むにしろ書くにしろ、胸に一物あるキャラが大好きです。そういうキャラには、なんだか深みを感じてしまいます。
禁じ手っぽい「語り手がコロコロ変わる」を敢えてやった理由の一つが、そうした隠れた内心の表現しやすさからでした。
それに、恋愛もので「最初は仲が悪かった男女が、むしろくっつく」というパターンがあるように、冒険仲間の友情に関しても、最初から意気投合するより最初は隔たりがあった方が、変化(成長)を描けますからね。
>ここはリアルだなあと感じました。
SFにしろ異世界ファンタジーにしろ、現実世界とは異なる世界を描きつつ、その中で実は現実世界と重なる部分もある、というのが一つの妙味だと私は思っています。この作品では主人公を海外勤務経験ありと設定した段階で、異国暮らしと異世界暮らしの相違点を表現してやろう、という意欲がありました。現実との対比が問題ですから、こうして『リアル』と言っていただけるのは、本当に嬉しいです!
烏川様
5話企画から参りました。……と言っても、10話企画の際に拝読しておりましたので、再読ということになります。
大陸で厄介なウイルスが猖獗しているこのタイミングで再びこの作品を読ませていただいていることに、何となく数奇なものを感じます。
私、実のところ、異世界ファンタジーというジャンルにおいて、転移ものは読むのも書くのも大好きなのですが、転生ものはどちらも苦手なのです。そもそも生まれ変わって赤ん坊の頃から前世の記憶が維持継続されているという点に非科学的なものを感じ、入り込めないのです。ファンタジーだってのに何言ってんだ、という話ですが……。
ただ、改めて読ませていただくと、科学的な内容を含め、精緻に描かれているこの作品には、惹かれるものがあります。折を見て、続きを読ませていただきたいと思います。
作者からの返信
Tonks様、コメントありがとうございます。
ファンタジーは好きだけれど転生ものは好きではない、という人は結構多いような気がします。理由に関しては人それぞれでしょうが『そもそも生まれ変わって赤ん坊の頃から前世の記憶が維持継続されているという点に非科学的なものを感じ』というのは、なるほど、と思いました。いくらSFやファンタジーであっても「それはおかしいだろう」と感じるラインって、それこそ人それぞれありますからね。
私の場合、転生ものを書くのは好きなのですが、読むのはあまり好きではない感じ。転生チート無双が何となく嫌で、だから「無双にならない程度の、ごく軽いチート」というつもりで、このような作品を書いているわけですが……。そもそもこれ「憑依」という形に逃げた転生ですからね。あらためて自分の作品を思い返してみると、異世界に限らず転生ものでは(特に長編・中編では)、これみたいな「憑依」パターンばかりな気がします。その点、私も(Tonks様とは違う意味かもしれませんが)『生まれ変わって赤ん坊の頃から前世の記憶が維持継続されている』パターンが好きではないのかもしれない、と思いました。
どんな作品であれ、再読していただけるというのは、作者冥利に尽きます。また、それで少しでも印象が変わる、というのも嬉しい話です。今後もよろしくお願いします。