DEBUG1 ワールドガイダンス・ネビュラシルエット マシン編

-年-月-日 ----時

”時間の外側”


『――おや?』


『これはこれは。こんなところまでご覧になるとは熱心な御方ですね』


『ここは時間の外側。今のところ現実でも作中でもない場所、と言っておきましょうか』


『私はFOS。ああ、本編のフォス君とは別人です。ここの住人というか、ここは私の意識の中というか……』


『まあ、物語に対してメタな空間と存在だとご認識下さい。文庫本の口絵ページや目次、登場人物紹介のようなものです』


『なんならそういうコンテンツっぽいものをご紹介しましょうか。私の別名は〈輝かしき記録ゴールデンレコード〉でして、大抵のことは存じておりますので』


『もっとも、人に見せるようなものではなくメモやテンション上げのための走り書きのようなものなのでお見苦しい点はご勘弁を』



『ではデータを展開しましょう』


『今回はそうですね――。作中に登場するメカニックのことを話題としましょうか』


『好きでしょう? メカ。作品は見ないままに関連書籍のメカ解説だけ読んで知識でっかちとか、なりますよね』


『なんですその顔は。ならない? ふーん、最近はそういう方も多いそうですが――』


『まあいいです。私は勝手にやるだけ』


『各項目名は「生産組織/分類/名称」からなります』


『搭載兵器は主力がMAIN SHOT。特装兵器がCHARGE SHOT。副兵装がSUB WEAPON。その他特徴的なものは単独の項目です』


『なぜそんな表記なのかって? さて、タグあたりに答えが書いてあるんじゃないでしょうかね』


『私は私がしたいことをするだけです。暇ですしね』


『ささ、「今のところ」のデータをどうぞ。オマケも付けておきましたので最後までごゆるりと』


……


人類総軍工廠惑星アーセナルズ

全領域戦闘機

スプライトエクスプレス


 人類文明圏の対エントロイド・宙域戦闘の主力戦闘機。最新の物理波動学からなる、高い攻撃性、耐久性、機動性、運用性を兼ね備えている。

 多機能故に比較的高コストだが自動化が進んだ工房惑星で生産することでその供給体制を整えている。二七一七年現在、Mk=7バージョンが生産中。

 全長に比して翼長がある全翼機的なフォルムから、機体後方に向けてスタビライザーが伸びた形状。また左右一基に五カ所の発射ハッチを備えた武装ナセルを装備。

 機体下方にもスタビライザーが一つ存在するため重力下での駐機時は機体を若干浮遊させワイヤー類で固定する必要がある。


MAIN SHOT 光学機関砲

 光子を媒介に、対象の物理波動を上書きし破壊する攻性光子兵器の一種。


CHARGE SHOT サイクロン・レーザー

 攻性光子をより高密度に射出する武装。発射前の収束段階においても、収束フィールド内に侵入するあらゆる物質、現象を分解しうる。この収束段階を積極的に攻撃に用いるパイロットもわずかながら存在する。


SUB WEAPON ホーミングレーザー

 スプライトエクスプレスの武装ナセルはその内装を換装することで異なる特性を得ることが出来る。

 エデンⅣ駐留軍の標準武装であるホーミングレーザーは、武装ナセル前後に装備されてた電子戦ポッドにより敵を捕捉し、光子の軌道の因果性に物理波動的に干渉し最短の因果導線を通るよう操作する。


マイクロブラックホール縮退炉

 極小のブラックホールに物質を投入し、その蒸発と成長を釣り合わせることで動力源とする。理論上あらゆる物質が燃料たり得るが、運用の利便性から補給可能な物質は液体状のものに限られる。


質量変換推進スラスター

 物体を一点に留めようとする慣性質量の性質を変換し、物体を弾き飛ばす力として一方向に制御する。推進力は自身の質量に由来するため、光速に近付くほど効率が上昇する。純粋超光速飛行技術の一つ。動力オフ時でも機体質量によってアイドリングし、重力下での駐機に必要な機体の浮遊を実現する。

 過度の高速を許容できない環境では縮退炉から得たエネルギーを直接推進力に変えるエネルギージェット推進を用いる。


操縦ブロック

 環境隔離シェルによって外部からの慣性力、重力、高エネルギーの放射線類などから遮断されている。ただし縮退炉から得られる時間単位あたりの限界出力を上回る影響は排除できない可能性がある。

 構造には機能教示性設計が用いられており、ヒト種であればその外見からある程度の機能を察知できる。機載AIの補助があれば戦闘区域からの離脱程度であれば一般市民の操縦でも問題無い。

複座型が基本形だが、操縦適性が高い生命兵器が搭乗する場合は単座運用される場合も多く、実際に単座機も生産されている。


ラリーコンデンサ

 縮退炉の時間単位辺りでの限界出力を上回る負荷がかかった場合への防護措置としての装備。余剰出力をプールし、限界出力を越える負荷がかかった場合に分配する。見た目は現用機の増槽に似ている。

 パイロットやミッション内容によっては変更される装備で、例えば平良機は運動性を高める高敏捷スラスター群を装備している。その他にも宙域防衛用の重武装ユニットや海兵機用武装を把持できるアームユニットなどが存在。



スペルソードエアロダイナミクス

特殊推進戦闘攻撃機

ムラクモ


 惑星『日本』ことアルカディアⅢの企業、綴丸スペルソードエアロダイナミクスが開発した新機軸の戦闘攻撃機。

 高速域での加速性能に優れ、直進安定性と運動性という矛盾する要素を高いレベルで纏め上げることに成功した機体。推進力源が特殊であるためか配備機数は比較的少ないが、今後の躍進が期待されている。

 機体下部から長く突き出した推進源トラクターコーンが特徴的な他、前進翼機でもある。またスペルソード社の特徴として現用機のような半透明風防を採用している。


MAIN SHOT 光学機関砲

 計四門を備える主力戦闘機スプライトエクスプレスに比して、半数の二門のみを装備。ただし一門あたりの照射口径と投入出力量は高い。


CHARGE SHOT/推力源 ネガ・オブジェクト・エンジン

 負の質量を持つエキゾチック物質を、機体のトラクター・コーン先端に発生させることで推進力を発生させる機関。互いに質量を持つ機体そのもの(正の質量物質)とネガ・オブジェクトとは互いに引き合い、機体はネガ・オブジェクトへと落ち込み、ネガ・オブジェクトも機体に対して落下しようとするが、負の質量体の性質として逆方向へ運動ベクトルを生じることで機体全体としては前方へ加速する。総質量に依存する推進システムであるため、遷光速~超光速域での加速力は爆発的なものとなる。純粋超光速推進源である。

 この特殊な推進力源を用いることで、ムラクモは戦闘機としては数世紀以来の牽引トラクター式推力を持つ機体となった。このため高い直進安定性を持つが、ネガ・オブジェクトの発生位置の制御によって運動性を向上させることも可能である。

 また、ネガ・オブジェクトは正の質量体と接触した場合相殺 (反物質の対消滅のようなエネルギーの放出を伴わない消滅)を起こすため、攻撃手段として用いられることもある。


SUB WEAPON 対消滅ミサイル

 推力源とは異なり、着弾時に反物質を生成しその反応によって大爆轟を発生させるミサイル。ムラクモは惑星『イギリス』ことアルカディアⅤの技術供与により、主翼の上下にパイロンを備え本装備を八基携行できる。

 基本的にエントロイドに対し遠距離・誘導兵器は着弾こそするものの威力を発揮する段においてエントロピー・マーフィー効果 (精密な観測下に無い限り、複雑な機構はエントロイドの周辺で誤作動を起こすというもの)によって不具合が多発するため信頼度は低い。しかし着弾時の威力の高さから、人類総軍の重要な火力として認識されている。


通常動力

 ネガ・オブジェクト・エンジンは高速域においても加速性を発揮することは得意だが、低速域では稼働効率が低い。そのため、機体動力源である縮退炉のエネルギーを直接放出する通常動力も本機では併用される。



スペルソードエアロダイナミクス

軽快制空戦闘機

カマイタチ


 主力戦闘機を運用する部隊以外において、局地的に制空権を得る必要が生じる場合に採用される機体。比較的安価ながら高い運動性による格闘戦性能に優れ、オプションファイターとの連携に用いる電子装備も充実している (実のところ、オプションファイターであるシーオッターの方が本機より先に正式化されている機体である)。

 スプライトエクスプレス同様四門の光学機関砲を持ち近接攻撃力に優れるが、反面長距離誘導兵器はあまり持ち得ない。これはそれらの装備をオプションファイターとの連携戦術によって補う運用思想による。

 ムラクモ同様スペルソード社が開発した機体だが、その有用性からライセンス生産された機体も多い。

 カナードや双垂直尾翼を備えており、現用戦闘機に近いフォルムを有する。


MAIN SHOT 光学機関砲

 スプライトエクスプレスと同等の規模を持つ。運動性の高さから、本機の武装の方が高性能であるというパイロットの報告も多い。

 敵に肉薄しての四門全力射撃が本機の最大火力となる。


CHARGE SHOT オプションファイター(ライトサイクロン・レーザー)

 基本兵装は即応性を重視しているため、カマイタチには準備時間を要する武装は搭載されていない。派生機体によってはその限りではないが。


SUB WEAPON ウェポンベイ

 機体中央部に設けられたウェポンベイに、多くの場合は対空ミサイルを携行する。ただし、エントロイドは遠隔・未確認攻撃による撃破は見込み難いため、基本的には光学機関砲による撃破が求められる。


電子制御システム

 本機に先駆けて実用化された無人戦闘機による警戒システムに対応した高度なアビオニクスを搭載している。運用の利便上、オプションファイターの随伴は一機辺り二機までが基本とされているが、性能上では最大五機のシーオッターを制御下に置くことが出来る。


空力

 カマイタチは全領域戦闘機が常時配備されないような局地環境の一つである、地球型大気圏内での戦闘を想定しそれに見合った設計が施されている。地上基地に配備される要撃機タイプの場合、敵機が存在する空域へ高速展開するためのスクランブル・ブースターという装備を機体に連結することが可能である。

 もちろん、宇宙空間や極限環境での戦闘も可能。



トリストラムアームズ

無人随伴/警戒戦闘機

シーオッター


 UAV無人航空機ながらレーザー兵装とウェポンベイを完備した高機能機。パイロットが存在しないことによる高い運動性や、装甲衝角を用いた近接戦に対応している。また、パイロットの生理条件を考慮に入れる必要が無いため、長期間の哨戒活動にも用いられる。名称通り、水中でも問題無く活動することが可能。

 植民惑星によっては本機を多数一定の警戒ルートでパトロールさせる防空警戒網を採用している場合もある。

 開発は惑星『イギリス』ことアルカディアⅤの企業である。シーオッターはラッコの意。


MAIN/CHARGE SHOT ライトサイクロン・レーザー

 運用母機からの指令で使用される火器。速射近接兵器は搭載しておらず、近接格闘戦は装甲衝角で対応する。

 スプライトエクスプレスも装備している傑作火砲であるサイクロン・レーザーの軽量モデル。


SUB WEAPON ウェポンベイ

 ミッションに応じて対空、対地、対艦などの多才な武装を装填可能。偵察ドローンや自律標的などの特殊弾も用いられる。

 ウェポンベイをトランク・スペースに換装しレスキュー装備を装填した救難機仕様としても運用可能で、海洋が多い植民惑星では成果を挙げている。


装甲衝角

 エントロイドとの高速衝突にも耐えうる機首。本来は索敵装備類を防護するためのレドームを兼ねた設計であったが、突撃命令の際に一定の戦果を挙げたため正式に武装として認可されている。現状、無人戦闘機のみが採用している装備である。


気密性

 意思を持った人間、生命兵器が介在しないUAVはエントロイドの侵食を防ぎきれない場合が想定される。そのため気密性は重視され、結果として本機は水中をはじめとした極限環境での活動能力を得た。



フェアリーエアシステムズ

ガンシップ

クラップバード


 原型機の設計は方針戦争末期にまでさかのぼることが出来る戦闘攻撃機。原型機の名称はサンダークラップ。COIN機、軽攻撃機として開発された機体であった。

 頑丈な機体構造に強力なレールガン機構と高度なFCSを搭載。安価ながらパワフルな空中火力投射源として重用されている。

 開発は惑星『アメリカ』ことアルカディアⅠの軍需企業による。

 戦闘ヘリのような無骨な風防やゴツゴツとしたブロック構造の本体部分を持ち、スピード感よりは重厚さを感じさせる機体である。


MAIN/CHARGE SHOT レールガン・ポッド

 弾体の初速発生源であるバレル部への供給エネルギーによって性質を変化させることが出来る。最大給電時に展開される増加バレル部は外部にスパーク現象を発生させ、機体に近接防御効果をもたらす場合もある。

 フルパワー時の弾体の速度は光速の10%に到達する。


SUB WEAPON 対空警戒レーダー

 周辺の敵機、及びそれらからの射線をパイロットに警告する。空対空戦闘は本機にとって避けるべき状況である。


照準レーダー

 前方に機能を限定する代わりに地上、空中問わず高い照準能力を持った武装レーダー。レールガンの照準に連動する。


操縦ブロック

 急降下攻撃などの際には有視界照準のために照準レーダーを収納、機首を前傾させる。対エントロイド戦の極限状況においては人間のパイロットによる確認と判断の方が有効であるとするドクトリンは、人類文明圏においても根強く、また成果を挙げている。

 構造強度にも気を配られた設計になっており、動力源と並び機体の中でも頑丈な部位である。


推力源

 強烈な反動を発するレールガンに抵抗するべく、本機の推力は高く設定されている。一方で照準機能に問題が発生しないよう、最高速度は低く抑えられている。結果として本機はペイロードに大きな余裕を持つに至った。

 単純なエネルギー放射式のエンジンであるため、純粋超光速飛行は不可能。ただし大気圏の内外を問わず機動できる。

 またホバリングによって空中に機体を固定しての射撃も可能。



スカルアンドクロス・ヘビーインダストリアル

海兵機

バッカニア


 エントロイドとの白兵戦環境に投入される人型機体、それが海兵機である。

 人間型兵器の有効性については宇宙時代以前から多数の議論があるが、人類の宇宙進出により「人体の物理的限界」が明確になるつれて「より大型の人体」が必要となることで議論は収束に向かった。ましてや、大型の生物様の形態を取り、格闘戦を仕掛けてくる場合が多いエントロイドが多く発生する段ともなれば尚更である。

 バッカニアは海兵機としては人類総軍の主力機に指定されている機体である。敵勢力圏への進攻を任務とする海兵隊に適した機能を与えられているが、それ以外の地上、宙域任務に適した装備形態のバリエーション機も多数存在する。

 肩、肘、膝、足など末端が肥大しているが腰回りなどは細く総じてマッシブなフォルム。鉢金やチンガード風の装甲で固められたゴーグル顔だが、バイザーの奥の視覚センサーが発光して目があるように見える。


MAIN SHOT サブマシンガン

 海兵機は任務に応じて携行武装を持ち替えることが可能だが、初期段階で与えられる基本兵装がサブマシンガンである。

 機体の動力源から直接エネルギー供給を受ける点で、他の携行火器とは区別され「サブ」の名称が与えられる。

 単純な破壊力よりも速射性を重視しており、発射される光弾も散布界が広い。


CHARGE SHOT プラズマ榴弾

 海兵機は近接戦闘において瞬間的に出力を消費することが多々あるため、強力な出力プール機構を持つ。その余剰出力をプラズマ化したものに攻性物理波動を乗せて射出することでエントロイドにダメージをあたえることが可能である。


SUB WEAPON 近接格闘兵器

 エントロイドとの最接近戦闘レンジに対応するために開発された多数の武装群を海兵機は携行する。人類がその歴史の中で獲得した殺傷武装である刀剣類や鈍器類を元に、最新の物理波動技術を付与したものが広く採用されている。

 近接戦闘における高いアドリブ力こそが、海兵機の兵器としての最大の存在意義である。

 火器類に比べて構造が単純なものが多いため製造メーカーは多く、個性豊かな海兵機乗り達は思い思いの得物を戦場に持ち込む。


防護フィールド発生装置

 物理波動により一方向への斥力場を発生させる機構。両肩に一基ずつ、両膝に四基ずつ内装されている。

 基本としては惑星大気圏突入時の機体防護 (機体性能自体は大気圏突入に充分なので、冗長性の確保のためである)。近接戦闘レンジでの予想外の被弾への防御力の確保。

 格闘戦においてこのフィールドを利用するパイロットも存在するが、一般的な戦法ではない。


操縦ブロック

 近接戦レンジにおける運動方向の転換が多い海兵機の環境隔離シェルは慣性力の消去に優れるモデルを採用している。

 また各種兵器と比して稼働させるべき部位が多く、即応性が求められる海兵機の操縦系はデバイスを介したものではなく、パイロットの神経電流をピックアップして操縦系に反映させるシステムを用いている。このシステムの採用が、海兵機に人体形状が求められる要因の一つでもある。


武装ポーチ

 損耗が激しい近接格闘兵器の予備を携行すべく、バッカニアは高次元亜空間武装ロッカーを二基内蔵する。



人類総軍工廠惑星アーセナルズ

惑星突入艦艇

ゴモラ級強襲降下艦


 ソドム級強襲宙域展開艦に、惑星突入時に対応した装甲殻を増設した中規模艦艇がゴモラ級である。突入時の下方向からの迎撃に耐える装甲配置の関係でナイフの切っ先のようなシルエットを持つ。

 戦域への戦力輸送と展開・指揮能力が主たる艦ではあるが、単独での砲戦能力についても優れた設計である。

 地上への戦力降下を目的とした艦だが、単体での重力圏離脱や宇宙での作戦行動も当然可能となっている。

 


エデンⅣ仮想日本国海上自衛隊

護衛艦

〈かつらぎ〉〈たそがれ〉


 エデンⅣにおける日本国が開発した護衛艦型水上艦艇。

 かつらぎは全通甲板を持ついわゆる「空母に見える形態」を持ったヘリコプター搭載型護衛艦。同型艦に〈うんりゅう〉と〈あまぎ〉。この種の護衛艦の配備は人類の「史実」と比して明らかに早い点の一つである。

 たそがれはいわゆるイージス艦でありエデンⅣのアメリカから多数の機材供与を受けている。同型艦として〈おうま〉が建造中。

 かつらぎでは金曜カレーにマトンを用いたものが提供されることが特徴。たそがれではチキンカレーと称してカレーライスと共にタンドリーチキンを提供するのが恒例となっている。










































エデンⅣ

エントロイド汚染全領域戦闘機

スプライトエクスプレス/FOS68000

〈ブラッドバード〉


エデンⅣ襲撃事件の際に汚染されたエデンⅣ市民を救出し退避した後、その市民と共に事件中のエデンⅣで戦闘を繰り広げた個体。即ち本編で弾が搭乗したスプライトエクスプレスである。

 弾のエントロピー汚染の影響を受け武装に赤いスパークが発生し始め、これが破壊力を伴うようになる。さらにエントロイド・プレッツリヒガイストの電子テレポーテーションに巻き込まれた際に弾の汚染が機体全体に波及しつつ、機体の抗エントロピー処理と拮抗。本人達のネゲントロピー作用も相まって物理波動がモザイク状態となってしまった。

 FOS68000はフォスのシリアルナンバー。FOSはファイター・オペレーション・システムの意。実はキリ番個体。


MAIN SHOT 汚染光学機関砲

 攻撃性物理波動を与えられた光子を発射する武装だが、機体の汚染に伴いさらにエントロピー汚染波動が重ね合わさり威力が上昇している。


CHARGE SHOT サイクロン・ブラッドレーザー

 サイクロン・レーザーにもエントロイド汚染の影響が顕著に現われ、光線に赤いスパークが発生するようになった。このスパークは光線から付近の物体に向けて伸びエントロピー汚染によって破壊する効果がある。エントロピー汚染ではありながらエントロイドにも効果がある点が物理波動学分野においては不可解な点である。


SUB WEAPON ホーミング・ブラッドレーザー

 サイクロン・レーザー同様汚染の影響が現われた武装ナセルの兵装。スプライトエクスプレスは武装ナセルに内蔵するものを換装できる仕様だが、汚染が確認されたことでこの機体の装備は現在固定化されている。


血飛沫エフェクト

 機体に発生したダメージ、各部の金属疲労や劣化、瞬間的な負荷などをエントロピー汚染として機体外部に放出する現象。エントロピーの増大を周囲にまき散らすという点ではエントロイド的な作用だが、機体内部ではエントロピーが減少しているため不可解な現象である。

 機体が完全に破壊された場合でも発生し、無傷の機体と弾、オプティが残る。

 この現象が本機の分類名称〈ブラッドバード〉の元となった。



ネムレスメディアコーポレーション

主人公機

抹消者オブリテレイター


 弾がプレイしていたシューティングゲーム『煉獄プルガトリウム』の主人公機。白い鋭角的な戦闘機である。


『煉獄』ストーリー

 未来、太陽の活動が弱まり地球に氷河期が訪れる際に人類は地球と火星の公転軌道の間に巨大な円環機構リングワールドを作り上げ、弱まった太陽の力をなんとか利用しようとしていた。しかしリングワールドから得たエネルギーを地球で活用する計画は市民に多少なりとも負担や忍耐を求めるものであったため、大衆は為政者達を打ち倒しリングワールド自体へ移住する。彼らは為政者を許されない罪を犯した者とし、自分達はいつか報われる存在としてリングワールドを煉獄と名付けた――。

 しかしリングワールドからのエネルギー供給を断たれ氷河期に突入した地球では多くの自然が失われ、市民達は自らの過ちに気付く。そして地上では為政者達の末裔がわずかにかつての時代のものを保存していたが、市民達が彼らに抱いたのは後悔の念ではなく多大な後ろめたさであった。

 一方為政者達の末裔も、市民達によって占拠されたリングワールドを解放しようとしていた……。


STAGE1 雲海 (横スクロール)

 為政者達の末裔の浮上都市船〈アテネポリス〉が太陽光を求めて浮上するのに対し、煉獄の市民達が攻撃を仕掛ける。撃沈される〈アテネポリス〉から出撃したのは、リングワールドを崩壊に導くために作られた戦闘機オブリテレイターであった。


STAGE2 衛星軌道 (縦スクロール)

 〈アテネポリス〉を襲った敵を壊滅させたオブリテレイターは地球大気圏を離脱し月に向かい始める。その前に立ちはだかったのは慰霊碑(セノタフ)と名付けられながら、実体は地球から脱出しようとする者を抑え込む宇宙機雷を敷設するための無人艦として建造された敵だった。


STAGE3 月面 (縦横複合スクロール)

 リングワールドに向かうべく、かつて市民達が月面に建造したリングワールド改造施設にあるマスドライバーに向かうオブリテレイター。その前に立ちはだかったのはリングワールドの環境を作るための改造生物の失敗作として月面に放置されていたクリーチャー達だった。


STAGE4 リングワールド (縦横複合スクロール)

 市民達が暮らす巨大な宇宙の円環。内側に居住区として土壌が用意されているが、環境形成に失敗しており荒野と無秩序な都市が広がっている。

 襲来したオブリテレイターに抗議と迎撃の手を向ける。


STAGE5 地球への路 (縦横複合スクロール)

 崩壊したリングワールドから脱出して地球に向かおうとする市民達をオブリテレイターは追撃する。


エデンⅣ時間で西暦1997年の作品。フルCG描写。弾がプレイしているものは配信用に調整された復刻ダウンロード版である。


MAIN SHOT

 基本ショットは直線的に飛ぶバルカン。ショット強化アイテムを取ることで1WAY(初期)→直進2WAY→複合4WAY (直進2WAY 拡散2WAY)→複合8WAY(直進4WAY 拡散4WAY)に変化。単発威力は最も低いが得点倍率が高い。

 レーザーアイテムを取得することで直進照射+貫通+残像命中判定の対空レーザー、3WAY+反射のリフレクトレーザー、2WAY+誘導のサーチレーザーに派生する。


BOMB

 全画面攻撃判定に加え敵弾を一掃する緊急回避手段。アイテムストック制。

 ショットを撃たずにいるとパワーゲージが溜まり、ゲージ最大時にボムを使用するとパワードボムとなり得点倍率が向上する。


OPTION

 オブリテレイターに追随する支援機。本体と同一のショットを撃ち、体当たり判定と弾消し判定を持つ。アイテム制で最大3機。

 オブリテレイターの軌道をトレースするフォーメーション、周囲を回るロータリー、動きに応じて発射角が変化するディレクションの3種類が存在しプレイ開始時に仕様を選択する。

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