DEBUG2 ワールドガイダンス・ネビュラシルエット 設定編

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”時間の外側”


『――おや?』


『またいらっしゃいましたね。投稿サイト? とやらの仕様では完結済みということになっているのに。熱心なことです』


『そうです、ここは時間の外側。私はFOS。本編のフォス君とは別人です』


『なにか知識をお探しですか? そうですねえ、今のところお目にかけられる機体データはすでに出してありますし――』


『ふむ。では今回はもう少し踏み込んで作中世界の出来事や事象についてお話ししましょうか』


『例によって走り書きをまとめたようなものなので読みやすいかどうかは追及しないでほしいところです。項目順も順不同で』


『そしてなにより――』


『あなた達の世界にとってはフィクション……だと、いいですね』



物理波動学


 作品世界における物理学の最終結論こそが、物理波動学である。


 物理波動の考え方の根底は超ひも理論に端を発する。超ひも理論においては、素粒子の源は振動するひも (超弦)であるとされていた。その振動具合によって、様々な素粒子やその性質が生まれる。


 物理波動学において、振動するものはひもではなく、X=Y=Z≒0の極小空間「ゼノン・スケール」である。このゼノン・スケールよりも小さな空間を想定することは可能であるが意味は無い。 (改めて表記してもX=Y=Z≒0となってしまい、同等の存在でしかないため。この点に対する直感的抗議は2700年代においても継続している)

 ゼノン・スケールにおいては物質と空間の区別はもはやなされない。ゼノン・スケールの振動=物理波動は素粒子のみならず、場の性質をも決定しマクロな影響を発揮する。


 超極小のゼノン・スケールの中には、3次元以上の複数の座標軸が内包されているとされている。ゼノン・スケールの振動の中には高次元座標軸方向への振動もあり、それを観測することは困難が伴う。高次元方向への物理波動を発生させることが出来ればその空間を使用することも可能だろうし、時間の流れを逆行する波動なども存在し得るとも考えられている。


 諸々の素粒子や場とその性質はゼノン・スケールの振動によって決定される。振動は周期が長いもの、可変するものなど極めて多くのバリエーションがある他、複数のゼノン・スケールの相互作用がマクロな存在にまで影響を及ぼすこともある。逆にマクロな存在全体の物理波動を計測することで、その存在の個性を知ることが出来る。 (ただし様々な波動が重なり合うため精密観測には極めて強力な処理能力が必要とされる)

 また特定の物理波動を起こすことで任意の現象を起こす、任意の物質を発生させることが可能である。

 ただし物理波動を直接発生させることは技術的困難が伴うため、広く利用される方法は別の波動を媒介に物理波動に干渉する方法である。

 最も利用されるのは光波で、スプライトエクスプレスに搭載されているサイクロン・レーザーなどがこの原理を利用している。物理波動に干渉することを目的として使用される光子のうち、特に攻撃目的に用いられるものを攻性光子と呼ぶ。攻性光子は対象物に着弾するとその物体の物理波動を破壊効果の物理波動で上書きする。

 その他の波動、例えば音波なども物理波動に干渉出来うると考えられているが、マクロな振動でありすぎるため大雑把な影響に留まるようだ。


 様々な現象を発生させる物理波動は解き明かされ、物理波動を発生させる技術によって利用されている。しかし中には物理波動から再現することが出来ない現象や概念も存在し議論を呼んでいる。

 生命や意識はその最たるものである。この点について、物理波動技術によって開発された高処理能力のAIが見かけ上意識を持っているように見えることから、これらは実は存在しない形而上の概念なのだと断ずる者も多い。 (当のAI達は、自分達は人間達と同様の意識経験を持っていないと主張している)

 ひとまず、物理学では全てを語ることは出来ないというのが一般的な見解である。


 物理波動学から生み出された技術には純粋超光速技術や促成惑星開発技術など、人類の宇宙開発のブレイクスルーとなったものが多く、人類の新しい時代を作り上げたパラダイムであるといえるだろう。



エントロイド


 エントロピーという概念がある。乱雑さを示す概念であり、自然環境下では増加する。秩序だった状態から、乱雑な状態へ移行していくのが自然の摂理である。

 だがエントロピーは人間の高度活動圏 (物理波動技術を用いるエリア)においては激しく減少する。その結果、本来増加するべきエントロピーとのギャップを埋めるよう働きかける災害が発生する。これがエントロイドである。


 エントロイドは本来起こるべき現象が、人類の活動によって押し留められた反動からか不条理で歪な形態を取っている。エントロイド個体と呼ばれる形態を取ることが多いが、かく個体の形態は生物様のもの、機械様のものどちらも「その形態を取る理由も、その形態を維持できる理由も成り行き以外では説明できない」と言われる。


 エントロイド個体は大別して暴走生命と発狂兵器の二種類に分けられる。

 生物様のものが暴走生命と呼称されるが、既存の地球型生物がエントロピー汚染によって変容したもの以外にも未知の発生源から生じたものも多く存在するほか、その基質物質もシリコン、リンなど炭素以外の場合もあり得る。高等生物に近い形態を取るもの、原始生命的なものなど多数の種類があるが、どれ一つとっても通常の生物として成立するような体構造を持っていない。一方で攻撃に特化した生体器官など異常に発達している部位が多い。

 機械状のものは発狂兵器と呼称される。多くはエントロイドとの戦いで放棄された人類側の兵器が、エントロイド汚染によって誤作動しているものである。だが一部では部品状の小片が偶然機械状に集結して動作しているものや、人類外の起源を持った機械がエントロピー汚染下で作動していると思しきものまで存在する。

 エントロイド個体が一個体として成立する理由は「偶然」としか片付けられない場合が多いが、このような状態はエントロピー的に見ればエントロピーが低い状態である。にも関わらずこれらの個体が発生するのは、エントロピーが人類の活動によって圧迫されることで擬似的に秩序だった低エントロピー状態になったためとも言われている。

 いわば人類の活動に対するコインの裏表。人類が存在することの反作用と言うことも可能かもしれない。


 エントロイドが知性を持っている場合もある。人類種から暴走生命型エントロイドとなった場合が事例としては一番多い。

 また既存生物からのエントロイド化のあと、知覚能力が発達した暴走生命型エントロイドが知性的な動きを見せる場合もある。


 エントロイドが発生する状況は大きく分けて二つ。

 一つは人類が高度な活動を行い、エントロピーに逆らっている場合。この時は整った環境に対しその外縁部などからエントロイドが発生し得る。

 あるいは人類の高度な活動圏の一部において、急速にエントロピーが増した場合。治安やモラルの低下がそのままエントロイドに転じる危険がある。

 どちらにしても「人類が生み出した低エントロピー環境は、エントロイドによって攻撃される」という点に収束する。

 人類が生活しやすい秩序だった環境はエントロピーへの負荷が大きい上、生活環境が良い場合精神的堕落が生じやすいため、人類は常に両方の危機に晒されていると言っていい。このことからエントロイドの存在を「文明に対する抵抗」と考える自然回帰論者も存在する。

 個体を撃滅しても状況が続く限りエントロイドも発生し続けるため、「人類が生存する環境のエントロピーをコントロールする」か「人類の活動圏を広げることで相対的にエントロピーの上昇を防ぐ」かがエントロピーに対する根本的対策となる。

 限られた範囲内のエントロピーは必ず上昇することから、「人類の活動領域」という有限エリアは常にエントロイドの脅威にさらされており、人類は2700年代現在拡大政策を取っている。


 エントロイド達の物理波動は乱雑なホワイトノイズ状になっている。決まった波動のパターンを持っておらず、またあらゆる波動のパターンに干渉し、最終的には自ら打ち消し合って消えてしまう。エントロイドの活動の果てに待っているのは、物理波動の消滅である。これは現代で言うところの「宇宙の熱的死」と同じ現象だとされる。



テラフォーミング


 物理波動学の発達により、これまでの人類の物理的限界を超えた活動が可能となり、もはや地球圏は人類にとっては手狭なエリアとなった。よって様々な惑星が人類によって開発され、あらたな天地として人類の生活を支えている。


火星

 初の全球テラフォーミング惑星。生物存在の不在などが観測された後、物理波動学を駆使したテラフォーミングプロジェクトが実施された。作業中の物理波動技術の発展と、拠点惑星 (この場合は地球)との距離が近かったことからテラフォーミング完了まで48年と、当初の計画値70年を大幅に短縮する結果を残した。

 現在は首都惑星地球につながる太陽系の玄関口として機能している。


アルカディア星系

 火星開発以後、国家主導でテラフォーミングが行われた惑星群をアルカディア星系と呼ぶ。最初の惑星アルカディアⅠは火星開発の大部分を行ったアメリカ合衆国が開拓した。

 開拓国主導の開発が行われ、人類の活動圏拡大に合わせて政府機能を自国開発の惑星に移した国家も多い。

 エントロイド発生に伴い「人類の活動領域を拡大することで、その内部でのエントロピー増加に対抗する」ことを打ち出した「人類文明圏」陣営の星々でもあり、現在の人類行政の中心的存在。

 メイン居住用の惑星以外に同一恒星系内の惑星を開発し農業、工業生産拠点にあてるのが一般的で、単なる一惑星のテラフォーミングの枠を超えた開発計画となっている。


ユートピア星系

 アルカディア星系で培われたノウハウは徐々に民間に浸透し、民間資本によって惑星開発が行われる事例も生まれ始めた。それらはアルカディア星系とは区別されてユートピア星系と呼ばれる。

 開発されたユートピア星系の各惑星は国家法に囚われない特区となるため、様々な主義主張・目的のために惑星がテラフォーミングされていった。最終的にはアルカディア星系の2倍近い数の惑星がユートピア星系に属する結果となる。

 エントロイド発生時は「人類の活動圏を縮小、統率することでエントロピーの増加をコントロール・排除する」ことを掲げた「正統生存圏」陣営だった。その規模や一見平和的な目標から一時期は人類の主流となっていたが、エントロイドの大攻勢を受け現在は「人類文明圏」に加わっている。しかし現在も「正統生存圏」時代の思想「ユートピズム」を持った人々が多く存在するという。


ヴァルハラ星系

 エントロイドの出現に対抗し、開拓惑星が属する恒星系全体を一つの宇宙要塞として機能するよう設計された大規模テラフォーミング計画。総司令部を要する首都惑星の他に、第一惑星と最外縁惑星に防空拠点を配置する。これは公転軌道面に対して水平、垂直どちらからのエントイロド侵攻にも対応するためで、中間惑星を居住・指揮・生産惑星に当てる。

 またヴァルハラ各恒星系間には安全に超光速航行が可能な連絡路が設けられ、高い相互支援能力を持っていた。

 当時の人類の活動領域の最外縁でエントロイドに対し防衛戦を繰り広げながら発展したが、エントロイドの大攻勢を迎撃した際原因不明の大消滅に巻き込まれ、ヴァルハラⅡを残して消滅。犠牲者数200億人、広い範囲の宇宙空間が星間物質密度が極端に低いヴァルハラ超真空スーパーヴォイドとなり、人類にエントロイドの脅威を実感させた。


アヴァロン星系

 ヴァルハラ星系壊滅後の、長い人類の対エントロイド方針を巡る戦争の後に、久々に純粋な人類の活動圏拡大のために実施されたテラフォーミング計画。

 高度な物理波動技術を用いた短期間での惑星開発はエントロイドの発生を誘発する危険性が高いことが明らかになったため、アヴァロン計画ではエントロイドが出現することが無かった (とされる)自然な惑星の発展をベースとした長期惑星開発が行われるようになった。

 居住可能な程度にテラフォーミングした惑星に原始的な都市を建設し、そこに入植者を住まわせ自然な発展を待ち、人類総軍の駐留ステーションを自力で到達できる段階となった後に併合するというのが計画の基本形となる。発展途上の環境に耐えられるよう、投入される生物は植民者を含めて遺伝子改造が行われたものが生産された。

 しかし開拓途中で遺伝子改造生物の異常成長によるバイオハザードが発生、あるいは発展の停滞を起こす割合が多く、多数の廃棄惑星を生んでしまった。ある惑星では、人類以外の生物の中から知的存在が生まれ支配層が入れ替わってしまったり、あるいは人類社会に組み込まれ異常な文明へと進化してしまった事例もあるという。


エデン星系

 アヴァロン星系での失敗をもとに、投入する生物の遺伝子改造なども最低限に抑え、ほぼ自然環境と変わらない発展手順を踏むこととなった計画。アルカディア星系のテラフォーミング期間50年に対し、テラフォーミング期間120年と試算された。

 バイオハザードの発生は抑制されたが、発展の停滞の問題は解決できていない。またその発展の停滞模様が、人類が辿るかも知れなかった歴史の姿を現しているとされ、あまり評価は良くない。人類文明圏の存在を明かした場合の衝突も懸念されており、さらなる改良を加えた惑星開発手段が模索され続けている。

「NEBULA SILHOUETTE」の舞台エデンⅣはこの計画の第4惑星。



純粋超光速航行


 「この宇宙で最も速いのは光であり、その速さを超えることは出来ない」というのが従来の常識であった。

 しかし物理法則の根底である物理波動の解析が進んだ世界においては、光速を越えた航行技術が発達している。


 単純に光速に近付くほど物体は質量が増し、自身にとって経過する時間が遅くなる。俗に言う「ウラシマ効果」が発生する単純な光速域航行のことを人類文明圏では相対論下光速航行と呼ぶ。

 一方で、物体の「動かしにくさ」である質量という量を、物理波動技術によって「動かす力」に変える方法が発見された。そしてこの方法で加速した場合、光速に近付き質量が増すとそれはそのまま「動かす力」に変化するので光速に近付くほどに加速力がついていくことがわかった。さらに物理法則の一部が破れたためか、飛翔体と観測者の時間のズレも起きなかった。

 この方法で人類史上初めて光速を越えることに成功したその日から、自然物理法則外で時間のズレを起こさずに超光速飛行をする技術を「純粋超光速航行」技術と呼ぶことが決まった。人類の宇宙開発におけるブレイクスルーであった。


 物理法則から外れて飛行する純粋超光速航行は必然的に物理波動をコントロールして行われる。これに対して周囲の通常空間はその存在を通常物理法則に馴染ませようと奇妙な挙動を見せる。

 光速に近付くにつれ、真空の宇宙空間であっても飛翔体と空間との間には空気抵抗のような力が働いた。これに耐えて光速を突破すると、抵抗力は音速突破時に発生する衝撃波のように飛翔体の周囲へと飛び散る。これを通称「超光速衝撃波」と呼ぶ。

 超光速衝撃波と飛翔体との間の空間では、空間を構成するゼノン・スケールの性質が変化しており通常の空間とは異なる亜空間とでも言うべきものに変化している。これは超光速飛翔体が通常の空間に存在しようとする矛盾的状況を、通常物理法則が拒絶しようとしている結果ではないかと推測されている。

 また超光速航行中の飛翔体の物理波動にも若干変化が起こり、超光速通常質量物質スーパーブラディオンに変化している。

 この亜空間、スーパーブラディオンの物理波動を観測できたことで、前述の質量変換推進以外にも様々な方法での超光速航行が可能となった。


 また、超光速での航行以外にも性質として超光速である物質を物理波動から生み出すことも成功している。架空素粒子「タキオン」がそれで、超光速航行時の周辺計測や、超遠隔地との通信にも利用されている。



生命兵器


”人は望まれて生まれることはあっても、その生い立ちを自ら望んで選ぶことは出来ない。よって、将来的な自立が保障されていれば、特定の目的のために人的資源を生産することを、永続的な搾取以外の正統な分野で行うことは、通常の出生と変わりが無い。”

――人的資源の生命工学的生産に関する規定


 人は親も生まれる時代も自ら選ぶことは出来ない。だがその一方で何らかの理由によって望まれて生まれてくるものである。ならば、自立後の自由が保障されているならば、人工的な出生を経て人間を”生産”することは何ら問題が無い――。人類文明圏における倫理規定の一つである。

 人類文明圏においては自己実現が推奨されており、また生活に必要な衣食住は生産の大部分が自動化されたことでベーシック・インカムとして手に入る。これによって個人の幸福追求は盛んになったが、一方で出生率は低下していた。

 人間にしか出来ない高度な労働の人手を確保する上で提唱されたのが、上記の理論である。提唱され始めたのは方針戦争時の人類文明圏主義陣営であり、当時機械制御を高度労働や戦闘分野に持ち込もうとした正統生存圏に対し、人造人間である”生産生命”の能力は高く、勢力規模的には劣る人類文明圏が方針戦争を対等に戦う原動力になったという。

 人類文明圏成立以後は社会的にも一般的な概念となっているが、その生産は高度に管理され、”闇生産生命”など生じないよう厳しく管理されている。その運用分野も厳しく審査され、「人間を用いるべき環境では無い」と判断された場合にはアンドロイド類の運用が勧められることも多い。


 そんな人類文明圏の生産生命のうち、特に戦闘分野向けに調整された個体を”生命兵器”と呼ぶ。

 多くの場合生命兵器は宇宙戦闘に対応した調整が加えられている。問題の並列処理能力、生体として可能なレベルとしては最大級の宇宙放射線防御、居住可能空間の占有率を下げる体格――さらにこれに任務に応じた特殊技能が与えられることもある。

 実働期間の関係上、直接・白兵戦分野に投入されることは無い。戦術、兵器オペレーターとしての運用が主な活動範囲となる。


生産生命の成人まで

 0歳~3歳 養育過程 高度な管理とベビーシッターのもと、赤子として守り育てられる

 3歳~10歳 基礎教育課程 睡眠教育や運動教育の元、人材としての基礎スペックを確定する 

 10歳~19歳 実働課程 実際に現場に配備される期間。応用教育の期間でもあり、労働は実習として扱われ最大時間など厳しく管理される。労働した分は学習単位として認定される

 20歳 卒業・成人 労働実習経験持ちとして成人するが、任意で通常学科に入ることも可能。一般人も同じ歳までに成人規定を満たす学習単位を確保可能だが、多くの場合若干遅延する。













































ホビーベース・ヘキサ


 所在地は幕照まくてり梅戸ばいど鐘砂かねさ2-56。個人経営の総合ホビーショップである。水曜定休日。

 元の名称は六角模型であったが、創業者六角孝から相続した二代目六角悟の手によって大型店舗を設けるに至った。

 取り扱い分野は玩具 (小児向け)、ホビー (ハイエンド向け)、スケールモデル、キャラクターモデル、ドール等。

 大規模店舗故に品揃えの幅は広いが、六角をはじめとした運営スタッフ達は量だけでなく質についてもこだわりを見せ、ファミリー層からマニアまで顧客は多い。

 その規模から母体企業が存在するような店舗であると誤解されることも多く、無茶な要望をされることもしばしば。そういった点や、娯楽を扱う店舗故に乱れがちな治安の維持や従業員保護にも力を入れている。

 地域から広く支持される優良店舗であるが、競合チェーン店からの攻撃やブラックリスト入りした者達による悪評の流布への対策にも苦心している。


レジ:

 スタッフと顧客との距離が最も近くなるエリアであるため、特に綿密に構造が考えられている。窓口型の構造はやりとりにクッションを設けることで穏便に事が運ぶようにするためで、各種対応にすぐ取りかかれるよう六角自身が常駐する事務所とシームレスに繋がっている。クレジットカード対応無し、受取金・釣り銭自動カウント機採用。レジ業務は繁忙期などでは過酷なため、アルバイトに対しては1シフト辺り3時間までと制限が掛けられている。

 極端な要望には六角、あるいは六角自身がスカウトしてきた各部門チーフ達が対応する。

六角の意向としては最終的に全自動レジを採用し、スタッフは店舗運営全体に当てたいようだ。


売り場:

 静かな雰囲気を醸し出すことでトラブルなど発生しにくい環境を作っている。だが土日祝日など喧噪が増す日は、来客者の母数自体が増えることもありスタッフは互いにフォローし合いながら店舗運営を行っている。

 基本的にはフローリング、木目調の棚が用いられるが子供が多い玩具コーナーなどはカーペット地かつ、角にクッションを設けた専用什器を配備している。

 各サービスカウンターには情報検索用のPCが各一基ずつ配置され、在庫状況などの店内情報に加え外部のネットを用いた情報検索にも対応している。SNSなどを利用した広報活動は各人の裁量による。閑散時の息抜きに用いることも六角自身が奨励している。


アルバイト募集中である。

時給1000円~ 16歳~ 週3日~ (それ以下でも相談次第)

シフト 1 10:00~16:00

    2 12:00~18:00

    3 15:00~21:00

    4 18:00~21:00

業務

会計 (1シフト辺り最大3時間まで) 陳列 入荷検品 掃除 各部門スタッフ補助

販売企画立案とその実施、及びその補助


「ホビーが好きな人だからできる、楽しい場所の提供が当店の理念です。それに同意してくれる人であれば、最大限当店で活躍の場を持てるよう支援します。

面接のご相談は採用担当・オーナー六角まで」

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不意に滅びてしまった世界の取り戻し方と、死んでいきながら生きる方法について -NEBULA SILHOUETTE- 高杉祥一 @Takasugi-Syouichi

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