自分にとっては罰ゲーム。他人にとってはご褒美です。

@grow

第1話 「さあさあ、ミスコンが始まりまーす」

「さて、本年度の文化祭もこのイベントで終わりだー。レディースアンドジェントルメン!! 席について目を閉じることのない様に。文化祭最終日、最後の出し物。一般参加者の突撃参加もありのミスコンイベントかいさいしまーす」


ミスコン主催者である風紀委員長によるイベントの開始が学校中に流れた。

最初は体育館で行うはずだったのだが、チケットが売りに売れて、買えない生徒が泣くほどだった事から、急遽、グラウンドをイベント会場にすることとなる。

後ろの方だと見えないので、一定間隔にモニターを設置してどこからでも見えるようにしている。


「まず、注意事項をおしらせします。今回行われるミスコンは一般的な内容とは異なり、自薦のみとなります。他薦は無理なので、自分に自信のある方しか出ることが出来ません。そして、最も重要なのは・・・」


委員長の言葉が一旦止まる事で、先ほど以上に皆の注目が集まる。

そんな中発せられる言葉が。


「ミスター女装コンテスト。略してミスコンとなっております。参加者募集の時はミスターコンテストと言っておりました。その時に私たち主催者側の独断と偏見で合格不合格を決めさせていただきました。

参加しようとして不合格を伝えられて悔しがっていた男性、今では安堵のため息をついている人が多いと思います。そんな裏設定があるならば、合格する男性がいないのではないか? と思われるでしょう。

安心してください。この通り、無事にイベントが開催することが出来たのが合格者がいたことの証明となります」


女装コンテストだった事を伝えられ、戸惑うギャラリー達。

普通に考えて、こういったコンテストに出てくる参加者はキモい、ネタに走る、といったものが多くを占めるもの。けれど、今回のイベントは自薦と共に主催者側の合否により参加者が決められている。

それを改めて理解する事で、困惑から期待に満ちた表情を浮かべ始める。


「いつまでも引っ張っていてはブーイングの嵐でしょう。では、参加者の方をお呼びいたしましょう。どうぞー」


委員長の言葉でドラムロールが流れる。

その曲と共に、出たくない雰囲気満載の一人の男性、見た目は女性が舞台上に現れた。


今時の格好なんて知らない。

人の好みなんて様々だ。

なんでもいいから早く終わらせたい。

そんな気持ちから、衣装部屋にあった一つの服を選ぶ。

これなら誰でも知っているし、ネタにもなれるかもしれないと。


「残念ですが、参加者はこの方1人となっております。他にも良さそうな人はいたけれど、この方が来てから、参加を辞退していってしまいました。では、際者で最後の参加者、カタリィさん。白と黒のメイド服を着てのご参加です」


バーグぅ・・・と唸り続けるカタリィが恥ずかし涙を流しながら、女装コンテストに参加している。


バーグとカタリィ。

ある執筆者の作品が賞を取れるかの勝負をして、見事に負けたカタリィ。


「早くかけて読みやすい。でも内容は空っぽでした。無理ですね」

「読みやすくてわかりやすい。活字が得意じゃなくても楽しい。勝てる!」


その結果、カタリィが負けてコンテストに出ることに。

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