作者さまが書き続けていらっしゃる、とある夫婦の真剣勝負シリーズ。フィクションなのかノンフィクションなのかはもうどっちでもいいのですが、見所は、最後のすりおろしシーンです。
大根に始まり、しょうが、わさび、山芋……。
すりおろすのって結構根気のいる作業で、途中でいやになってくるものです。もうやだ、と思った時、それでもすりおろし続ける気持ちを支えるものとはなんなのか。
愛です。
愛する人が待っている食卓に、自分のすりおろしたものを提供したいという強い気持ち。すりおろしに屈しそうになりながらもすりおろし抜く。夫のすりおろしに、そういう強い愛を感じました。
時にはぶつかり合いながらも、同じテーブルで食事する夫婦。すりおろしたそれの中には、きっと愛も混入していることでしょう。
さぞやうまかろう。お幸せに。