27 ぶかぶか
翌日、一希はいつものジャージ姿で大机に待機した。
新藤は十二時を少し回った頃に帰宅し、入ってくるなり、一希に向かって何やら包みを
「作業服、ですか?」
「何か別のもんに見えるか?」
「いえ……」
「一五二なんてサイズはないそうだ。これが最小だと。それでも在庫はなくて取り寄せになったがな」
「あ、私……の!?」
「それに着替えて半までには戻ってこい」
「はい。あ、ありがとうございます!」
部屋に駆け込んで興奮を
早速着替えてみると、確かに丈も幅も一希には大きい。
生地をたっぷり折り返した状態で土間に戻ると、新藤が露骨に顔をしかめる。
「やっぱ無理か……でかすぎるな」
「まあ、本当の現場に出る時には袖と
新藤は首を横に振る。
「ダメだ。これならお前のジャージの方がまだましだ。着替えてこい」
「……はい」
せっかくの初作業服をすぐに脱がなければならなくなり、つい、しゅんとする。
「特注はバカ高いからな。受験の時には買ってやる」
「わあ、本当ですか! ありがとうございます!」
特注を手配させるとは我ながら
「それまでは手持ちのジャージで我慢しろ」
「はい。あの、先生、今着てるこれって私がいただけるものですか?」
「ああ、残念ながら返品はできんそうだ。とりあえず一着だけにしといて正解だった」
「わかりました。ありがとうございます」
この時、部屋に戻る一希の頭には、ある考えが浮かんでいた。
ジャージに着替え直した一希を待っていたのは、大きな爆弾の模型。住み込み前に遠隔操作を指示された時のものとはまた別だ。
「ザンピードですね」
「ああ」
海中に設置または投下され、主に船を標的とするいわゆる
「補助士になって最初のうちの実務といったら、まずは探査か道具渡しだ。その時点で処理士たちにいい印象を植え付けておけば、その後の仕事が格段に取りやすくなる」
春休みにOB訪問をした時、処理士から指名を受けられると強い、という話は聞いている。そこは逆もまた
「道具渡しはデトンとザンピードが中心になるから大体パターンは決まってるが、場合によってはそれなりに機転も必要になる。まずは一個やってみよう」
「はい。よろしくお願いします」
一希は胸を
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