事故現場
皆様今晩は、ようこそ御出で下さいました。
では、今宵二夜目のお話をさせて頂きます。
皆様、交通事故に居合わせてしまった事は御座いますでしょうか。
例えば家の目の前で死亡事故なんて起こってしまった日には毎日玄関を開くたび、
その事故を思い出してしまうのではないでしょうか....。
夜中ふと目が覚めた。
外は雨が降っているようだ、最近は涼しくなってきたので窓を開けて寝ている為、水が滴る音が聞こえる、しばらくぼーっと暗闇を見つめていると少し違和感を感じた。
雨にしては音がおかしい、普通ピチャッピチャッぐらいなのだが、外から聞こえてくるのはベチャッベチャッベチャッっと何か塊のような者が地面に叩きつけられるような音が一定間隔で聞こえてくる。
どうにも不快な音なので窓を閉めることにした。しかし不思議なことにカーテンの隙間から見えた暗い空には雨など降っていなかった。
そして窓を閉じると、何事もなかったかのように暗闇の静寂が広がった。
携帯の画面を見たくなかったのだが、
今が何時か気になったので時刻を確認した、時計は3時54分を指していた。
昨日眠りに着いたのが確か1時半頃だった、2時間半ほどしか寝ていないではないか、普段なら絶対に目が覚めない時間帯だ。
次の日は特に何事もなく、寝坊した。
昨日の音について何だったのか考えているとふと、5~6年前家の前で起きた交通事故を思い出した。見通しの良い家の前の道路で男性が車に跳ねられ、フェンスに激突し、亡くなった事故だ。その場所は家の前だけあって毎日通勤で枯れた供え物の花を目にしている。事故当時は私は家の中に居たので事故の音をよく覚えている、ドンッベチャッそれは当時棲んでいたマンションの9階にまで響いてきた。音の大きさから即死だろうと思える程だった。
そういえば事故が起こったのは肌寒くなってきた秋の始め頃だったかもしれない。
それでは良い夢を。
恐奇心の扉 戸間都 仁 @tomato_hitoshi
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