中学生の職場体験最終日(とりあえず、生きてみたら?)
「とりあえず、生きてみたら?」
私は、中学生たちに、そう声をかけた。
他人の悩み相談にのることは、普段は絶対にない。
なぜなら、アホらしくて聞いていられないから……。
まだ、このときは、路上生活と牢屋暮らしを行ったり来たりする前だったけど、それでも、かなり重かった記憶がある。
もう、この時点でいろんな経験値があった気がする。
中学生の職場体験最終日、彼らはレポートを書いて学校に提出しなければならないということなので、その日は、丸1日、その時間に当てた。
私は責任者として、バックヤードで彼らと一緒に居た。
ふとした拍子に、なぜか、お悩み相談みたいな感じになった。
あまりにも薄すぎて、どう答えていいかわからない。
「とりあえず、生きてみたら?」から始まり……。
人生の可能性がある30代半ばまでは普通に生きてみよう、自殺や殺人をするならそのあとで……と、言った記憶がある。
学歴は何の役にもたたないからどうでもいい、大切なのは人間性のみ……、と言った記憶もある。
若いときに恋とセックスを飽きるまですること!それも言った記憶があるなぁ。
職場で責任者になって、学生に指導する立場になってしまったら、自分のことは棚に上げてでも、偉そうに接するしかないからね。
こっちだってロクな人生を送っていないことくらい自覚している。
後日、感想文が学校から送られてきたけど、職場体験のことよりも、全員が、この日私が話したことのみの感想文になっていた。
ちょっとは心に引っかかったんかな?
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