親バカ魔王様と娘のリリスの愉快な日常ファンタジー

何万年の長きにわたり魔族の王として君臨してきたルシファー。ときに刺客に襲われることはあれど、基本的には変わりばえの無い日々を送っていた。そんな中ある日彼は城門の前に捨てられていた人族の赤子を見つけ、彼女を育てることを決意する。

以前にも動物を拾っては、すぐに世話に飽きて側近に任せてきた前科を持つルシファー。今回もどうせすぐ飽きるだろうと思われていたのだが、意外や意外。飽きるどころかその愛情は増す一方で、勇者との戦いや、人族の反乱の鎮圧のときでも娘・リリスを手放さなず、彼女が保育園で男の友達を作れば、その子に思いっきり嫉妬するという親バカっぷり。おかげで公務は滞り周囲の負担は増すばかり。

日々成長するリリスも可愛ければ、その娘にメロメロなルシファーも実に可愛らしい。そんな魔王に振り回される部下たちはいずれもキャラが立っていて、300話近い話数にも関わらず、いつまでも読んでいられる楽しいファンタジー作品だ。

(「こんにちは、赤ちゃん」4選/文=柿崎 憲)

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