第4話 飛行機って、どうやって乗るん?

私の最終学歴は高卒だが、修学旅行で飛行機に乗った事がない。

当たり前だが飛行機に乗らなきゃ(そりゃまぁ絶対って訳じゃないんだろうけど)フランスへは行けない。


小学校はバスで東京、中学もバスで京都と奈良。高校の修学旅行は飛行機で沖縄だったのだが、行かなかった。お金が勿体なくて。

貧乏校だったので20人ほどが積み立てを滞納していて参加出来なかったという背景もあり、不参加者は私だけではなかった。

二泊三日の間は3日間教室で出された課題をして過ごしていた。


飛行機…飛行機…飛行機…。

まず、パスポートが要る!

バイト先のおばちゃんの娘さんの修学旅行先が台湾だったので、アドバイスを頂きちゃんとカメラ屋で証明写真を撮って貰った。

街中の証明写真機では印刷が一部ぼやけることがあったり、又フラッシュで妙に顔だけ浮いて見えるのも場合によってはNGらしい。

私の住む町は小さな町なので、ネットで調べてみると隣町の市役所管轄地域らしく、パートの合間を縫っていざパスポート申請へ。

ついでにフランス行きを決める前から勉強していた調理師免許試験の手続きもこちらの管轄らしく一石二鳥で、保健所へもGo。


ーーというか、初めて乗る飛行機が国外ラインで、行き13時間/帰り12時間強の機中泊、しかもたまたま安かったからといって安易にエールフランスを選択した私。

そして小娘一匹で初海外。中国台湾韓国ハワイ辺りなら何とか日本語が通じるが相手はあのおフランスでございます。

今更ながらもこの旅…大丈夫なのか?!

パスポート申請という言わばココイチ大切な作業を前にして、私の中で急に現実味を帯びてきたことによる不安が、待ち時間中頭をグルグルグルグル…。

最終的には『お前頭パッパラパーだな!』という在りもしない天からの声すら聞こえかけた。


しかしまぁ、お役所というか公的機関というか、そういったものはどうしてこうも平日しか開いてなくてその上夕方仕事終わりの頃には閉まってしまうものか。

終業時間早くない?!せめて救済措置で早朝から開いてるとかさ、交代制で人数は少なくてもいいからもう少し開けるとかさ、役所に用がある人間なんて大人しかいないじゃないですか?!

定年後のお祖母ちゃまお爺ちゃまはまぁ良いですよ?昼間時間はたっぷりあるからね?

昼休み駆け込んでもお年寄りで溢れかえり順番が来ずタイムオーバーでとんぼ返り!自分の終業後ソッコー来ても閉まってる~~!!


職場のおばちゃんのアドバイスもあり、どちらも恙なく終了した。

しかし上記で述べた通り、申請は恙なく終わったものの窓口の営業時間に飛び込めるまでに、実は2回ほど終業時間を食らい撃沈していました…。隣町まで来てるのに…泣

そしてもうひとつ、心残りはパスポートの期限について。

未成年だと、パスポートって5年用しか作れないんですね。貧乏育ちの金に執着しがちな私はたった約3,000円ぽっちで10年用取れるんだったらそっちのが断然お得だのになぁ、とぶつくさ言いつつ(また10年内に行く予定もないクセに)、市役所合同庁舎を後にした小娘であった。

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赤いランドセルの少女は、いつもどこか遠くへ行きたいと思っていた。 丸山千冬 @h-0322

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