アルバレス新聞

記事:無敵の弱点

 「今の自分に敵はない」その考えを持つこと自体は別に間違いではない。だが、その考えの根拠がどこにあるのか、時折振り返って考えてみた方がいいかもしれない。

 諸君は「ハヅキルーペ」というレンズを知っているだろうか。尻に敷いても壊れないという、あのハヅキルーペだ。このレンズはその圧倒的な強度のため、銃弾にされ、盾にされ、そしていたいけな少女に屈辱を与える凶悪兵器と化した。

 特に、かの「ハヅキルーペ団」はハヅキルーペを全身に纏い、たとえ竜だろうが死者の王だろうが倒して見せると豪語していた。


 だが、そんな無敵の彼らを倒したのは、立った二人の少女だった。

 彼女たちは勇敢で、最後まであきらめない心を持っていた。彼女たちの折れぬ心は「無敵の盾」を持つ彼らを破ったのだ。


 無敵の盾は壊れぬ。だが、無敵の盾を持つ者が倒れないとは限らない。

 だから人よ、己を鍛えることを忘れるな。

 体と心を鍛えることを忘れるな。

 最後に勝敗を決めるのは、道具ではなく人なのだ。



エピソード『脱獄闘争! ハヅキルーペ団よ永遠に』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885760655/episodes/1177354054889351972

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