空は青い
目を開けると、シオトが泣いた。
「ごめん」
「テル」
「テル」
「嫌いとか言ってごめん」
「テルが悪いんじゃない」
「俺が、馬鹿なこと考えてた」
「ずっと、テルの時間貰ってるんだって、そう思ってた」
「テルは学校行けば、他に友達もいる。けど俺は一人だったから」
「テルが俺のせいで放課後とか休日の時間つぶしてるの知ってて、それでも俺は嬉しかった」
「俺は夕方しか会えないからって言い訳して、ずっとテルに甘えてた」
「だから、この病気治ったらいい加減離れないとって」
「ごめん。テル、嫌いなんじゃない。そんなこと思ったことない」
「できるなら、一緒にいたい」
夢のような心地で、シオトの言葉を聞いていた。あの日と逆で、今度はシオトの目から涙が溢れてくる。
シオトの後ろの窓は、澄み渡った青。
それがどうしてかひどく嬉しくて、テルは笑った。
空は赤い 立見 @kdmtch
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます