空は青い


 目を開けると、シオトが泣いた。


「ごめん」

「テル」

「テル」

「嫌いとか言ってごめん」

「テルが悪いんじゃない」

「俺が、馬鹿なこと考えてた」

「ずっと、テルの時間貰ってるんだって、そう思ってた」

「テルは学校行けば、他に友達もいる。けど俺は一人だったから」

「テルが俺のせいで放課後とか休日の時間つぶしてるの知ってて、それでも俺は嬉しかった」

「俺は夕方しか会えないからって言い訳して、ずっとテルに甘えてた」

「だから、この病気治ったらいい加減離れないとって」

「ごめん。テル、嫌いなんじゃない。そんなこと思ったことない」

「できるなら、一緒にいたい」


 夢のような心地で、シオトの言葉を聞いていた。あの日と逆で、今度はシオトの目から涙が溢れてくる。

 シオトの後ろの窓は、澄み渡った青。

 それがどうしてかひどく嬉しくて、テルは笑った。

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空は赤い 立見 @kdmtch

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