第二話 種を撒く者。実を刈る者。
それは、
その日は、
そんな時、眉の太い
「
「お客とな?」
「ええ、
この雨の中誰だろうと、門へと
「おお、
「お久しぶりですなあ、和尚様!」
和尚が博士殿と呼んだのは、
博士は顔の
「いえ、
「ええ、本当に。あのお
「……侍?」
和尚の言葉に、博士の鼻がわずかに
「ええ、実はこの前この村にあるお侍様がふらりと現れまして……そのお方が剣を振るい、
一方博士の方は、
「……はあなるほど、鬼を斬った
「
「あの方は、
──
和尚が
「──それは、
その手をどければ、
「そのお侍様への
「して、そのお侍様の名前は、なんというのですかな? まさか
「ええ、そのお
「
それはまた、言いかけた
「──
「ああ、お
お
「お
和尚はその姿を見送りながら、「
「……はあ、
その
「せっかく
博士は
ここら
何はともあれ、だ。
「外他一刀斎か……」
なんとも
自分のためにやったところで、金なぞは
だから博士は
それが今回は、実る前に横からかっさらわれてしまったが……。
「どれ、ひとつ
なにより、
「ふむ……川の奴らを動かすかな。
博士は
はてさていったいどうやって、
かつて
たった
それほどまでに
だがしかしそれは、
「あ、ああ……あ、あの時の、あの時のぉお……!」
どこかで
あの
一刀斎は、またもや
「すまないが、この川を
「ひ、ひい!」
顔を真っ青にした男は、
代わりに答えたのは、
「そうだなあ。
「船以外の手段はあるか」
七里も船に乗ってはいられない。しかも海。川の船よりずっと
「……それはないな。この川は
「どちらにせよ、船は使わなければならないのか……」
「しかも、
なんとも
ここで
それとも、
「
「
漁師。またもや
ただ、
「で、どうするんだい。
「今日は
なにしろ
「ふむ、そうかい。
「尾張の殿……
織田尾張守。尾張に生まれた大名であり、
かつて
そういえば。
「……その織田尾張守に
「うん?
「ほう」
織田尾張守が本拠としていた場所。それは
なにせ、「
「なら、そちらを
船に渡らず、金にもならないのにありがたいことだ。渡し手を見れば、「気にすんな」と手を上げる。
「俺の金にはならねえが、
「さすがに暴れたりはしないぞ。おれも死にたくない」
「怯えるのは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます