第十四話 旱天の村
「……では、おれはそろそろ
「おうさあ。
「
「
ここまで
あの
「もちろんですとも……! この
「ああ、
綺麗な武。その
武とは
それを
「……お前さん、言っていたよなあ。
「ああ、おれは、そう
そして、そうだと
「なら、
「……ああ、そうだな」
思い出したのは、
だがしかしその剣は、
「お前さんのその
空を見上げれば、
「さらばだ、松軒」
「じゃあなあ、一刀斎」
それ
「このような
「しかしお疲れのところ
「
修行僧が置いた膳は、
「
「
「……それが、ですね」
修行僧はその太い眉を八の字に曲げて、
「……どうか、したのか?」
「ええ、実は……この
「──なに?」
修行僧の
雲林院で見たその黒雲は
「間違いなく、日照の鬼神が
「和尚様」
「日照の鬼神、とは?」
一刀斎は、あっという
「
和尚いわく。
この一帯では
だがしかしその
力士を問い詰めれば、「あまりに
それ
そんな
その陰陽師が言うことには、「負けてしまったことで日照の鬼神となってしまったのでしょう。荒ぶってしまった
陰陽師は「自分も山に入って
その
後は誰かが、日照の鬼神を打ち倒すだけ――だったのだが。
まるで
お陰で儀式は失敗、先の雨の日であっても黒雲は雨を垂らすことなく。真っ先に晴れたのだという。
「……なるほどな」
と言いたくなったものの、そういう
流れの陰陽師というのもどうにも
ただそれより気になるのは、その力士だ。神を投げ飛ばせるだろうと思わせるほどの腕とはどれほどの
「日照の鬼神──そういえば」
一刀斎が、腰から抜いた愛刀を
あの
「この甕割も、かつては日照の鬼を切ったという話があったな」
「本当ですか!?」
その
「ああ、聞いた話ではあるが……」
「日照の鬼を切った
「いや、おれはただ旅の
通りすがったのは、
むしろ導いたというのなら、さっさと道に出して欲しかった。
「お侍様」
「なんだ」、と声の主を見てみれば。
和尚がその白い頭を、こちらにしかと下ろしていた。
「
「どうか
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