How completely day. 感情の日について:散文
「ハウディ! 突然だけれど、感情暴走の原因について話したいんだ。俺はこれを、音楽による感情のコントロール実験によるものだと考えている。もしかしてこのトタントそのものが大きな実験場なのかな? 用意された隔離施設のようだよね、今の状況は。街の皆の死体も消えている。腐敗したら実験の邪魔だからか、そもそも人間じゃないダミーだったのかはわからないけど。人間の感情をスピーカーから流れる音楽で完璧にコントロールし、殺しあいすら可能にさせることができるかを確かめようとしている研究者たちがいる。……それだけじゃないのかな。まさかとは思うけれど、その研究者、外界から俺たちを観察している誰かは、その音楽、あるいは"イヴの歌"による感情操作で、みんなの感情をひとつにして"万事"が"完璧な日"を作ろうとしているとか? なんだか祭りのあたりからおかしかったものね、豊穣の神を呼び込むとかなんとか。俺たちを、何段階かの感情操作の試運転をしたあと殺しあわせて生き残った個体を選別して、街全体をひとつにして、神を呼ぶ。そういう目的の実験なのかなと俺は思っているよ。この街はずっと雪、ずっと冬ばかりだから、そろそろ春が恋しくて、誰かがこんなことをしたのかな。春を呼ぶために、完璧な日をつくるために、豊穣の神をよぼうとしたんだ。俺たちを生け贄に」
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