危険です、読み出したら面白過ぎて止まりません。
某有名大学を卒業し有名商社に就職した主人公、松岡。
とある理由で、憧れのプログラマに転職。
そこは信じられないくらい、ブラックで塗りたくられた灰色の世界だった。
そこに紛れていた、いわゆる浮いた存在、空井。
彼には誰にも知られていないとある能力があった。
彼との出会いが、松岡の人生を大きく揺さぶっていく……。
ストーリー展開、人物、テンポの良さ、全てにおいて非の打ち所がない作品です。
ハッキングという電脳世界で、人間の心がドロドロにうねっていく、そんな中、神のごときスキルを持つ空井と、それに巻き込まれていく松岡。
先が気になって仕方ありません。
知識のない人でも楽しめます、是非おすすめです!
ハッカー……今はホワイトハッカーという言葉が浸透しており、身近にあるのだが、この作品の舞台となっている1990年代ごろはまだマイナーであり、異彩を放つ言葉であった。
この物語は、会社を辞めてプログラマーになった青年が、慕っている先輩がハッカーであるということを知ってからドラマは始まる。
当然この物語はフィクションなのだが、フィクションとは感じられない程の重厚なる文章に、これを読んだ人間は、普段普通に暮らしている我々には知らない世界があるのだなと気がつくであろう。
この作品は、今からおよそ20年程前の日本を舞台にしているのだが、当時マイナーであったプログラマーに焦点が当てられており、彼等の取り巻く環境が浮き彫りになっている。
パソコンに興味がある人には是非一読して欲しい作品である……!