第5話 秘密

「ねぇ、今度はこんなの描いてみたんだけど、どう?」


「ん……? これまた自分たちのこと描いてる?」


「あ、バレた?」


「わかるよ。バレるに決まってるでしょ」


 これまでもずっと自分たちのことを描いてきた。でもそれは妄想であり、願望でしかなかった。

 これまでと違うのは、これは過去にあった事実であり、歴史であることだ。


「じゃあこれアップしちゃうね」


「なんだか恥ずかしいんだけど」


「いいよ、みんなきっとただの妄想だと思ってるから」


 真実を知るのは自分たちでだけでいい。

 ここまでにくるのに14年もかかったのだから、それくらいのわがままは許してほしい。


「そういうものかな。じゃああげちゃえば」


 だからこれは、私と真野くんだけが知っている、本当の話なのだ。



『スーパーのレジ係をしていたら中学時代に好きだった人が来た話』

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スーパーのレジ係をしていたら中学時代に好きだった人が来た話 いお @medley

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