ラブ番外編 学園以外の日もラブに汚染されて俺は休み辛い

この前の日曜日、姉ちゃんにパシリにされた俺は近くの商店街へ。姉と言う生き物は、弟を我が物として考え、例えゲームで遊んで自分の時間を使いたがっても逆らえず、結局はパシリにされる、理不尽。


そしてラブコメに汚染された者達が、休みまでも俺を苦しめる。


フクロウ事件な二人、商店街のペットショップ前を通った所で聞こえた良く知る声。見なきゃ良いのに視線向けちまったら、良く知る二人、いや、クラスメイト。仲良くペットショップで何かを選んでいる。順調に二人はラブまっしぐら。


そして見た、笹木が宮本さんの手に触れたのを!


宮本さん、びっくりした表情をしていたが嫌がってはいない、顔を真っ赤にさせていたがゆっくり握り返すのをこの目で確認。お前らまだ付き合ってないのか?イチャイチャ、イチャイチャしてるのに付き合っていないと言っている。もう早く付き合えば良い!


そして俺は通り過ぎて行く。姉ちゃんに頼まれたものは商店街奥のスーパーにしか売っていないため、かなりの時間真っ直ぐ歩いていく。


とあるスポーツ用品店の前、二ノ宮とばったり会った。二ノ宮が話し掛けて来るのを無視する訳にもいかず挨拶を交わす、交わすが…………ぶるっと悪寒。


見ないようにしたい、たが見える。二ノ宮越しに離れた所に立つ二階堂の姿を!おいおい、ストーカーか!?俺を見る視線が鋭く視線で人を殺せる能力があるなら、俺は絶対に殺されているだろう。つうか、俺を二ノ宮と二階堂のラブに関わらせないでくれ!


ひきつった顔のまま、俺は二ノ宮に二階堂の事を告げてやった。二ノ宮が振り返り二階堂と目が合ったのを確認し、予定があるからとサッサッとその場を離れる。二階堂は早く二ノ宮と付き合ってくれ。


嫌な予感が何となくする、商店街を突っ切るのは止めようと俺は裏道へと足を進める。


それが不味かった。


裏道を通った途端、聞こえたのはあの忌々しい体育倉庫で聞いた声の二人。ツン乙、百瀬さん、策略化乙、鮎川。


「ちょ、な、何、か、考えてんのよっ」


「モモのこと」


「ばっ……っ、かじゃない!」


「ん、モモのこと考え過ぎて馬鹿になる」


いい加減にして欲しい。何がどうなって、裏道で二人のイチャイチャ、イチャイチャを聞かなきゃいけないのか。


百瀬さんと鮎川の経緯が全く解らないが、隠れた場所で体が密着し、鮎川が百瀬さんに迫ってる図は理解出来る。


そしてタイミング良くLINE、音が鳴ってしまいヒヤッとするが生憎かなりの距離があった為に聞こえてない。耳が良い事に今日は1ミリくらい感謝する。


兎に角裏道を離れて元の場所へ、LINEを確めると源太郎からのLINE。


『沙田さんとなう』


大量の二人の写メ画像、休みの日に俺にこれが送られ俺は何かを答えるべきなのか?無表情になった俺は既読スルー。


姉ちゃんに頼まれた物をサッサッと買って早くに帰ろう。


商店街の道に戻り、歩いていると、え、あれは陣野先生と…………愛野さんか?陣野先生の隣であるく超絶美青年、顔立ちが愛野さん、いや、あれは愛野さんだ。今日は男の格好だからだろう。但し周りは愛野さんと気付いてはいない、格好良い美青年が恋人の陣野先生と歩く図にしか見えない。


ラブコメとは、バレバレでもモブにはバレない特性を持っている、じれじれ展開の中で甘い雰囲気を一度味合わせた後に、起こる。起承転結、物語に必要。多分今はじれじれ甘々展開中なんだろう。


商店街の歩く人々は、陣野先生の隣に居る愛野さん、いや、愛野に目を向けている。イケメンはぜろ。


然り気無く、視線を反らして商店街端へと俺は体を寄せる。


そしてまた、新たなるイケメンが目に飛び込む。


花園と川路さんだ。


陣野先生と愛野、花園と川路さん。


おいおい、あんた達に商店街は似合わないだろ、ショッピングモール的な場所でデートしろよ!


陣野先生や川路さんは商店街で買い物は似合うだろう、何度か俺も見掛けた事はある。イケメン二人の愛野と花園。こちらの二人に関して商店街で見掛けた事はない、というか商店街を知っているのかさえ怪しい部類だ。


自称恋人である陣野先生に愛野はくっついて来たんだろう、川路さんに関しては花園が嫌がらせ的な意味と監視の意味を込めてくっついて来たんだろう。


俺は足早にその場を早々に後にする、ふと、美容室でクラスメイトを見掛けたが、それは無視。気づかないフリだ。


何にせよ、休日の商店街もラブに汚染されている。


休み辛っ!

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この学園はラブに汚染されて俺は生き辛い 紫斬武 @kanazashi

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